軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

光と闇

閑話 光と闇

その夜。

マクレガーは馬車に揺られ、屋敷へと戻る途中だった。

「マクレガー様、孤児が倒れてますぜ」

御者の声に、彼は窓の外へと目を向ける。

路地の片隅に、痩せ細った少年が倒れていた。

ぼろ布のような服。土に汚れた顔。今にも消え入りそうな呼吸。

「……こりゃ駄目だな」

一瞥しただけで、マクレガーは吐き捨てた。

「売り物にもならん。行け」

御者は一瞬だけ視線を落とすが、何も言わず手綱を打つ。

馬車は速度を落とすことなく、路地を通り過ぎた。

「マルペン商会も完全に潰れた」

マクレガーは満足げに笑う。

「帰って祝杯だ。ハッハッハ」

笑い声は、すぐに闇へと溶けた。

少年は、かすかに顔を上げる。

遠ざかる馬車へ向かって、震える手を伸ばした。

だが――声は出ない。

やがて馬車は闇の向こうへ消えた。

それでも少年は、しばらくその方向を見つめ続けていた。

その頃。

ヤマタニは協会からの帰り道にあった。

用事はすでに終わっている。

あとは帰って、遅い食事でもとるだけ――

「あなた、あの路地に誰か倒れています!」

ケイトが窓の外を指差した。

ヒラリーも身を乗り出す。

「子供です!」

――その瞬間だった。

ヤマタニは、考えるより先に動いていた。

馬車が止まりきる前に扉を開け、地面へ飛び降りる。

路地へ駆け込み、倒れている少年を抱き起こした。

驚くほど軽い。

「まだ息がある……!」

すぐに抱え上げ、馬車へと戻る。

「急げ!」

少年を抱いたまま乗り込むと、御者は即座に手綱を打った。

馬車は夜の街を――全速力で駆け抜けていった。

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これで第一部の話は全て完了となります。

お話を読んでくれた方々に、感謝いたします。

ありがとうございました。

明日からは第二部に続きます。

お話はさらに盛り上がってまいりますので、引き続き、よろしくお願いします。