軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

シャルちゃんプロデュースにお邪魔が入る?

盛り上がってまいりました!

我らがシャルロッテちゃんによる頭脳プレイ。床を突き破ってのショートカットでナンバーズどもはびっくり仰天。

フレイが役立たずになってしまったのはちょうどいいハンデだろう。

てかジョニーたちを呼んだのね。さすがにこれは問題かな? と学院長の顔色を窺えば。

「………………」

ぽっかーんとしていらっしゃいますね。

この機を逃さず、押し通してしまえ。

「相手の意表をつく見事な策だな。そうは思わないか? 実況のルセイヤンネル教授」

「床の破壊はまだしも、仲間を増やすのはセーフ寄りのアウトじゃないかな?」

いきなり裏切らないで?

「いや、あれは召喚獣であって仲間ではない。純粋なる魔法行使なのだから、ルール上は問題ないはずだ」

「ああ、そういうことに――」

「そういうこと?」

学院長がじろりと睨んだ。

「ああーっとぉ! 王女と王子の大ピーンチ!」

ティア教授、しれっと実況に戻る。

特大画面では『12』のお姉さん(名前なんだっけ?)が鞭みたいな武器を巧みに操り、先端と中ほど部分でマリアンヌお姉ちゃんとライアスを同時攻撃していた。

『くそっ!』

『きゃっ!?』

ライアスは両腕でガードしたものの、マリアンヌ姉ちゃんは肩を直撃。制服が破れ、白い肌が赤みを帯びたのが露わになった。

『あら、王女殿下、失礼しました。でも今は真剣勝負。王族がどうかなんて関係ないですよねえ』

『え、ええ。遠慮は無用ですよ』

ふむ。あの『12』のねえちゃん、実は権力者に物申す社会派だったのか。

『あはははっ! じゃあ遠慮なくやらせてもらうわ!』

ただのSっ気マシマシ女だったらしい。

ザーラ先輩といい、ナンバーズの女メンバーぇ……。

こりゃナンバーズは早々につぶさんと、うっかり加入してしまったシャルちゃんの情操教育に悪影響を及ぼしかねない。

あの子ってば周囲から影響受けまくりだからね。

で、12の人がまあ楽しそうに鞭を振るっているわけですが。

『調子に乗ってんじゃ、ねえ!』

ライアス君が渾身のパンチ。鞭がびよーんと弾き飛ばされる。

『くっ、王子って私の嫌いなタイプなのよね』

よくわからんが、あの女に好意を持たれないのは幸運だと思う。

接近戦に持ち込もうとするライアス。

後退しながら鞭で近寄らせまいとする12の女。

後方から狙撃スタイルで援護するお姉ちゃん。

動き回っているけど膠着状態になったようだ。

イリスと『4』のデカブツ兄ちゃんも一進一退の攻防が続いている。

素早く動くイリスに対し、4の兄ちゃんは不動で迎え撃つ。けっこう攻撃はもらっているけど、気合で反撃し、イリスも手をこまねいている感じだ。

で、一番面白いのは。

『な、なんだこいつら!?』

『バラバラにしても復活した!?』

『もうやだ!』

ジョニー率いる骨骨軍団に翻弄されるナンバーズその他のみなさん。

彼らには体(骨)をバラバラにされてもすぐ元に戻るよう、磁石的結界を施してあるのよね。たまに変な風にくっつくけど、他の誰かに組み直してもらえば元通り。

あっちは制圧間近な感じだな。

そして我らがシャルちゃんは――。

………………見つめ合ってません?

アレクセイ先輩と二人、みんなとは離れた位置で距離を空けつつ、じーっと互いに見ていますけど?

なんのフラグ? 折りに行っていいかな?

黙っていたアレクセイ先輩が口を開く。

『……どうした? 君が攻撃してこないのなら、私から始めて構わないかな?』

『これを言うのは自意識過剰といいますか、大変おこがましいことではあるのですけど――』

シャルはカッと目を見開いて言う。もしかして社会の窓でも?

『大将同士の一騎打ちは、だいたい落ち着いてからがよいと思います!』

うん、まあ、そうだね。エンタメわかってるぅ。

『というわけで、今はこうして〝先に動いたら負け〟的な雰囲気を出しつつ、にらみ合いをしていたく思います』

『……私に利はまったくないね。君の召喚獣にこちらはずいぶんと押されている。君を早々に片づけて、私はそちらに手を貸したいのだが?』

『ナイト・スケルトンのみなさんは、お仕事を終えましたら〝しまった! 時間切れだ!〟とのセリフに応じてお帰りになる手筈になっています。ダメ、ですか?』

うるうる目で言われたら『ぜんぜんダメじゃない!』と全力で答えようものではあるが、

『君のシナリオ通りに動けとは、なかなか傲慢だな』

なんだとこの野郎!

今すぐ俺が行ってお前なんて蹴散らしてやる!

「えー、黒い戦士のシヴァ君? 殺気立っているようだけど落ち着きたまえよ」

まさかティア教授に諭されるとは……。

『わたくしは場を盛り上げたく思っているだけで、こちらの勝利が確実だとも思っていませんし、忖度せよとも願ってはいなくて――ッ!?』

『なに――』

突然、画面が真っ暗になった。

映像も声もこちらには届かない。

「シヴァ君、これは――」

「ああ、どうやらイレギュラーが発生したようだ」

俺は大画面用の通信結界とは別に、シャルたちの様子がわかるよう特別な結界を彼女らに付けているので状況はばっちりだ。

学院長へ顔を向ける。

「俺は行くが、構わないかな?」

学院長はすぐさま答える。

「はい、お願いします。学生たちの安全を、頼みます」

彼女も何となく察しているのだろうか?

とにもかくにも急ごうか。

なんか、変な魔人が 二人も(・・・) 現れちゃったからね――。