軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

(第19話)告白大作戦は成功したのか?~クラウド王国~

「皆様。本日はお忙しい中お集まりくださいまして、ありがとうございます。それでは『隊長から聖女様へのlove confession大作戦』の第一回作戦会議を開始させていただきます」

セバスが!! セバスが張り切って司会をしている!!

「いやいや、落ち着けセバス!! というか第一回なのか!? えっ? 何回もやるの、これ? えっ? ていうか打ち合わせ必要? 『俺からシエナ嬢への告白大作戦』と言いつつも、告白するだけだよな?」

「隊長。告白には、シチュエーションや贈り物など事前準備が必要なのですよ? しっかり作戦を練らずに勢いだけで挑んでも失敗するだけです」

いやいやいや、セバスよ!! 俺が知ってる限りお前も誰とも付き合ったことないよな? セバスは、一体告白の何を知っているんだ!?

そして、メンバー!! 大作戦のメンバー!!

食堂のおばちゃんリリー・1ミリカットのジョン・庭師のベン・若手のダンって!!

大丈夫か!? 大丈夫なのか!?

「食堂のお姉さまである私には告白のことはあんまり分からないけどね、旦那からの告白の言葉は『リリーの作ったかつ丼が毎日食べたい』だったよ! でもね私は言ってやったのさ、『私のレパートリーの数を舐めるんじゃないよ! 毎日かつ丼ばかり作るはずがないだろう!』ってね。それで言い争っていたんだけどなんだかんだ『もう一緒に暮らそうか』ってなってね、交際0日婚の先駆けをしてやったよ!」

リリーよ!! それはのろけか!? のろけなのか!? それにしてもリリーの馴れ初め初めて聞いたが、まさか交際0日婚だったとは……。すげぇな。

「シエナ様は前髪を作っても可愛らしいと思うので今度提案してみようと思いますが、どうですか?」

ジョンよ!! それはただ自分がシエナ嬢の髪を切りたいだけだよな!? というか俺の告白関係ねぇ!! ただ、シエナ嬢に前髪も似合いそうなのは激しく同意する!!

「庭師のベンです。シエナ様は茄子が好きだと聞いたので、今度は茄子を植えたいと思っています」

ベンよ! それはただの業務報告だ!!

「隊長! 俺はシエナちゃんが好きっす!! でもそれ以上に隊長を尊敬してるんで、隊長を応援します!! だけどもしも隊長が玉砕したら、次回は『ダンからシエナちゃんへの告白大作戦』を決行したいっす!!」

ダンよ!! それって絶対応援してないよな!! むしろ俺がフラれるの待っちゃってないか!?

「セバスよ!! せっかく皆を集めてくれたのにすまんが、何の参考にもならん!!」

「では、決行は一週間後の夕日が落ちる時間帯に聖白百合の花畑の前でしましょう。聖女様のお好きな花のリサーチ及び花束の用意は僕がしますので、隊長は告白の言葉を考えておいてください」

「うおおーい!! もうそこまで決まっているのか!! えっ? じゃあ今の話し合いはなんだったんだ!? 必要? 第一回作戦会議必要だった?」

「それでは皆さん本日はありがとうございました。第二回は、祝賀会または残念会となりますので、また連絡します」

セバスよ!! なんだそれは!? 第一回は絶対必要なかったよな? なんなら第二回もいらない!! 特に残念会とかいらないからな!! 一人で泣かせてくれー!!

「うわっ!!」

その時、扉の外から隊員の叫び声が聞こえた。

「どうしたんだ!?」

慌てて扉を開けた俺の目に飛びこんできたのは、真っ白い世界だった。

なんだ、これは!? 扉を開けるとそこは雪国だった! だと!?

「隊長ー!! 隊長の執務室に報告書を届けようとしたら、廊下で聖白百合が飛び散っててびっくりして叫んじゃったっす!!」

聖白百合? そうかこの白いのは、聖白百合の花びらか? んっ? どうして花びらがこんなに舞っているんだ?

……それに、聖白百合が咲いているということはそこには……。

「隊長さま……」

「うおおーい!! やっぱりいたー!! シッ、シッ、シッ、シエナ嬢ー!!」

開けた扉の近くに、白い花びらに埋もれたシエナ嬢がいた!!

「ど、ど、ど、ど、ど、どうして、ここに!?」

「ジャガイモの在庫が足りなかったのでリリー様に確認したくて、隊長さまの執務室に向かうのを見たって聞いたので……。すみません。ノックをしようと思ったんですが、中から話声が聞こえて……つい聞いてしまいました……」

ツイキイテシマイマシタ?? えっ? 嘘だろ? まさか……。

「ど、ど、ど、ど、ど、どどこから聞いてたんだ!?」

「……隊長さまが『俺からシエナ嬢への告白大作戦』と言っているところからです……」

アウトだー!! ばっちり作戦名聞かれてるー!! というか作戦名が一番聞かれちゃダメだったー!!

「つまり、つまり、つまり、つまりつまりつまり」

動揺しまくって、壊れたオウムみたいになってしまった俺に向かって、セバスが冷静に言った。

「作戦は失敗です。隊長」

ひー!! 辛辣眼鏡ー!!

それにしてもシエナ嬢からしたら、五歳も年上の熊みたいな男が、自分に告白するために人を集めて作戦練ってたら怖いよな……。

「シエナ嬢。その、怖い思いをさせてすまなかった」

「……えっ? 怖い思い……ですか?」

「だけど決して君を怯えさせたいわけじゃなかったんだ! 俺は、こんな気持ちになったのは生まれて初めてで、この気持ちをどうやってシエナ嬢に伝えればいいのか分からなかったんだ!」

「……隊長さま……」

「シエナ嬢は、可愛い!! 初めて会った時からその笑顔が可愛かった!! だけどそれだけじゃなくて、いつもまっすぐで強くて!! 食堂で一生懸命野菜を剥いている姿もいじらしい! 確かに君の起こす奇跡は凄いし、凄すぎるが!! でも俺が惹かれたのは君の起こす奇跡ではなくて、奇跡を起こしても何も変わらず笑っている君の清廉さで!! 君が聖女だとか聖女じゃないとか関係なく、俺は一人の女性として君を好ましいと思っている!!」

「隊長! 待ってください。このままだと僕達が……」

変なエンジンがかかってしまった俺には、セバスの言葉は届かなかった。

ただ真っ赤な顔をしているシエナ嬢に畳み掛けるように、執務室と廊下の中心で愛を叫んだ!

「俺は、シエナ嬢が、好きなんだー!!」

「「「「「うわー」」」」」」

俺が叫んだ瞬間、後ろからリリー・ジョン・ベン・ダンの悲鳴が聞こえた。

やっと我に返った俺が振り向くと、告白大作戦のメンバー達は聖白百合の花びらに溺れていた。

「はっ? どうしたんだ? 皆? これは一体……」

「隊長がヒートアップして聖女様への思いの丈を語っている時から、どんどん舞い散ってくる花びらが増えていき僕達は溺れかけていたのですが、最後の叫びでついに溺れました」

そう報告するセバスも聖白百合に埋まっていて、眼鏡の間にも花びらが入り込んで、もはやそのつぶらな瞳が見えなくなっていた。

えっ? なんだこれは? 大作戦のメンバー含め執務室と廊下が聖白百合の花びらで埋め尽くされているのに、俺とシエナ嬢の周りだけハート型の空間が出来ている……。

「シエナ嬢……。これは一体……?」

「……返事です……」

「えっ?」

「……隊長さまからの告白への私の返事です……」

「えぇっ!? それは、それって!? えっ!? えっ!? えぇー!!」

「隊長さま。告白大作戦は、大成功です」

そう言って真っ赤な顔で笑ったシエナ嬢が可愛すぎて、俺の心臓が停止寸前になったことは内緒だ。