軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

キ:カボチャオバケ、ピリオに降り立つ。

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ジャックのお願いを聞いて僕と相棒で吟味した結果、まぁ連れて行くくらいなら良いかなって事で、今日はお出かけの予定です。

なんか聞き覚えあると思ったら、ガルガンチュアってレイドボスでよく見かける黒鎧の名前だったよ。

四つ足キノコ戦で胞子に埋まってたのを嘆かれてたのが頭に引っかかってたみたい。

結構ヒャッハー系の人だったよね? ジャック、そういうタイプと仲良いのかな? 意外。

NPCに話を通しておいてくれるって言うのが、僕らが同伴のお出かけに踏み切った最大の理由。

だってそうしてもらえるなら、今後イベントとかでジャックとデューを連れて参加する事が出来るようになるから。

『リアル一週間は平日の夜なら大体いる』

ガルガンチュアさんはジャックに『そう言えば分かる』って言ってたらしい。うん、大変わかりやすいです。ありがとうございます。

というわけで、ジャックもデューもソワソワしてるから早速出かけよう。

いつも通りの民族風変装衣装に身を包んで、ジャックとデューもパーティに入れる。

そして転移オーブでピリオノートへ。

「……ワァー! すごい大きな街ダー!」

「ウム、ヒトも多く実に立派でアル!」

僕らの拠点とは比べ物にならないくらい立派な街に驚くジャックとデュー。

そりゃあ建物は多いし大きいし。お上りさんにもなっちゃうよね。

……お城に話を通しておくっていうのは本当だったみたいで、ジャックを見た兵士さんは一瞬ビックリするけど『ああ、あれが』みたいな顔をして頷くだけだった。

これならNPCは大丈夫かな。

……問題はプレイヤー達っぽい集団。

ものすごくビックリした顔をして、何かヒソヒソと話してる。

これはさっさと移動した方がいいかもね。

「じゃあ、闘技場行こうか」

「ハーイ!」

「承知」

飲んでてよかった声変わりシロップ。

四人で連れ立って、ピリオ北の闘技場に向かう。

防壁の一箇所にある大きな扉。

門とは違う両開きのそれは、普段から開け放たれているみたいだった。襲撃とかの時だけ閉じるのかな?

扉をくぐると、そこにはピリオの中庭にある城とはまた少し違ったタイプの砦っぽい建物があった。

(意外ー! 外観コロッセウムっぽいのじゃなかった!)

(ああ、確かに)

ゲーム内の闘技場ってコロッセウムに似た形をよく見る気がするんだよね。わかりやすいからだと思うけど。

エフォは違うんだねぇ。

わざわざ壁で周りと区切ってるから、間違えようが無いからかな?

正面入口から中に入ると、石の大広間中央に円形アイランドって感じの受付カウンターがあって、ローブを着たお姉さんが爽やかな笑顔で座っている。

「ピリオノート闘技場へようこそ。初めてのご利用ですか?」

「あ、はい」

流れるように始まった説明によると、闘技場はいくつもの部屋が用意されていて、他のプレイヤーに見られずに訓練をする事が可能らしい。ただし兵士の巡回はあるのでこっそり悪い事をしてはいけません、と念を押される。

全部の部屋には魔法の結界付きの観客席があるので、打ち合う者以外は安全な場所からの見学も可能。

(使ってみた人がスレで言ってたけど、多分図書館とかダンジョンと同じでパーティごとに部屋が生成されてるっぽいってさ)

(じゃあ満室になったりはしなさそうだね)

何万人ってプレイヤーがいるから、一対一で遊ぶ部屋が乱立したらどうするんだろうって思っていたけど。そういう状況への対策はちゃんと取られているらしい。

さて、僕らはそんな部屋のどれかに行かないといけないわけだけど……

「えっと、中にいる人に誘われてる場合はどうしたらいいですか?」

「相部屋に合流する旨を承っている場合がありますので、対象者のお名前をお願いします」

「ガルガンチュアさんです」

「ガルガンチュア様……はい、確認取れました。『カボチャ頭のジャック様兄弟と、そのマスター様』が御来場された場合に案内するよう申し付かっております。Lの11番、こちらがキーになります」

「はーい、ありがとうございます」

受付の奥には、ちょっと小さめの転移オーブがあって、そこに受け取ったキーをくっつけると専用の部屋に飛ぶ仕組み。

魔法って便利だね。

ヒュインと飛んで部屋に入室。

最初に着いたのは、扉の無い小部屋だった。

出口の向こうには石造りのアリーナ。広さは学校の体育館くらいかな?

色んな装備を着ている人達が、真ん中で打ち合う二人に野次を飛ばしていた。

「オラァッ!」

「アーックソッ!」

決着ついたのかな?

声をかけようかどうしようか迷っていると、打ち合っていた片方……黒い鎧のたぶんガルガンチュアさんがこっちを見た。

そして、ジャックを見つけて片手を上げて。

次に、僕らを見たのか上げた片手で目元を押さえて。

そして若干仰け反って天を仰いだ。

「またお前らかよ!!!」

心外。

「何言ってんすかボス」

「『トリック・オア・トリート』とか魔法で叫んでたから森夫婦がジャックのマスターかもって言ってる奴けっこういましたよ?」

「やっぱりだよなぁ〜」

「言えよ!!!」

のたうち回るボスを放ったらかして、別の人が「いらっしゃーい」って僕らを中に案内してくれた。

どーもどーも、今日はうちの子をよろしくお願いしまーす。