軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

キ:打倒フォーパンベア

5回目の正直。

勢いで全員集合した同盟メンバーで挑む、フォーパンベア戦。

再び飛んできた島で、山のすぐそばをウロウロしている大きな熊が、さっきから僕らがチャレンジしているフォーパンベア。

「よし、まだ認識されてないな……全員準備!」

皆でマナの果実をモグモグ食べたら、まずは事前準備にバフをかけよう。

「【絶好調のお 呪(まじな) い】ー」

夾竹桃さんの【呪術】バフは、スキルで発生する色んな数値の振れ幅を上振れさせるためのもの。

「【天象・その背に護りしガーディアン】、【天象・折れてなお芽吹く緑の息吹】」

アルネブさんが星座を使った【星魔法】でバフをかける。

ド根性さんに防御上昇と、僕ら全員に微量回復が継続する効果。

「【執行モード】……ぜ、全力で行きますね!」

ラウラさんは【光魔法】でのバフがそこそこの強さになったらしいけど、今回はラウラさん本人にだけバフをゴリゴリにしてもらった。近接攻撃でド根性さんと一緒に注意を引きなが攻撃する役だから、MPは全部自分用に使ってもらう。

他にも色々、効果のあるポーションを飲む人は飲んで……僕らも仕上げ。

僕と相棒だけMPを共有するポーションを飲んで、僕は相棒の背中にくっついてステータスを全部預けるバフモードになった。

あえてこの状態を選んだのは……僕の俊敏だと、フォーパンベアの範囲攻撃を避けきれないから。

そして僕の全部をまるっと相棒に加算すれば、HPとMPを区別なく使える相棒ならワンチャン一撃貰っても耐えられる、かも?っていう希望。

なおかつ僕がこの状態でグビグビポーションを飲み続ければ、相棒はもう少し安心してスキルを使える。

さらにネビュラとも合体すれば、早々相棒は離脱しない。

各々必要な事前準備を済ませて……森をのしのし歩いているフォーパンベアに視線をやった。

「準備よーし」

「では行くぞ!! 後に続けぇえええ!!」

「は、はい! 行きましょう!」

先行して突撃するのはド根性さんの操るゴーレム。

ラウラさんは初見だから、ゴーレムに追従する形で行動パターンを見ながら攻撃。

突進するゴーレムと天使に気付いたフォーパンベアは、かかってこいやとばかりに両手を広げて咆哮を上げた。

──ベァアアアアー!!

うーん、雄叫びもド迫力!

(……熊からすれば、何度もゾンビアタックしてくる人間はそこそこ怖いだろうな)

(だろうね!)

後に続くメンバーは、それぞれが熊の攻撃を回避しやすい位置に陣取って、それぞれが行動に移る。

真っ先に始まるのはゴーレムと熊の殴り合い。

意気揚々と右の拳を構えて突き進む大きなヒト型のゴーレム。

その拳に、凶悪な爪のある掌を振り上げたフォーパンベアが、ジャストタイミングでそれを振り下ろす。

激突。

ツーパンベアの爪が装着されているゴーレムのパンチは、4HITする熊の掌で相殺された。

始まった戦場に、竪琴の演奏と歌が響き始める。

セイレーンさんのバフ演奏と、デバフの歌。味方全員のステータスが底上げされて、同時にフォーパンベアに筋力低下のデバフがかかる。

おおー、セイレーンさんのレベルが上がってるからバフがそこそこ強力になってる。助かるー

さらにフォーパンベアの体に重なる告死紋。

そして僕にだけ聞こえる、囁くような相棒の【ダブルクリエイト】

死の海が、フォーパンベアの足元に極小範囲で展開された。

目隠しの魔眼は怒り狂うかもしれないからとりあえず使わない。

この状態で、相棒は弓を使って遠距離攻撃を叩き込む。

僕もMPポーションをグビグビして、死の海の維持に貢献しましょうね。

出来れば死の海はじっくり踏んでてもらいたいから、夾竹桃さんは素早く俊敏低下の呪いをかけた。

「【どうして置いていこうとするのさ?】」

相変わらず呪いの名前が怖いよ!

今回の夾竹桃さんは攻撃には回らず補助に専念。

熊の出方に合わせて、色んな呪いを切り替えるんだって。

そして俊敏を下げた熊に向けて、カステラさんが虫を召喚。

「【サモンインセクト:ポイゾナスアント・レギオン】!」

手の平くらいの大きさのアリの群れが近くの大木に出現、そこからジャンプして熊の毛皮に取り付き潜り込む。

毒持ちのアリは、大型の相手にくっついて噛みつき、毒を与える召喚らしい。

そうして継続ダメージを与える態勢が整った所で、同盟メンバー最高レベルにして最大火力担当のアルネブさんの【星魔法】だー!

「いくわよ──【 宙(そら) の熱視線】」

巨体の周りにいくつか浮かんだ光球から、幾筋もの光の線がアリやゴーレムを避けつつフォーパンベアに突き刺さる。

畳み掛ける攻撃の波があまりにも鬱陶しかったのか、フォーパンベアが再び大きく咆哮し、両の前脚を頭上に振り上げた!

「来るぞ避けろぉ!!」

カステラさんの一喝。

素早く振り下ろされた熊の両手は、轟音上げて大地を抉り……凄まじい四連の衝撃波を四方に放つという豪快な範囲攻撃をぶちかました!

「うわっとぉ!!」

「わっ!」

「っ!?」

横に広い壁のような衝撃波。

それが四回畳み掛けるのだから堪らない。

抉り飛ぶ土。

なぎ倒される木々。

衝撃はそれなりの高さまで範囲内らしく、倒れなかった木も枝を数本持っていかれた。

ド根性さんのゴーレムは衝撃波にツーパン爪の打撃を当てて二連を相殺。残りの二連を頑丈なボディで受ける。

それでも周囲には残り三方向に衝撃波が飛んで、全員が素早く回避した。

「こっわー、何度見てもヤバいよコレ」

「な、なるほど、理解しました!」

僕はコレが避けられないんだよねぇ、俊敏足りてなくて。あの巨体で予備モーションからの攻撃発動が早いんだもの。

ダディに乗って避けてもらおうともしてみたけど……フォーパンベア的にコケコケ走り回るニワトリは何かが気に食わなかったみたいで、執拗に遠距離衝撃波で狙われるから断念した。

まぁこの合体バフモードは、僕にとってはカッコいい相棒を堪能できるご褒美モードなんでね。MPタンクやるから頑張ってほしい。