軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第27話 談話

――― 精霊歌亭、自室。

「それにしても、メルフィーナの奴なかなか帰ってこないな」

エフィルからカードを一枚取る。

「今日で5日目ですね。流石に心配です」

エフィルはジェラールからカードを一枚取る。

「なーに、姫様に限って心配することなんてないじゃろうて」

「だからメルフィーナを姫様言うなって」

「いやいや、王がいるなら姫もいるじゃろう、騎士的に」

ジェラールはクロトからカードを……

「な、何!? ジョーカーじゃと!?」

「ジェラール様、声に出してはトランプの意味がないです」

俺達は自室に集まってトランプで遊んでいた。この世界にトランプが流通していたことには驚いたが、大方異世界転生者が広めたのだろう。このトランプなんか現代の物と遜色ない。変な所は技術力高いな、おい。

「くっ! クロトめ、ワシを嵌めおったな!」

「お前が選んで取ったんだろうが、ほれクロト、一枚取れ」

クロトが俺の手札からカードを一枚引く抜く。

「あっ、クロちゃん上がりですね」

「1位はクロトだな」

ちなみに意思疎通は今に限ってシャットアウトしている。相手の手札が丸分かりになってしまうからな。

「おっと、俺も上がりだ」

「流石、ご主人様です」

エフィルがジェラールに向き直り、カードを取ろうと構える。

「ま、待つのだエフィル。こっちがいいんじゃないかのう?」

「ご忠告ありがとうございます。では……」

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「ご主人様、菓子を持って参りました」

「お、この前の店で買ってきたやつか! 食べよう食べよう」

トランプゲームを終え、小休止していたところだ。エフィルは全員分の菓子を取り分け始める。

「それじゃ、いただきまー……」

『ただいま戻りました』

うおっ、ビックリした!

「お前、せっかくの菓子を落とすところだったぞ……」

『申し訳ありません。急いで帰ってきたものでして』

俺は意思疎通を再起動させる。配下ネットワーク復活。エフィルとクロトも気が付いたようだ。

「メルフィーナ様、お帰りなさいませ」

クロトがポヨポヨ飛び跳ねる。

『はい、ただいま帰りましたよ。エフィルとクロトも変わりないようですね。ジェラールは…… 打ちひしがれてますけど、どうしたんです?』

「敗者の末路だ、気にするな」

「ワシ、ショックじゃったの……」

トランプ程度でそこまで落ち込まれても困ってしまう。戦闘時は頼りになるのだが、普段はただの気の良い爺ちゃんである。

「冗談はさて置き、メルフィーナ、勇者の様子はどうだったんだ?」

「おお、そう言えばワシ達もその話を詳しく聞いていなかったのう」

「勇者と名乗るほどです。余程お強い方々なんでしょうね」

意思疎通で書置きのメモを置くように出て行ってしまったからな。メルフィーナがデラミスで何をしていたのか、皆興味津々だ。

『勇者が召喚されてから、そろそろ1年になりますので、成長具合を見に行ってきたのです』

「それで、どうだった?」

メルフィーナは溜息を吐く。あ、ちょっと機嫌悪そうだ。

『……こちらを御覧下さい』

その声と共にステータス画面が配下ネットワークに表示される。

「……は? これで勇者?」

「思ったよりも、レベルが高くないですね……」

「今のワシなら、結構良い勝負しそうじゃな」

俺に引き続き、エフィル達も疑問に思ったようだ。

『そう感じますか?』

「ああ、正直勇者って言うくらいだから、レベル100はいってるかと思ってた。勇者が召喚されたのは1年前なんだよな? その間、何してたんだ、こいつら?」

『デラミスには神聖騎士団があります。おそらく、そこで訓練しながら大切に、安全に育てられたのでしょう』

安全マージンを十分にとって鍛えてきたってことか。悪くはないが、いざって時に前線で戦えるのか……

『私も少々期待はずれでした。果たして魔王復活まで間に合うかどうか…… まあ、失敗したら私が処理しますので、あなた様はご安心ください』

安心して良いのか、そこ。

「ちなみに、魔王ってのはどのくらい強いんだ?」

『その代の魔王によって違いますが、基本的にはレベル100は超えますね』

「……今の調子じゃ何年かかるかね」

「騎士団の補助もそろそろ難しくなるレベル帯じゃ。これからペースは下がるじゃろうな」

メルフィーナの助言が功を奏すのを祈るばかりだ。

『それに引き換え、この5日であなた様はまた強くなられましたね?』

「ああ、例の如くリオから特別討伐依頼がまたきたからな。邪賢老樹ってモンスターだ。ほら、素材で装備も作ってみた」

邪賢老樹の特に魔力が圧縮された箇所の木材で作った杖を掲げて見せる。最近の俺の作品の中では、渾身の自信作である。

『A級中位のボスモンスターですね。もう邪賢老樹を倒せるようになるとは…… 感服致します。ステータスを見せて頂いても?』

「もちろんだ」

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ケルヴィン 23歳 男 人間 召喚士

レベル:42

称号 :パーズの英雄

HP :427/427

MP :890/890(クロト召喚時-100 ジェラール-80 メルフィーナ-?)

筋力 :83

耐久 :87

敏捷 :261

魔力 :474

幸運 :349

スキル:召喚術(S級) 空き:7

緑魔法(A級)

白魔法(A級)

鑑定眼(S級)

気配感知(B級)

隠蔽(S級)

胆力(B級)

軍団指揮(B級)

鍛冶(A級)

成長率倍化

スキルポイント倍化

経験値共有化

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エフィル 16歳 女 ハーフエルフ 武装メイド

レベル:38

称号 :パーフェクトメイド

HP :312/312

MP :570/570

筋力 :159

耐久 :157

敏捷 :329

魔力 :313

幸運 :77

スキル:弓術(A級)

赤魔法(B級)

千里眼(B級)

隠密(A級)

奉仕術(B級)

調理(B級)

裁縫(B級)

成長率倍化

スキルポイント倍化

補助効果:火竜王の加護

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『1月でここまで御成長されるとは…… あなた様、バトルジャンキーも大概にされた方がよろしいかと』

「最近は鍛冶だってやってるよ!?」

全く、心外です!

「しかし、勇者のステータスは参考になる部分もある。全員に固有スキルと加護があるのは凄いな。特に加護は今までエフィルのしか見たことなかったのに」

『それだけ加護持ちは稀なのです。彼らの場合、召喚時に特典の一種として与えたんですけどね』

「ぐ、人のこと言えないが、羨ましい…」

『……そうですね、それでは私を召喚できるようになった時、あなた様に私の加護を授けましょう』

「マジか!? 嘘じゃないな!?」

『本当ですよ。ですから、早く私を召喚できるように頑張ってくださいね』

「俄然やる気出てきた。俺、頑張っちゃうよ!」

ガッツポーズのケルヴィン。エフィルはエフィルで「加護持ち…… お揃い……」などと嬉しそうに呟いている。

「おっと、危ない危ない。自分を見失っていた…… 話を戻すけど、ブースト系スキルも1つは取得した方がいいかもしれないな」

「私も鋭敏のスキルが欲しいかも、です」

「ワシなんて剛力と鉄壁持ってるもんね」

「なるほど、全ブーストを取るのも手だな」

「止めて! ワシの個性が薄くなる!」

ケルヴィンの部屋はその日、夜遅くまでスキル談義で盛り上がったのであった。