軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

キ:占いが示す向かう先

エフォ(EFO) は、次にするべき事が自動で案内表示されるタイプのRPGが好きな人には、やや不親切なゲームに感じるらしい。

逆に、自由度が天井知らずで寄り道脇道たっぷりの何でも出来るようなゲームを好む人には、割と親切なゲームに感じるんだって。

なんとなくわかる。

旅行するのにツアーガイドとかオススメ観光地特集とかが欲しい人もいれば、全部自分で調べて好きなように旅程を組んで好きなように歩くのが好きな人もいる。

今回の相棒みたいに、店で売っていないような何かを欲しいなーと思った場合もそう。

エフォ(EFO) は欲しい物は自分で情報を集めないと手に入れる事は難しい。せめてNPCに希望を伝えないと、そのためのクエストは降ってこない。

でも、きちんとゲームの世界観とか設定に則って適切な方法で調べ物をすれば、 エフォ(EFO) はちゃんとヒントをくれる。

柔軟なゲームマスターAIがいる強みだね。

だから今回の相棒の希望についても、占いで訊いてみるのは有りだと僕は思うのだ。

前に占い屋さんをやった時も、戦闘スタイルについての助言がちょいちょい出たからね。

スキルが難しいなら難しいで、『無いよ』とか『まだだよ』みたいなヒントが出るんじゃないかな。

そういう情報も出るからこそ、リアル1週間のクールタイムがあるんだと思う。

そんなわけで、僕は拠点のテーブルで相棒と向き合って、占いの道具を広げていた。

「今回は知りたい事がはっきりしてるので、登録じゃなくイメージ重視で行きます。」

「はい」

「相棒も念の為、頭の中で占って欲しい事を考えていてください」

「……かわいい犬と仲良くなる方法を」

「コラー」

いつもの冗談を挟んで本番です。

「……【フォーチュンクリエイト】」

HPとMPがそれぞれ無くなりそうな時に、相互に代替するような効果のパッシブスキルを、占い対象のユーレイはどうやったら手に入れる事が出来ますか?

念じながら、いつものイメージで占いをすれば、ひらり、出てきた霊蝶ちゃんがペンを掴んでスラスラと紙へ文章を書き付ける。

──『求める先は、新たな躰。その糸口は、隣にあり』

「「……隣?」」

なんか意外と近くに方法があるっぽいぞー?

僕と相棒は「「んんー?」」と同時に唸って首を傾げた。

「隣って、どこだろ?」

「……とりあえず、『新たな躰』って事は、種族が変われば可能って事か?」

「ぽいねー」

つまり、そういう特性のある種族になれるよっていうアンサーを貰った、と。

その手がかりが……『隣』

「相棒の隣は僕の指定席ですが??」

「……たぶんそういう意味じゃないんじゃないか? デミ・レイスは特にそういう効果無いっしょ?」

「無いねぇ」

ってなると地理的な話かな?

「「……死の海?」」

うちの拠点の隣といえば、あそこだよね。

そしてもうひとつ……ゲーム内で相棒の隣に控える存在と言えば……

「……ネビュラか?」

「どっちにしてもネビュラに話訊いてみよっか」

* * *

「……ふむ。なるほど、主は幻獣や精霊に近しい存在を希望していたか」

ネビュラに相棒の希望を伝えると……あっさりとそんな反応が返ってきた。

……そっか、瓶詰展示会にネビュラ連れて行ってなかったもんね。帰ってきてからもネビュラの前でポーションの具体的な効果の話はしてなかったし。

「……幻獣と精霊は、体の作りは同じなんだっけか」

「うむ、精霊は神より世界の管理を任される代わりに言語や権限等を渡されておるだけぞ」

「僕らみたいなヒトの子って幻獣とか精霊になれるの?」

「……どうであろうな。我らは要素の根源より命として生まれ落ちた存在。既に体を持つヒトの子は……近くはなれども、完全に同じモノにはならぬやもしれぬ」

ふむふむ、でもこの口振りだったら……

「成る方法はあるって事?」

「我らが生まれ落ちた要素の根源に触れれば、その影響で変質するであろう。ただ……ある程度身体を慣らしておかねば耐えられぬやもしれぬ」

そう言うと、ネビュラは相棒をジッと見つめた。

「……ふむ、主ならば余との同化がそれなりの長さになるほどに馴染んでおる。成れるやもしれぬな」

「……その言い方だと、精霊と1対1の契約をしていないと厳しいって事か?」

「うむ、そうでなければ馴染みようが無い」

へぇ〜

じゃあネビュラと契約してる相棒には実にちょうどいい種族なんだね。

「じゃあ……死の海に行けばいいのか?」

「向かうは死の海の底。根源のある聖域へ辿り着かねばならぬ。さらに、流石に根源に触れるともなれば、その資格があるかどうかを精霊本体が改めて試練を通じて問う事となるだろう。相応の準備をしてから向かうと良い」

「あ、これ『力を示せ』系の戦闘があるやつじゃない?」

「だろうなぁ」

でもそれをクリアすれば相棒は希望の能力が手に入るわけだね。

それなら二の足を踏む必要はあんまり無い。

相棒はいそいそとボス戦の準備を始めたのだった。

「……ちなみに、僕って見学に行けたら行ってもいい?」

「……まぁ、試練に手を出さぬなら良いのではないか」

観光はオッケーらしい、やったね。