軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

暗殺未遂2

「今から向かうのはフスハイム子爵家の屋敷です。何か分からない毒のようなものが使われたのか、家中の人が体調不良になっています」

「それは 大事(おおごと) ですが、ユリを呼ぶというのは?」

「ここだけの話、侯爵家嫡男デレック様を領主館から子爵家に避難させていたらしい。デレック様もその体調不良に」

「今のタイミングで、下手な薬師や治療者を子爵家に招き入れられないということですか。それでも子爵家ならば、お抱えの人がいらっしゃるでしょうに」

「運悪く、高齢だったその方も寝込んでしまったようなんだ」

「でも、貴族様ならば薬の在庫はありますよね?」

「デレック様と子爵様のご家族程度には足りたが、薬師や従業員の皆には行き渡らず。それで今回の発端である衛兵団のうちの中隊長に連絡が来た。で、俺ができるのはユリアンネさんに頼るだけだった」

「何を偉そうに胸を張っているんですか」

話を聞いている間に考えていたユリアンネは、まず食中毒を疑ったが、このタイミングなので意図的なものを感じる。

マンファンに言われた通り、手元にあった調合済みのポーション類は全て魔法の収納袋に入れて来ているが、貴族の屋敷の人数分となると足りるか不安になる。

「ユリアンネさん、こちらがこの子爵家の薬師の方です」

「こんな小娘に助けられるなど……私はこちらフスハイム子爵家お抱えの……」

「ユリ、治療を希望しない人を助ける必要はないだろう?患者はたくさんいるんだし」

まずは薬師を治療して、従業員への治療を分担する予定だった。しかし、マンファンから案内された男の自尊心は、ユリアンネに治療されることを許せないようである。ベッドで寝込んでいて起き上がることもできない状態なのに、である。

「そうね、シミの言う通り、希望される方を優先しましょう」