軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

復讐、完全勝利

第63話 復讐、完全勝利

経理課長ケイトの働きにより、事件は一気に決着へと向かった。

衛兵の取り調べ室では、販売課長が椅子に縛り付けられ、顔面蒼白で震えていた。

「証拠はすべて揃っている。言い逃れはできんぞ!」

机を叩きつける尋問官。

その音に肩を震わせながら、販売課長は叫ぶ。

「ま、待ってくれ! 俺は……脅されて仕方なくやったんだ!」

「脅したのは誰だ?」

間髪入れず、冷たい声が突き刺さる。

「〇〇商会の社長だ! 借金を盾にして……家族がどうなってもいいのかって……!」

その瞬間、室内の空気が変わった。

「主犯は別にいる、ということか」

「ち、違う! 俺はただ命令に従っただけで……!」

情けなく取り繕う声は、もはや誰の同情も引かない。

その日のうちに、〇〇商会の社長は捕縛された。

「俺は何も知らん! あいつが勝手にやったことだろう!」

豪奢な服を乱しながら暴れる社長。

しかし――

「言い訳は詰め所で聞こう」

衛兵隊長の一言で、その抵抗はあっけなく封じられた。

腕をねじ上げられ、無理やり馬車へ押し込まれる。

かつて他人を見下していた男の姿は、もはやそこにはなかった。

一部始終を見届けたケイトは、小さく息を吐いた。

(これで――終わり)

冷静な表情の奥で、わずかな達成感が灯る。

証拠の収集、資金の流れの特定、関係者の洗い出し。

すべては彼女が裏で組み上げた“罠”だった。

すべて計算され尽くしていた。逃げ場など、最初から存在しなかったのだ。

「……これで、ようやく報告ができる」

「御主人様を苦しめた報い――これできっちり返したわ」

そう呟き、ケイトは踵を返す。

夜の街は静かで、何事もなかったかのように灯りが揺れている。

だが――

その裏で、一つの商会が音もなく崩壊した。

復讐は、すでに完了している。

――誰にも気づかれぬままに。

最初から、勝負にすらなっていなかった。

完全に。