軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

領主インリート

ユリアンネは回復魔法の効果がなかったことに落胆するデレックを見ながら、ポーションを取り出す。

「今度は高級の傷回復ポーションですが、こちらも念のためです」

ポーションは小瓶で50ml程度のものであるが、眠っている人物の口を無理矢理開けて飲ませるのである。不敬罪に問われるのも心配であったが、デレック達の様子を確認しても問題ないようである。

しばらく様子を見ても効果が感じられない。

「こちらは中級ですが解毒ポーションです」

今度も50mlだが、やはり口を開けて飲ませるのには苦労する。

「ん、んん」

インリートに動きがあったが、喉を詰まらせたのか不安になる動きであり見守る。

デレックと母が駆け寄り、顔を覗き込んだり手を握ったりする。

「あぁ、デレックか。久しいな」

「父上!」

「あなた!」

「ん、そんなことになっていたのか」

デレックから、領主代行を任せていた弟のインガルズが国王を称してストローデ領の独立を宣言したこと、今モンタール王国の国軍が迫って来ていることを聞かされて肩を落とすインリート。

「解毒ポーションに効果があったということは、毒を盛られていたということに。食事に少量ずつでも混ぜられていたのかもしれません」

「そんな」

今のうちにこの領主館から連れ出したいが、体力の弱った高齢の男性と戦闘力のなさそうな女性の2人を連れて逃げることは難しそうである。

「デレック。私のことは大丈夫です。人質としての価値もありません。父上だけを連れて逃げなさい」

母親の覚悟を聞いたデレックは、ゼバスターにインリートを背負わせる。