軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

キ:進化だ進化だ!

雄夜が季節の変わり目で風邪を引いたので、数日 エフォ(EFO) へのログインを控えてました。

「ごめんな……こんな俺でごめんな……」

「まーた始まったー」

僕にとって世界一の宝物がなんか言ってますよ、まったく。

* * *

そんな感じで僕らが久しぶりにログインすると……拠点が大変な事になっていた。

「なんということでしょう、進化ラッシュです」

「えぇ……」

どうも進化って、大きくなってからじゃないとしないっぽいんだよね。豆ニワトリとか、そういえばヒヨコの内は変化無しだったし。

ヤーンボールシープとかマンドラゴラとかは、子羊だったり苗だったりしてたから変化しなかっただけっぽい。

モーモースライムはどうだろう……買った時には大きかったのかな?

……まぁそういうわけで、僕らが休んでいる間に大きくなった子達が、この森のおかしな草を食べて数日の間に進化してたのだ。

「まずは前にも見た『覚醒コケッコ』ちゃんです」

「久しぶりに出たな」

首周りの豆が無くなった目付きの悪いニワトリちゃん。

今回は2羽が覚醒しましたよ。

「そしてヤーンボールシープが進化しました……『スヤモコシープ』」

「スヤモコシープ」

「眠そうな顔してるよね」

「眠り要素に負けたか……名前的に、毛糸に睡眠効果がつきそうだな」

前は普通の白い毛糸玉だったのが、薄紫色の超極太でふかふかの毛糸に変化した羊ちゃん。あれだよ、親指みたいな太さの毛糸。

毛糸も変わった効果がついてそうだけど……まだ毛刈り時期じゃないから確かめられるのはもう少し後かな。

「次にモーモースライムが進化しました……『オヤスモースライム』」

「名前」

これもちょっと眠そうな顔になった牛っぽいスライムちゃん。

「ミルクどうなったかな……?」

「……見てみるか」

なんと口からピューッと牛乳を容器に出してくれるスライムなんだけど……オヤスモースライムになってからのミルクは……

【オヤスモーミルク】…品質★★

オヤスモースライムが出したミルク。

温めて飲むと、グッスリ安眠効果。

「……リアルで欲しい」

「それな」

「最後はマンドラちゃん達です」

「はい」

「マンドラちゃん達は、本人達の希望によって土に直植えした子と、【光魔法】を籠めた石を上げた子になっています」

「いつの間に」

畑のマンドラゴラエリアにやってくると、立派な大根サイズに育ったマンドラちゃん達がピコピコと小さな手を振って迎えてくれた。

「まずは鉢植えに【光魔法】の小石……『マッシラゴラ』!」

「うわ、白っ」

驚きの白さ。

頭の葉っぱも表面に粉砂糖をまぶしたみたいに白みがかっていて、ほんのりとキラキラしている。

「どう見ても光属性だよね」

「だね」

そしてもう片方のマンドラゴラ……

「こちらが 微睡(まどろみ) の森に直植えした……『マックラゴラ』!」

「うわ、黒っ」

こっちは驚きの黒さ。

大根の白い肌が墨を塗ったみたいに真っ黒な子。

葉っぱはかなーり濃厚な緑色。濃厚すぎて暗く見える感じ。

「こっちはどう見ても闇属性」

「名前からして闇」

光と闇のマンドラゴラに進化したマンドラちゃん達。

まぁこの子達は住民扱いだからね、そのうち頭の葉っぱとかお裾分けしてくれるかもしれない。のんびり待とう。

マンドラちゃん達に水をやって、家畜達の所に戻ってきた。

「さて……今回はどうしようか?」

「どうしようなぁ……?」

覚醒コケッコちゃんはスレでそこそこ人気だったらしいから、また里親探しに行こうかって結論になった。

「羊ちゃんは……このままいて欲しいなぁ」

「まぁいいんじゃない。毛糸の効果も確認したいし」

そしてオヤスモースライムは。

「ミルクは普通に飲んでも強制的に眠気が来るわけじゃないみたいだし……このまま飼うのでいいんじゃない?」

「まぁ牛乳は普通にあれば使うしな」

なんだかんだジャック達も、喜んでミルク貰って飲んでるみたいだしね。

ちょっとお得な効果がついたって思えばいいかな。

「瓶に入れて、グッスリ寝たいNPCがいたらあげてもいいかもしれない」

「なるほど。魔術師団長とかな」

じゃあ里親に出すのは覚醒コケッコちゃん達だけかな。

変装して、コケッコちゃんの足に紐を結んで、餌とお皿を持って、相棒に見送られてピリオノートへ。

なんだかんだ里親探しも3回目かな?

露店で里親募集の詳細を書いた看板を立てて座ると、通りがかったプレイヤーがチラチラと看板を見にやってきた。

回数を重ねたから周りのプレイヤー達も慣れてきたのか、開始早々に誰かに連絡を入れてくれた人が数人。

そしてそれほど経たない間に、全力ダッシュで駆け込んできた女性がひとり。

「あー、やったー! 今回は間に合ったー! 私、『ハイパーニワトリス』って言いまーす! 覚醒コケッコちゃん、くださーい!」

すごい、めっちゃニワトリ好きそうな人が来た!

コケッコちゃんも秒で懐いたから、問題なくお引き取りー。

そしてその後にやってきた男性は……

「どうも『もーもー牧場主』です。牧場で豆ニワトリを飼ってて扱いには慣れてるんで、覚醒コケッコお願いします!」

こっちもとってもコケッコ似合いそうな人!

同じく秒で懐いたから問題無し。

嬉しそうに名前つけてるのを見ると、こっちも嬉しくなるね。

強く逞しく育って欲しいなーと思いながら、コケッコ達にバイバイして、今日はさっさと拠点に帰還した。