軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第13話 黒霊騎士

カシェルとの戦闘を終え、俺はクロトと合流した。

「クロトも無事のようだな」

三人組の最後の一人であるギムルの倒れる場所へ進む。既にギムルは息絶えたようだ。

「めぼしい物は…… カシェルの剣くらいか。クロト、死体を吸収してくれ。あと、MP回復薬も出してくれ」

鑑定すると、カシェルの剣はC級武器“ミスリルソード”だと判った。特殊な効果はないが、攻撃力が高く結構良い剣のようだ。クロトに保管しておいてもらおう。ちなみに俺が装備している深緑の杖とマジックローブはE級だ。低級依頼を10回達成したところで、高級品を買える訳がないのだ。

クロトがカシェルとギムルの亡骸を吸収している間に、クロトの保管に入れていた回復薬を飲んでMPを回復させる。カシェルとの戦いは結果を見れば圧勝であったが、実の所それほど余裕はなかった。煽りに煽って激昂させもしたが、ステータス面で負ける部分も多く、スキルに頼った戦い方になってしまった。

『カシェルに色々仰っていましたが、あなた様もそれほど強者と戦ったことありませんよね?』

「これから戦う予定なんですよー」

そう、ここまでは前哨戦。これからが本番だ。扉の隙間から鑑定眼で確認したが、これから戦う悪霊の古城のボス・黒霊騎士は俺達よりも格上のモンスターだ。

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ジェラール 138歳 男 黒霊騎士長 暗黒騎士

レベル:53

称号 :憂国の守護者

HP :647/647

MP :162/162

筋力 :478(+160)

耐久 :490(+160)

敏捷 :163

魔力 :112

幸運 :97

スキル:忠誠(固有スキル)

剣術(A級)

剛力(B級)

鉄壁(B級)

心眼(C級)

軍団指揮(B級)

闇属性半減

スキルポイント:178

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「何というか、すごく仲間にしたいな!」

『緊張感の欠片もありませんね』

メルフィーナのツッコミはさて置き、今回の相手はネームドモンスター。名前持ちだ。事前に調査した情報によると、ネームドモンスターは知性があり、人語を話す個体もいると言う。代表的なのはドラゴン種だ。他にも人型は高確率で話すって書いてあったっけな。

『知性あるモンスターとの契約は一筋縄ではありません。弱らせるだけでなく、あなた様を認めさせなければなりません』

認めさせる、か。一概に戦って勝利だけでは済みそうにないな。

『調教師にも言えることですが、レベルの低いモンスターを育て、進化させるのが一般的です。いきなりボスを配下にしようとする者はいません』

「クロトをブルースライムから進化させるのと同じか」

『クロトの進化は異例なのですが…… その認識でよろしいかと』

「まあ、無理かどうかはやってみないと分からんよ」

クロトに向き直る。

「クロト、黒霊騎士は俺にとって、お前にとっても初めての強敵だ。出し惜しみはするな」

俺とクロトに強化魔法を重ね掛けする。俺の魔力の高さなら暫くは効果が続くだろう。それが終われば準備万端だ。クロトを背後に控えさせ、大扉を開いていく。黒霊騎士は先程と全く同じ装いだ。漆黒の大剣を地面に突き刺し、後方にある王座を護る様に仁王立ち。揺らがないその様は、モンスターではなく本物の騎士のようだ。

黒霊騎士を見据えながら、王座へとゆっくりと歩いて行く。ちょうど部屋の半ばまで来た辺りで、渋い声が響いた。

「何用だ」

意外にもダンディーな声で少し驚いた。胆力のスキルがなければ顔に出ていたかもしれない。

「やっと喋ってくれたか。ここまで歩いてくるまで微動だにしないから心配したぞ」

「いらぬ世話だ。城の最奥までやって来て迷子ということはあるまい、何用だ」

「お前を討伐に…… ってのが最初の目的だったんだが、気が変わったんだ。俺は召喚士のケルヴィン、お前と契約したい」

黒霊騎士が一瞬固まる。

「……貴様が我と契約、従わせるというのか」

「そうだ」

「ク……」

あ、やべ。黒霊騎士が体を小刻みに震わせている。怒らせてしまったか?

「ク、ククク…… ガァーハッハッハッハ!!」

突然、黒霊騎士はそれまでのイメージと一変して、これまで溜めん込んでいたものを全て吐き出すかのように笑い出した。当然、内心俺はポカンとしている。

「止めだ止めた、こんな堅苦しい話し方。それにしても小僧、これだけワシが殺気を向けていたというのに、平気な面をしよってからに! 更には契約しろだと、面白すぎるぞ貴様!」

ビシっと指を差すな指を。誇り高い騎士のイメージは最早吹き飛んでしまった。