軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第455話 「極東列島編完!」

黄金腐蟲ペルペト・カスパールは臭い。

スガルも言っていたが、その名前から考えても腐敗臭だろう。

いつだったかに何かの団体の企画した肝試しイベントで行った、VRで再現された山奥の廃校舎、その理科室に残されていた昆虫標本から漂っていた臭いを強烈にしたような感じである。

この臭いはヴィネアが言ったようにスリップダメージも伴っており、つまり空気中に毒が混じっているのと変わらないという事だ。

それがいかにブランと相性が悪いのか。

すぐに身をもって知ることになった。

「──大丈夫ですかブラン様! 『解毒』!」

「……っげほっ。ありがとヴィネアちゃん。楽になったよ。

くそー。霧化すれば鼻もなくなるから匂いも感じないかなって思ったけど、まさか身体そのものに混じってくるとは……」

空気中に毒が混じっている状態で霧化した場合、能力値に関わらず抵抗不能で毒を受けてしまう。

今回に関しては、何もしなければ呼吸器からのみのダメージで済んでいたはずのところが、ばっちりと状態異常にかかってしまい、猛毒と衰弱に似た症状を食らってしまった。たぶん食中毒だろう。

「霧化は出来ないとしても──『魔の霧』、『死の霧』、『血の霧』!」

戦場に霧さえ満ちていればブランの戦術は幅が広がる。自身を霧に変える事が出来なくとも、魔法効果の上昇や『血の杭』の発動地点の多様化などは十分可能だ。

しかし黄金腐蟲ペルペト・カスパールの周辺にはそれらの霧も届かなかった。

まるで見えないバリアでも張られているかのように、黄金腐蟲の周りだけぽっかりと霧が晴れている。

「あ、もしかして臭すぎて飽和してるって事!? 霧さえ入りこむ隙間がないのか!」

そんなことあるのか。

システム的に言えば、大気に干渉するという意味で同系のスキルであり、かつ作用としては相反する効果であるため境界線でせめぎ合っている状態とかだろうか。

「でも、霧が入れない場所が特に危険だっていうのは見えやすくなったです。不用意に近づいていたら、私たちでもブラン様みたいに状態異常になっていたかも、です」

〈その通りです。距離を取って戦いましょう〉

スガルが何かの魔法を放ち、それにヴィネアも追従した。

スガルの放った魔法が何かはわからなかったが、ヴィネアは『セイクリッドスマイト』と叫んでいた。

敵は明らかに蟲系とアンデッド系を元にした魔物であるし、『神聖魔法』が使えるヴィネアの存在はありがたい。

スガルの魔法が黄金腐蟲の下半身を凍らせた。『氷魔法』だったようだ。異常な量のLPであるためダメージこそ大したものでもないように思えるが、行動阻害という意味ではいい仕事である。

そして動きを止めた黄金腐蟲の上半身にヴィネアの聖なる一撃が突き刺さった。

いつの間にか本数を増やした腕を何本か犠牲にしてガードしたようだが、その全てを吹き飛ばし、本体の脇腹を深く抉った。

「グヌウ!」

ひるんだ隙を見逃すブランではない。

敵の発する臭気のせいで距離が開いてしまっているが、『血の霧』の満ちるところであればどこからでも『血の杭』は発生させる事が出来る。

黄金腐蟲の死角から何本もの杭を生み出し、それを射出し追撃した。

杭は黄金腐虫の背中にいくつもの穴を穿った。

「小賢シイゾ!」

黄金腐蟲がブランに顔を向け、黒い牙を左右に開く。

ただの威嚇行動ならいいのだが、そうでないならおそらく何かを吐き出すつもりだ。

「ブレスまで撃てんのかよ──」

「『アブレイシブウォーターブレス』!」

しかし黄金腐蟲が何かを吐き出すより早く、エンヴィの方が先に吐いた。

吐いたと言っても先日食べたリンゴをリバースしたとかそういう意味ではない。

リヴァイアサンの種族スキルのブレス攻撃だ。

ブレスと言えばドラゴン系というイメージが強かったのだが、この場ではドラゴンでもないのにブレスを吐くモンスターが多すぎて驚いてしまう。エンヴィに至っては人の姿のままだ。

ブランの配下にドラゴン然としているにもかかわらず、しかも口が3つもあるにもかかわらずブレスも吐けない可哀想な骨がいることを思うと涙が出てくる。

そんなブランの心情をよそに、エンヴィの放った水レーザーのようなブレスは黄金腐蟲を一閃し、その首を切り落とした。

「……すっげー! 極東列島編完!」

〈──いえ、まだ終わってはおりません!〉

スガルが鋭く警告した。

そのお蔭か、どこからか飛んできた消化液のような臭い汁は皆回避することが出来た。地面に落ちた臭い汁は大地を溶かしながら穴を開ける。

一体どこから、と思い見てみると、倒したはずの黄金腐蟲がすぐ隣に立っていた。

いや、これは違う。

倒したはずの方は首を失ったまま、大地に倒れ伏している。

そして程なく光になって消えていく。

「──もう一体いたのかよ! 双子なのか爺!」

「カカカカ! 愚カナ! 誰ガ2体ダケダト言ッタ!」

黄金腐蟲は次々と、黄金の光と腐臭を漂わせながらどこからともなく現れてくる。

3体、4体、いやもっとだ。

一体何人兄弟なのか。

「少々倒サレタトコロデ──」

「ワシハ滅ビハセヌ──」

「ワシコソハ不滅──」

「不滅ノ【ペルペト・カスパール】ヨ!」

ざっと見えるだけでも10体はいる。どれだけ倒せばいいのか見当もつかない。

倒した個体が復活するわけではなさそうなのは不幸中の幸いだが、今見えている分だけでも十分驚異的な数だ。

「……しかも、ご丁寧に『隠伏』を発動しているみたいですね。現れ方も神出鬼没です」

「でも、1体1体は大した強さでもないし、倒しまくればいつかは片付く、はず!」

「『アブレイシブウォーターブレス』! ──今2体減ったです。あ、でも3体増えたです。流石にちょっと手が足りないかも、です」

エンヴィがブレスで数を減らしたが、減らした以上にどこからか増えてきた。

確かにエンヴィの言う通り、現状ではこちらの火力よりもあちらの増援の方が勢いがいい。

「手が足りない? よござんしょう! 人手がいるというのなら、ウチの秘蔵っ子出しましょか!

──出でよマイシスター! 『召喚:グラウ』!」

名もなき墓標のプレイヤー相手ではサンドバッグとしていささか物足りなかったが、ここなら思う存分その戦闘能力を試すことが出来る。

ブランの求めに応じ、空間が歪み、灰色の天使が姿を現した。

「──お姉様が戦闘中に私をお呼びくださるなんて、初めての──臭い! 何ですかここどこなんですか臭い! お、お姉様! お仕事はお選びになった方が!」

現れるなりグラウは小さな鼻を摘み、抗議の視線を向けてくる。

「ようこそグラウ! 残念だけどこれ仕事じゃなくてペットの散歩なの! わかったら『神聖魔法』で攻撃してね! 倒してもすぐどこからともなく湧いてくるから気をつけてね!」

「ペットの世話は責任を持って飼い主が──」

「ひどいよグラウ! ペットと言えど家族の一員でしょう! みんなで育てるって決めたじゃない!」

「いやお姉様がご自分で育てると──」

ブランの陣営はファミリーなのだから、ブランの役目は皆の役目である。

ファミリーというのはシェイプのマフィアたちが使っていた言い回しだが、要は家族という意味だ。いい言葉である。

「手が足りない、ということなら私も! 来なさいヴィネヴィネット! 『召喚:ストレングス、インテリジェンス、デクスタリティ──』」

ヴィネアがブランにならい、中学生くらいの女の子を6人呼び出した。

全員ヴィネアに、レアにそっくりである。

「うわなにそれ可愛い! 1人ちょうだい!」

「あげません! ヴィネッツ、整列! 『他化自在』! そして『STR強化』、『INT強化』、『DEX強化』──」

ヴィネヴィネットという子供たちは6人がそれぞれ別々のロールを与えられているようで、大きな盾を持っている者や槍を持っている者、弓を持っている者などがいた。

ヴィネアは整列させた子供たちに何かのスキルを発動させた後、各種強化魔法をかけている。

スガルは何かを『召喚』するような素振りはないし、エンヴィはヴィネアの準備中、敵を牽制してブレスを撃ち続けている。

戦闘メンバーはこれで確定だろう。

「よーし、メンバーも揃ったところで攻撃だー!」

「マダワカランカ。圧倒的ナ戦力ノ差ト言ウモノガ──」

「愚カナ。イツマデモソノヨウニ全力デ攻撃シ続ケラレルモノデモアルマイ──」

「不滅タルコノワシニ、根比ベヲ挑モウト言ウカ──」

全力の攻撃とかいうのはした覚えがないのでちょっと何を言っているのかわからないが、自分のステータスの異常にも何百年も気づいていなかったような耄碌爺である。違う時代に違う相手と戦った時と勘違いでもしているのだろう。

「もう、お姉様、後でこの埋め合わせはしてもらいますからね! 『ホーリー・エクスプロージョン』!」

「『セイクリッドスマイト』!」

黄金腐蟲の頭部を狙って放たれたグラウの『神聖魔法』はちょうど頭部を包み込み、聖なる爆発によって大きなダメージを与える。

それ一撃で死亡するということはなかったが、間髪を入れずに放たれたヴィネアの魔法を受け、黄金腐蟲は頭部に大きな風穴を開けて静かになった。

先ほどよりも明らかにヴィネアの攻撃力が増している。あの子どもたちは応援団か何かなのだろうか。

子どもに応援されると強くなるとは、ヴィネアも意外と可愛い性格をしている。

その子どもたちは6人で連携し、1体の黄金腐蟲を抑えていた。

それだけで倒しきれるほどの火力は持っていないようだが、死なないように1体釘付け出来ているだけで大したものだ。

盾持ちの子や短剣装備の子は黄金腐蟲にかなり肉薄しているが状態異常やダメージを受けているようには見えない。

あのエリアは意外と臭くないのだろうか。

それともあの子どもたちが特別なのか。

「どうやら、ゴーレム系の魔法生物には腐臭は効果がないようですね。まああの子たちは毒も一部しか効かないし。『セイクリッドスマイト』!」

ヴィネアの言葉に合わせて子どもたちは飛び退き、そこへ魔法が突き刺さる。

応援団の子どもたちを最前線で戦わせて自分は後方からトドメだけ刺すとは、熱い性格かと思ったがヴィネアもやはりレアの子、いやライラの姪である。

「グワア──……」

「──無駄ダ! ソノヨウナペースデイツマデモ戦エルハズガナイ! スグニ息切レスルコトニナルゾ! ソレトモ増援デモ待ッテオルノカ?」

黄金腐蟲は次々と倒されているが、やはり次々と湧いて出てくる。

「そのようなペースとか言われても、まだほとんど何もしてない人とかいるんですけど。わたしとか。

──『血の杭』、『血の杭』、『血の杭』──!」

このまま何もしなくても、現在の火力なら黄金腐蟲の増殖ペースと拮抗しているようだが、拮抗しているだけでは勝つことは出来ない。

それにこのカルテット、もうクインテットか、いや子ども応援団も入れるとウンデクテットだが、とにかくそのリーダーはブランである。

何もしないでいて良いわけがない。

そして何より、このウンデクテットで最も対多攻撃が得意なのはおそらくブランだ。

ブランが周囲に充満させている霧から無数の杭を発生させた。杭はもちろん全ての黄金腐蟲をターゲティングしている。

「──射出!」

これは別に言う必要のないワードだが、パーティプレイではそういう掛け声も必要である。

「ナ──ガボッ」

「コンナ──グハ」

「バカナ──ウグッ」

金色の光でぼやけているが、敵のLPは1体1体が異常に多い。正確に急所にヒットさせなければ倒し切るのは難しい。

対象があまりに多数になると、当然狙いをつけるのも難しくなる。

だからブランは適当に当たってもある程度のダメージを見込めるよう、イガグリでも作るかのごとき勢いで杭を黄金腐蟲に突き刺した。

運良く急所に複数ヒットした個体はそれだけで光になって消えていくものもいるが、大半はハリネズミになっただけだ。

しかしそこをグラウの『神聖魔法』が薙ぎ払い、生き残りにトドメを刺していく。

さすがはブランの妹分である。素晴らしいフォローだ。

その様子を見てか、インディゴが翼を広げて羽根の弾丸を敵に向かって撃ち出した。似たような攻撃をレアがしていたのを見たことがある。

片面だけだが、ブランのマネをしてハリネズミを作りたいようだ。可愛い。

ブランと違って大したダメージは入っていないようだが、牽制程度にはなっている。

これなら立派なデュオデクテットの一員といえるだろう。

「ところでエンヴィ、あなた、手に持ったそれは飾りなの? せっかくお母様から賜ったのでしょう?」

ヴィネアが攻撃の合間にエンヴィの手を指差し言った。

いつの間に取り出したのか、エンヴィはその可愛らしさに不似合いな古風でいかつい槍のようなものを持っている。

「今から使うです、よっ──! 唸れ! 『海嘯三叉トリシューラ』!」

その言葉が発動キーになっていたのだろう。

エンヴィの持つ三叉の槍のようなものが震え、突如その場に巨大な水柱が立った。

水の柱は逆流する滝のような勢いで水を吐き出し、そしてその水は指向性を持って流れていく。

もはや流れていると形容していいのかどうかわからないほどの迫力だが、向かっているのは黄金腐蟲が固まっているあたりだ。

水は見た目以上にその密度が高く、あの細く鋭かったエンヴィのブレスに迫るほどの力を持っているようだった。

トリシューラの放つ激流が数体の黄金腐蟲を消し飛ばした。

水の通った後には何も残っていない。

通り過ぎた水の形に、黄金腐蟲の群れが消えて無くなっている。

そのあまりに異常な威力に慄いてか、全ての黄金腐蟲が動きを止めた。

「──ア、アガアアア! キ、キサマ、ソノ鉾、ソノ激流ハ! マサカキサマ、アノ時ノ海皇ノ──!」

黄金腐蟲が何か言っているが、このチャンスを逃すブランデュオデクテットではない。

「今だー! 敵の生き残りに総攻撃! 『血の杭』! 『血の杭』!」

「『ホーリー・エクスプロージョン』!」

「『ホーリー・エクスプロージョン』!」

「もういっちょ! です! 『トリシューラ』!」

動きを止めた大きな的などただのサンドバッグである。

弱点を突いた攻撃や威力が高い攻撃、そして単純に手数が多い攻撃がさらに黄金腐蟲の群れを削り取っていく。

スガルは発動キーを発声する必要がないので何をしているのかよくわからなかったが、放たれた雷系の魔法が黄金腐蟲を舐めていた。ウォーターブレスや激流によってびしょびしょになっている黄金腐蟲は電気がよく通るようだ。

それを見てブランも『血の杭』の合間に『雷魔法』を叩きこんだ。なるほどこれはいい。

中央大陸では少しは名の知れた災厄5人に、子ども応援団6人、加えてペット1羽による総攻撃である。

これほどの秒間与ダメージを超えるペースで増援を用意するのはさすがに不可能なようで、黄金腐蟲たちは見る見る間にその数を減らしていく。

いや、おそらく増援はもう来ない。

総攻撃の当初こそ数体現れていたが、今は全く現れる気配がない。おそらく打ち止めだ。

「──ワシノ……不滅ノハズノ……ワシノ身体タチガ……。オノレ……海……皇メ……。マタシテモ……コノ……ワシノ……。オノ……レ……」

もはやどの残骸が呻いているのかもわからないが、とにかく黄金腐蟲ペルペト・カスパールはそう断末魔のひと言を残して消えていった。

あれほど臭く、醜かったというのに、まとめて光になって崩れていく様子は実に幻想的だ。

それに伴って臭いも薄れていっているせいかもしれないが。

「──手ごわい敵だったけど、みんなの力を合わせる事で撃退できたって感じ!」

「……それはいいのですが、次回からはもう少し清潔な戦場にお呼びくださいませんか?」

「あ! 何かドロップ品が落ちてる!」

「お姉様? 聞いておられますか?」

大地に染み込んでいた黄金腐蟲の体液も死体と一緒に消えている。

そのおかげでか、黄金腐蟲がいた跡地に残されているドロップ品も綺麗なものだ。

ドロップ品は黄金で出来たマカダミアナッツチョコのような何かだった。

それが無数に落ちている。

「これどうやって分けようか。12等分とかにする? 勢力で分けるなら、わたしとレアちゃんで1:3とかかな」

〈いえ、そのアイテムについてはボスはすでに持っているようですので、ブラン様が全てお持ちいただいて構わないとの事でした〉

「え、いいの? 明らかにこれまでとは違う高級感あるんだけど」

スガルもエンヴィもヴィネアも頷いている。

申し訳ないような気もするが、いいというなら素直に貰っておくことにする。

今回はインディゴの餌やりに付き合ってもらったようなものなのに、その上お土産まで貰ってしまうとは。

「なんか色々ありがとう! このお礼、ってわけじゃないけど、これから先もし困ったことがあったら何でも言ってね! レアちゃんの眷属っていうだけじゃなくて、個人的なフレンドとして助けに行くから! カードも交換してるしね!」

しばらくすると上空を覆っていた暗雲も晴れ、温かな日差しが島に降り注いできた。

やはりあの雲を発生させていたのはパスカル・フォン・ペルペンロートだったらしい。

雲も晴れたということは、たくさんいた黄金腐蟲も全て倒しきれたのだろう。

1体でも残しておくとまた無限に増えていくとか言われると面倒だが、少なくともブランがこの地でするべきことは終わっている。

今の戦闘も耄碌爺と目があったから戦闘になってしまっただけだ。

ブランは目をしかめた。暖かい日差しは激戦後の爽やかさを演出しているようで素晴らしいが、太陽の光は引きこもり種族の目には毒である。

〈しかし、黄金腐蟲ペルペト・カスパールでしたか。あの者がエンヴィの攻撃を受けた際に言っていた、海皇という言葉は少々気になりましたね。エンヴィの鉾の事も知っているようでしたし、もしや以前に海皇イプピアーラとパスカル老人の間に何かあったのでは〉

「もう両方死んでるからわからないです。終わった話です」

「そっかー。そうだよね。最後の総攻撃の掛け声の前に聞いてみれば良かったかな」

「そうしていたら戦闘はもっと長引いていたかもしれませんし、あの臭いもダメージ以外にも何か悪影響があったかもしれませんし、仕方なかったのでは。いや別に臭いのが無理だったから言っているわけじゃないですけど」

「ヴィネア様は臭くても平気だなんて大人ですね。私は臭いのは無理ですから、お姉様の判断は間違ってなかったと思います」

「グラウちゃん、だっけ? あのね、私も別に臭いのが平気だって言ってるわけじゃないのよ」

今後の為にも反省会は重要だが、それは旅が終わってからでもいいだろう。

それよりも今は重要な問題がある。

「インディゴってもう船より大きいよね。どうやって連れて帰ろう……」