軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

キ:大街道開通、そして次は

休肝日ならぬ休ゲーム日を設けまして、一日空けてのログインです。

イベントは一週間が経過。日数的にはちょうど半分くらい。

大街道の進捗は60~70%くらい行ってるらしいから、このペースでいけば余裕を持って完成するんじゃないかな。

……と思ったんだけど、相棒は「どうかな」って懐疑的。

「襲撃の防衛とかが思ったよりポイント多いから、欲しい物取ったらサボリ気味になるかもしれない」

あー、わかる……っていうか僕らがまさにそう。

テレパスイヤーカフスも取ったし、カラスちゃんのお礼でリターンスティックも必要なくなったし。

相棒の矢は戻ってくる仕様じゃなくなったけど、今は相棒も【木工】を習得してるし豆ニワトリの羽もあるから、自前で作る事もできるもんね。

「でも街道は完成して欲しいなぁ。不死鳥の間もどんな感じになるのか見てみたいし」

「まーねー」

「……それにしても甲殻キノコと胞子のスープ美味しいね」

「リアルでも欲しい」

とりあえず報酬の事は置いといて、ゆるっと気が向いたクエストでもこなしますか。

* * *

そうしてリアルで数日間、僕らは伐採したり料理を作ったり、時々現場の作業を手伝ったり、気が向くクエストをこなして過ごした。

小川にかわいい石の橋が架かったりして景色が変わると面白いね。

なんだかんだ工事にハマった人とか、レイドボスがまた動画になって興味を持った新規勢がポイント稼ぎでクエストに熱中したりして、道は順調に延びていった。

「南方『サウストランク』間、開通!」

「西方『石の街ロックス』間、開通しました!」

「東方『ブリックブレッド』間、開通です!」

「北方『☆フェアリータウン☆』間、開通したぞ!」

イベント開始から11日目。

全方位の大街道が開通。

冒険者ギルドにある世界地図も、ピリオ周辺が上書きされて四方の街まで伸びる太い道がしっかりと書き込まれた。

「どのへんが僕らが手伝ったあたりだろうね?」

「さぁ……ああでも、途中の休憩所は大体俺達のはず」

そうだね、作業場の先行設置はデートにちょうど良くて受けまくったからね。

キャンプみたいで面白かったから、その内またどこかに行きたいなぁ。

そうして街道完成の余韻に浸りながらも、イベントはまだ終わっていない。

防衛部門は、新しい街道沿いのモンスターを遠ざけるために討伐クエストが継続して出てるし。

敷設部門・資材部門は次の『不死鳥の間』の建築に移っている。

支援部門も引き続きそんな現場の人達の支援物資を届けているし、イベント最後に開通祝いのお祭りみたいなのがあるらしくて、その準備クエストも始まった。

とはいえ、僕らはもうポイントも充分貯まったし、イベントは一足先に終了でいいかなー。

「何もらう? 僕は声変わりシロップをちょっと溜め込んでおきたいな」

「ああ、あれは無いと不便だからいいんじゃない」

「相棒は何欲しい?」

「……強いて言うなら、魔道具用の石かな。適応してる属性がわかってるやつを一通り取っておきたい」

「いいね、なんやかんや使いそうだもんね」

「あとジャック用に金属素材少し貰っておいたら?」

「確かに! あー、それなら他にも欲しいのが……」

……なんて二人でリストを眺めながら、拠点でダラダラしていた時だった。

「カァカァ!」

「マスター、お手紙来たヨー」

カラスの鳴き声とジャックの声。

呼ばれて僕は「はいはーい」と外に向かう。

ジャックはいよいよデューの鎧に手をつけ始めて、イベントが終わる頃には完成する見込み。

だから鍛冶場にずっと詰めてて、カラスが呼んでいるのにすぐ気付いたみたい。

「はいどーも」

「カァ!」

渡された書簡筒を受け取ると、配達クロウは元気よく鳴いて帰っていった。

いつぞや届いたピリオ防衛のドロップ品も、ホライゾンクロウが届けてくれてたんだろうね。僕ら完全に存在忘れてたから、綺麗に入れ違いになってたんだろうなぁ。

屋根付きの受け取りボックスみたいなの作っておいた方がいいかな……なんて考えながら手紙を開く。

“『鎮魂の魔女』殿へ指名依頼”

“近々完成する『不死鳥の間』において、【死霊魔法】で不死鳥の霊を呼んでいただきたい。”

“必要な物、あるいはやむを得ぬ理由による辞退がある場合は早急に連絡を。”

“魔術師団長 サフィーラ・ロズ”

──指名クエスト

──『不死鳥の間の入魂』を受諾しますか?

その役、僕に来るんかーい!

解せぬって感情を全面に出しながら相棒に報告したら、相棒は苦笑いして言った。

「そりゃ異世界から人を呼び寄せるよりは、現地の人材使った方が安上がりなんじゃない?」

「まさかの経費の問題!」

我々、早速あの魔術師団長さんに便利に使われるようであります!