作品タイトル不明
閑話:猶予
いつもの夜にねぐらで寝ていた烏は、自分が鳥の王様になった夢を見ていました。
手下達に食べ物や、キラキラした硬貨を捧げさせて、得意げにガァガァと鳴いていたのです。
真夜中に目が覚めて、それでも彼は王様になった気分が抜けていませんでした。
まるで、今でも皆に崇められて尊敬されている、そんな気がしたのです。
烏は、夢の中のようにガァガァと鳴いてみましたが、誰も寄っては来ませんでした。
そこで、日が昇り昼になると、烏は森から出て、小さな鳥たちのいる人間達の畑に行きました。
そこで、夢の中と同じように高らかに鳴いてみました。
夢の中のように、鳥たちが集まってくる、そう思ったのです。
しかし、烏を迎えたのは鳥たちではなく、人間達の投石でした。
石が腹に食い込み、絶命する烏は死ぬ前に思いました。
「ああ、闇夜に紛れるこの姿を、わざわざ昼間に晒したのが間違いだったのだ。夜の森で好きなだけ鳴いていればよかったのに」
《昼に飛ぶ烏》
捨て子になりましたが、魔法のおかげで大丈夫そうです 二十一話『やってみたくなった』より