軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

レオナルド視点 カミールとジャスパー 3

「ジャスパーの幼馴染は、なんで死んだの?」

「アルメルかい? アルメルは……日本語が読めたせいで殺されたんだと思うよ」

もちろん最初から殺すつもりなどなかっただろう。

あくまで、アルメルの死は拷問による衰弱死だと思われる。

次にいつ現れるかもわからない貴重なニホン語を読める転生者を、故意に殺そうとする者はいないはずだ。

余程の愚か者でもない限りは。

……まあ、その愚か者だったからこそ、衰弱死するまで拷問したんだろうが。

皇城から連れだされた直後のティナを思えば、あのまま皇城に捕らわれていたらティナも近い将来には同じ目にあっていたはずだ。

上位者が下位の者から搾取することが当たり前であるとされるズーガリー帝国で、その上位者の中でも一番上に君臨する皇帝に、下位の人間を活かして使うことなどできるはずがない。

常に上から押さえつけて搾取してきたのだ。

殺さない程度に留める、なんて簡単な知恵すらあるわけがない。

その必要があるだなんて、考え付きもしないはずだ。

それまでの人生で、それを考える必要がなかったのだから。

「ズーガリー帝国には、転生者カミロの残した研究資料が残っているからね。それを読むよう皇帝に命令されて、アルメルはこれを断ったがために殺されたんだろう」

「……研究資料ぐらい、読めばよかったのに」

殺されるぐらいなら、本の一冊ぐらい読んでやればよかったのに、と首を傾げるティナに、カミールは苦笑いを浮かべる。

隙をみれば知人の遺体でも実験に利用しようとするカミールの意外な反応に、俺の方が戸惑ってしまった。

カミールからしてみても、転生者カミロの研究資料には触れたくないものがあるようだ。

……転生者カミロの研究資料、か。何が書いてあるんだろうな?

何が書いてあったとしても、聖人ユウタ・ヒラガのような人の命を救うものではないだろう。

転生者カミロといえば、ズーガリー帝国となる小国に『銃』と呼ばれる武器をもたらし、エラース大陸の半分を戦火で焼いた男として悪名を馳せている。

そのカミロが、人の役に立つものを残している可能性については想像ができなかった。

「カミロの研究資料については、あとで見せてあげよう。一度目を通してみれば、なぜアルメルが読むことを拒んだのかが解るだろう」

転生者カミロの研究資料については、カミールも中身を知っているらしい。

皇帝へは申告していないとはいえ、カミールもニホン語が読めると言っていたはずだ。

研究資料を目にする機会があれば、中身が読めたはずである。

「……ところで、君たちはなぜこの部屋に? いろいろな部屋を覗いているようだとは報告が来ていたけど、このあたりへ来るには、僕の計算ではあと五日はかかるはずだったんだけど」

カリーサを探しているティナが洞窟の中を歩き回っているという話は、カミールの元へも届けられていたらしい。

ティナの体力次第の散策を続けていたので、洞窟中を歩き回るにしても、この部屋に来るためには本来あと五日はかかっていたようだ。

俺たちが今日この部屋へと来たのは、小鬼の案内によるものだった。

ティナの足に任せたものではなかったため、カミールの計算から外れたのだろう。

「外への連絡について相談したい、と貴方を探していた」

「ああ、それでか。僕を探そうとして見つけるのは、すごいなぁ」

普段はさらに洞窟の奥にある部屋に籠っているか、部屋を転々と移動しているらしい。

洞窟の警備についている兵士に居場所を聞いた程度では、なかなかカミールを捕まえることはできないそうだ。

……精霊の案内はすごいな。

小鬼に案内を頼んだ結果、カミールを捕まえるどころか、カミールが出向く先へと先回りすることに成功している。

感謝と尊敬を込めて足元の小鬼を見下ろすと、小鬼は誇らしげに胸を張った。

「 洞窟(ここ) から外へ連絡を入れるのは少し難しいかな。というか、正確にはこちらから連絡を入れることは可能だけど、返事が来るまでに少し時間がかかる。なにしろ前皇帝が 洞窟(ここ) への立ち寄りどころか、許可なく近づくだけで反逆罪と定めているからね」

前皇帝と現皇帝エデルトルートの命令により、この洞窟へと近づける人間の数は限られているらしい。

それを考えれば外へ連絡など送ること自体が難しいはずなのだが、そちらは簡単だとカミールは言う。

問題なのは、返事が届くまでに時間がかかる、ということだけらしいのだ。

「……それでいくと、俺たちを匿っているのは皇帝の命令に反しているのでは?」

自国民ですら許可なく近づけば反逆罪とされる場所に、イヴィジア王国の民である俺とティナが匿われている。

皇帝に知られれば、何事もなく済むわけがない。

「勝手に人を入れるどころが、僕が 洞窟(ここ) から出ること自体をエデルは禁じているからね。いまさらだよ」

俺を拾った時の外出ですら、カミールは皇帝へと許可を取っていないらしい。

洞窟の兵士はもともとカミールを見張るために配置されていたようなのだが、便利で快適な施設内での生活に、すっかり心を奪われてしまったようだ。

洞窟での暮らしを保障してくれるカミールに 靡(なび) き、皇帝へは偽りだらけの報告書が提出されているのだとか。

皇帝へと届けられる報告書では、カミールは常に洞窟の中に閉じ込められており、気まぐれな外出などは申請があってもすべて却下されたことになっている。

それこそカミールが最後に外出をしたのは、ジャスパーを拾ったその日ということに書類上ではなっているらしい。

……それでいいのか、帝国兵。

隣国の兵士ながら、その職務への不誠実さが心配になってくる。

とはいえ、賄賂で国境すら越えられるのがズーガリー帝国だ。

今更といえば、今更だろう。

国として、ズーガリー帝国はすでにその体裁を保てていない。

何か一つでもきっかけがあれば、ズーガリー帝国という国は早晩の内に瓦解するだろう。

……それにしても。

カミールという老人は、転生者としてズーガリー帝国に囲われながら、随分と自由にやっているようだ。

皇帝すら騙し、潤沢な研究資金と快適な 研究施設(どうくつ) を与えられて、毎日を自由に生きている。

……ティナが転生者という立場を利用した姿がこれか。

カミールの場合は、銃を作ることを期待されて。

ティナの場合は、聖人ユウタ・ヒラガの失われた秘術の復活を期待されている。

ティナは自分には大した知識などなく、ニホン語を読むことぐらいしかできないと言っていたが、ニホン語が読めるということは、それだけで価値がある。

ティナがカミールのようになんらかの目的をもってクリストフに近づいた場合には、カミールと同じような待遇が待っていただろう。

潤沢な資金と場所が、ティナの望むままに与えられたはずだ。

その見返りとしてイヴィジア王国が受け取るものは、ニホン語から訳された聖人ユウタ・ヒラガの 処方箋(レシピ) である。

ティナ自身が望んだわけではないが、すでにティナには離宮が一つと、そこで暮らすための予算が組まれていた。

ティナはグルノールの街へと戻ってきてからも真面目にニホン語を訳していたようだが、カミールであればそれはしないだろう。

先人カミロの失敗を踏まえている、と自称しているぐらいだ。

程よく研究成果を報告はするが、自分が用なしとなって処分されるような情報は出していないはずである。

俺とティナを秘密に溢れる研究施設へと匿いつつも野放しにする程のん気なカミールだが、存外したたかな面を持っていた。

その辺はしっかりと握っているはずだ。

「うーん? やっぱり動かないか。君がいたら、もしかしてって思ったんだけどなぁ?」

俺の治療をした時に、金属の板がついたミトンが想定どおりに動いたことを言っているのだろう。

それでなくとも、俺の移動する先々でカミールいわく精霊水晶を動力としている仕掛けが動いているらしいのだ。

俺の近くでカミールの作った仕掛けが動く、という考えはそれほど的外れではない。

……まあ、動かしているのは精霊だけどな。

ティナが興味を持ったことで精霊たちが仕掛けに集まり、動かした方がいいのかと訊ねるように俺の顔を見てきた。

そのたびに俺が動かさなくていい、と心の中で答えていたので、ジャスパーの遺体に対して設置された仕掛けは動かないままだ。

木槌を持った小鬼は不満そうな顔をしていたが、精霊水晶についてを指摘したら不満はおさまった。

カミールの説明によれば、精霊の力を引き出せる鉱物とのことだったが、精霊たちの反応を見るにそれだけではないだろう。

俺を喜ばせようとし、カミールへは無関心を装う精霊が、精霊水晶についてはまた違う反応を見せている気がした。

「仕方がないね。そろそろ本当に埋葬しよう」

「ジャスパーのお葬式?」

「そこまで大それたことは 洞窟(ここ) ではできないかな」

場所を移動して預かりものと一緒に弔ってやるぐらいだ、とカミールは仕掛けから離れて壁際へと歩く。

壁際にはまた違う仕掛けがあるようで、カミールが光る板を押すと天井から腕のようにも見える仕掛けが伸びてきた。

「これが魔法ですか……?」

「これは普通に電気だよ。まだ精霊の力が安定して引き出せないから、補助のために電気が通してある」

電気、と聞いてティナの興味が削がれていくのが判る。

わくわくといった顔で仕掛けを見上げていた顔が、しゅんと下げられて俺のわき腹へと埋まった。

完全に、天井から伸びてきた腕には興味がなくなったらしい。

その間にも、仕掛けの腕は働いていた。

同じように天井から出てきた大きな箱へとジャスパーの遺体を移し入れ、一度天井に戻ったかと思えば天井を移動して壁際へと移動している。

「……精霊の力とデンキの違いがわからん」

見た限り、俺の目には違いがわからない。

精霊灯も天井の仕掛けも、どちらも人の手を使わずに道具が動いているようにしか見えないのだ。

精霊灯は精霊水晶が精霊の力を使ってつけているらしいのだが、精霊が見える今の俺の目からしても、精霊が何かをしているようには見えなかった。

「電気は電気ですよ。日本にもあったから、魔法じゃありません」

半分拗ねた口調でティナがそう説明してくれる。

ティナとしては知った『デンキ』という技術なため、魔法に感じるようなトキメキはないのだとか。

「……この電気、どこから来てるんですか?」

「洞窟の奥を流れる川を使った水力発電が主かな?」

他には山頂付近の吹雪を利用した風力発電と太陽光発電も少し入っているらしい。

発電の『電』の部分が『デンキ』だとは思うのだが、ティナとカミールの話を聞いていても俺にはさっぱりわけが解らなかった。

「……どなたですか?」

ティナは誰かと聞いたが、俺にはなんとなく判る。

天井の仕掛けが動いて壁の向こうから出てきた箱には、少女の遺体が収められていた。

ジャスパーと一緒に弔うべく取り出した預かり『者』であるのなら、他にはいないだろう。

「この子がアルメルだよ」

アルメルとカミールが呼ぶ少女の遺体が、仕掛けの腕によってジャスパーの遺体の横へと移しかえられるのを見守る。

ジャスパーとアルメルは幼馴染だったはずなのだが、こうして並べて見るとまるで親子のようだ。

ジャスパーはティナの親世代であったし、当時子どもだったアルメルはズーガリー帝国へと売られてすぐに拷問のすえ衰弱死している。

二人の死んだ時期が違うのだから、体の大きさが違うのは当然のことだ。

ジャスパーの体は、アルメルが死んだ後も成長を続けて大人になっていた。

アルメルの遺体が残っていたのは、カミールによる防腐処置のおかげだろう。

服の裾から覗いている手足は、形こそ整えられていたがすでにミイラ化していた。

腕を覆う袖の不自然な凹みを見るに、腕は体と繋がっていないと思われる。

頭には赤毛が生前と変わらず残っているように見えるが、これはカツラだろう。

箱から移した際にずれたカツラを、カミールが丁寧に直した。

「……さて、僕はこれから場所を変えて二人を荼毘にしようと思うけど」

葬式のような仰々しいことはできないが、二人を見送ってくれるかい? というカミールの誘いに、ティナが手を挙げて参加を表明する。

ティナはジャスパーについては複雑そうな顔をしているのだが、安らかな眠りを祈ってやるぐらいの気持ちはあるようだ。

俺としては心中複雑ではあったが、ティナがそうしたいというのなら、それに付き合うことにする。

今はティナのしたいようにさせてやるのが一番いい。

そう思った。

カミールいわく電気で自走する車輪のついた台にジャスパーとアルメルの入った箱を載せ、洞窟内を移動する。

二人の遺体を荼毘にするため選んだ場所は、黎明の塔へと続く小部屋のある空間だった。

この部屋は高い天井の空間ではあったが、ものを燃やすには適さない空間でもある。

いったいどうするつもりかとカミールに視線を向けると、カミールは壁につけられた光る板を押していた。

「天井が……」

カミールが壁の光る板を押した。

そう思っていたのだが、あれはやはりなんらかの操作だったらしい。

天井に八つの光が走ったかと思うと、中央から天井が開き始め、外へと吹きぬけた空間に変わった。

「おや? 珍しい。外が晴れてる」

天井が開いて吹きぬけた空を見上げ、カミールが首を傾げる。

以前俺とティナが外へ出た時も黎明の塔周辺は晴れていたのだが、カミールに言わせると晴れは珍しいらしい。

エラース大山脈の山頂付近は、常に吹雪いているぐらいの天候なのだそうだ。

「天気はともかく、その仕掛けはなんだ?」

カミールの性格上、なんとなく察しはついたが、指摘せずにはいられなかった。

ジャスパーたちの遺体が入った箱を移動させ、荼毘にするというからついて来てみれば、薪が用意されているわけでもなく、あったのは仕掛けで開く天井と、これまた何か大きな仕掛けと思わしき塊だ。

ここまでくれば、荼毘という行為ですらもカミールにとっては実験の一つなのだろうと判る。

「火炎系の魔法はやっぱり基本だと思うんだ」

なんの基本だ、と指摘したかったのだが、またも出てきた『魔法』という言葉にティナが反応した。

完全に、ティナのカミールに対する警戒心はなくなったとみていいだろう。

魔法という言葉に興味を引かれたティナは、ほいほいとカミールと仕掛けの元へと近づいていった。

「なんの魔法を使うの?」

「この機械が動いたら、ファイヤーボールが見られる予定になっている」

「ファイヤーボール! 火系魔法の基本中の基本だね!」

きゃあ、とティナが両手をあげて喜んでいるのだが、それでいいのだろうか。

ファイヤーボールがどんな『魔法』かは判らなかったが、少なくとも実験に遺体を使うことを荼毘にするとは言わないだろう。

ここまでなんでも実験に繋げられると、カミールの微妙にズレた情熱にはある意味で敬意にも似た呆れを感じる。

……成功するといいな。

呆れ半分にこう思ってしまったのは、仕方がないことかもしれない。

ジャスパーがティナにしたことを許せはしないが、ジャスパーは俺の姿でもあったのだろう。

あのままティナを取り戻せず、取り戻せた時にティナが遺体であった場合に辿った、俺の未来の姿がジャスパーだ。

こう考えると、アルメルと同じメイユ村出身で、同じニホン人の転生者であるティナが、転生者と知られた後も俺の元で育てられているのを見守ることは、どれほどの苦痛だったのだろうかと思う。

アルメルの転生者としての価値が正しく理解され、扱われれば、ティナの今の暮らしはそのままアルメルが手に入れていたはずのものだ。

誰からも大切に守られ、間違っても拷問の末の衰弱死など待っていたはずがない。

――いいよ、燃やしてあげる。

不意に聞こえた言葉に、遺体の入った箱へと向けられた仕掛けへと視線をやる。

そこには洞窟では初めて見る精霊がいて、精霊水晶のはめ込まれたあたりへと手をかざしていた。

「おお? 動いた?」

仕掛けに光が灯ったのは一瞬だけだ。

ポッと光った仕掛けにティナが驚いて見上げると、箱へと向けられた仕掛けの先が明るく光り、そこから光が一瞬だけ延びたかと思うと、遺体の入った箱に火の手が上がった。

「……やっぱり、君がいると正常に動く気がするな」

「気のせいだろう」

チラチラと炎を上げて燃え始めた棺に、炎に怯えたティナが俺の背中へと戻ってくる。

仕掛けと俺の顔を見比べて首を捻るカミールに、先の部屋の仕掛けは動かなかっただろう、と俺が近くにいると仕掛けが正常に動く、という考えを否定しておく。

俺の周囲にいる精霊からは、俺に対して「嘘つきである」という指摘が聞こえてきたので、仕掛けは本当に俺がいたために動いたのだろう。

正確には、俺の周囲に集まっている精霊が動かしている、だ。

……それにしても、精霊はなんで俺に手を貸すんだ?

精霊が精霊の寵児を助けるのはわかる。

神王の命令に従うのもわかる。

しかし、俺に対して何かをしてくれるというのが、どうにも不自然な気がした。

「精霊水晶もちゃんとはまってるのに、さっきはなんで駄目だったのかなぁ?」

変だな、不思議だな、と言いながらカミールが仕掛けに取り付けられた蓋を開く。

蓋の下には光る板がたくさん並んでいるので、蓋ではなく誤操作を防止するための覆いだったのだろう。

「すきやき! うりゃっ!」

一瞬の隙だったように思う。

俺の背後に隠れていたはずのティナがパッと飛び出したかと思うと、カミールが触っていた精霊水晶を指で小突いた。

鉱物と聞いていたので、指で小突いたぐらいではなんともないだろう。

そう思っていたのだが、ティナに小突かれた精霊水晶は一瞬その身を白く染めると、次の瞬間には粉々に砕けて光となって消えた。

「なっ!?」

何事か、と俺が叫び声をあげなかったのは、先にカミールの顔を見ていたからだろう。

目の前で精霊水晶をティナに割られたカミールは、顎が外れんばかりに口をあんぐりと開いて固まっていた。

そして周囲の精霊はというと、ティナの暴走に拍手喝采といった様子で、これまで姿を見せていなかったものまで現れて周囲で踊り狂っている。

「……ティナ? いったい何をしたんだ?」

カミールが呆然としているのは理解できるが、精霊がここまで喜ぶのはおかしい。

精霊水晶を破壊して得意げに胸を張っているティナの肩を捕まえて顔を覗きこむと、ティナは自分のしでかしたことにはまるで興味がないようで、俺ではなくカミールを見上げていた。

「これ小さいよ。もっとあるよね? 大きいの、どこ?」

全部壊します、と笑顔で宣言するティナに、呆然としていたカミールも正気を取り戻したようだ。

壊されては困る、大事なものなのでティナに場所は教えられない、と。

「駄目ですよ、『精霊の座』は壊しなさいって、神王様のお願いですから」

隠していないで、あるだけ全部出しなさい、と宣言するティナの口を慌てて手で塞ぐ。

ティナの言動から、いろいろなことが繋がってくれた。

カミールが精霊水晶と呼んでいる鉱物は、どうやらティナの言う『精霊の座』だったらしい。

ティナから聞いている大きさや形とはまるで違ったが、どういう方法を取ってかカミールが小さく削り取るかどうかしたのだろう。

神王の遺体が納められていると、ティナからは聞いている。

なんということはない。

カミールは自覚のあるなしはともかくとして、神王の体を切り刻んで精霊の力を引き出していたのだ。

これは精霊に嫌われるし、精霊も実験になど協力してくれるわけがない。