軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ユ:秋イベントの開始

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今日からは秋イベントの開始。

エフォ(EFO) は春にサービス開始したから、秋イベントはハーフアニバーサリーも兼ねているらしい。ポイント制のアイテム交換もある。

詳細によれば、初めての企業コラボもあるそうだ。

ゲーム内朝食を取りながら、キーナと一緒にイベントの予定をチェックする。

「キャッスルキノコのコンテストは絶対見に行く」

「うん、言ってたもんな。オバケ達のパレード参加は……イベントの最後の方か」

「あとねー、狩猟イベントにマンモスが描いてあるのが気になる。マンモス出るのかな?」

「さぁ……?」

「スポーツもやってみたいよね。ラリーストライク?は闘技場が会場だから個室で遊べそうだよ」

「空中マラソンは飛行可能種族オンリーのレースで……人魚の滝登りは人魚オンリーのレースか……全種族参加可能なスポーツはラリーストライクだけなんだな」

「大会もあるんだね」

「芸術の秋は……アイドルのライブか……混みそうだな……」

「港のアリーナみたいな処理になってればいいんだけどねぇ。他にもバード系の演奏会みたいなのもあるから、そっち覗いてみようよ」

「だな」

「……何このツチノコ……違う! トゥティノコゥだ!?」

「何だそのやたら発音のいいツチノコ」

イベント詳細の最後にデカデカと描かれているツチノコっぽいモンスターの姿。

「えーっと……『イベント期間中にのみフィールドやダンジョンに低確率で出没するモンスター』だって」

「食べてもよし、素材にしてもよし、クエスト受付に持っていったら高額ポイントが貰える……と。イベント中のボーナスモンスターか」

「へぇ〜」

……相棒がものすごく見てみたさそうな顔をしている。

低確率だからな……見つかるのを祈るしかないな。

「とりあえず今日はどうする?」

「……まぁ、軽く観光でいいんじゃない?」

初日だからな。

最初は祭開始の挨拶だ。

ただの観光だし、変装も無しで2人で行こう。

* * *

やって来たピリオノートは、大きな通りが既に出店まみれでぞろぞろと大量の人が観光に来ていた。

「……人が多い」

「リアルのお祭りと変わらないねぇ」

苦笑いするキーナに手を引かれて、さっさと脇道に入る。

迷う様子もなくスイスイと進んで、アッサリと西側の門に出た。

……とはいえ、ここも人の流れが多い事は変わりない。転移広場よりはマシって程度だ。

広場には、大街道イベントの時と同じように簡易ステージがあったからな。

もうすぐあそこで挨拶だから人がたまっているだけだ。

「んー……今回こそ防壁登っちゃおうか?」

「あぁ、いいんじゃない」

外周にプレイヤー居住区画が出来て防壁が2重になった事で、内側の防壁は前よりも気軽に登れるようになったらしい。

防壁にある塔のひとつから、螺旋階段を上って防壁の上へ。

登りやすくなったからプレイヤーはそこそこいるが、下よりはマシだな。

大きく息を吐いた所に、相棒が飲み物を差し出してくれた。

「はい」

「ありがとう」

並んで街を見下ろしながら、のんびりと葡萄のジュースを飲む。

ピリオノートの街路樹も葉の色が変わり始めて、街全体の色味が変わったような印象を受けた。

ザワザワとした祭りの喧騒がここまで聞こえてくる。

主要な大通りは出店でいっぱいだな……まぁ秋イベントは出店することでポイントが入るらしいから、初日はこうなるか。

「さっき『ウサボール飴』っていう出店あったよ」

「……飴細工かな?」

「たぶんそう。あと『ゴロロックジ』っていう出店もチラ見した」

「……くじ引き? ゴロロックの?」

「なんだろね?」

大街道イベントとは出店の傾向が変わったな? 縁日感が強くなった。

俺も遠目に大通り沿いの出店を眺める。

「……『フランゴ焼き』?」

「えっ、どれ?」

「あの辺……ほら……」

「ん〜?」

たぶん人形焼きみたいなやつだと思うが……キーナがハッキリと見つける前に、イベントの開会式が始まってしまった。

「皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます。『生誕』の神の聖女、アリリアと申します」

遠目に見える簡易ステージの上で、ペコリと一礼する白いローブを着た金髪の女性。

ここからだと顔は見えないが、一部の野郎共には絶大な人気を誇るNPCらしい。

顔良し、性格良し、元が孤児だからか付け焼き刃の聖女ムーヴからたまに覗く気さくな村娘感のギャップ、さらに声は人気声優をベースにしていて、トドメと言わんばかりにスタイルが良く胸がデカイ。……そんな感じの事が、専スレにも有志wikiにも熱量を持って書かれていた。

ようは エフォ(EFO) っていうゲームが広告なんかにも使うメインヒロイン枠だな。

「……以上を持ちまして、秋の豊穣を祝うお祭りの開始を宣言させていただきます。長く厳しい冬がやってきますが、お祭りで精をつけて皆で乗り切りましょう」

会場に野太い「ウオオオオー!」という雄叫びが響き渡る。

俺達がやたら魔術師団長との関わりが多いみたいに、聖女と関わってばかりのプレイヤーもいるんだろうな……というか、今聖女の護衛に付いてた2人って、もしかしてプレイヤーか? 制服っぽくなかったな?