軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

418.【番外編】イースターXの挑戦4

できあがったら周囲のウサ耳に話しかけると点数をつけてくれた。

「素晴らしい! ごくごく平凡なイースターエッグ! イースターエッグの中のイースターエッグ! 平均点を叩き出す!」

ちょっと傷つくかもしれん。これは。

「ただし、【洗浄】と【乾燥】は完璧っ! 穴の大きさも最低限で済んでおりますし、何より、フライングエッグのイースターエッグは大きく見栄えも素晴らしい! 一つにつき八ポイントで、合計四十八ポイントです。ささ、あちらで景品交換を」

会場の奥の方に、空中にモニターが現れており、そこに景品一覧がポイントともに並ぶ。さっきまでは見えてなかったから、これはポイントゲットしたから見えるようになったやつだな。

『バニー衣装!?』

『諦めろ、それは千ポイントだ』

『わ、わかってる。絶対アンジェリーナさん着てくれないしっ……』

『せっちゃんの諦められない想いは伝わっておるのじゃ』

ウサ耳は三十ポイントだった。ピンクと白がなぜかちょっと高い。五十ポイントだ。

パステルパープルもちゃんとあった! 即引き換え。残り十八ポイントだ。

『ウサ手……』

『可愛いわよね~、十五だから揃えちゃおうかなって』

ピロリは髪の毛がピンクなので白がよかったそうだが、ポイントが足りない。

『ノーマル白が高いなんて、運営、やるわね……。まあ、パステルブルーにしようかな。どうせみんなもう行かないでしょ? 卵集め』

『ポイント譲渡できないんだな。別にウサ耳は効果ないらしいからいらなかったし、ピロリにやればよかったな』

『俺の分がまだあるぞ、ほら』

卵を引き換えていなかったらしい八海山がピロリに卵を渡す。

『やだ、八海山愛してるぅ~!!』

『いらん……』

案山子もピンクが欲しいというので八海山の卵を分け合っていた。

柚子は黄色だそうだ。

そして、ウサ耳がいらないもののためのイースター特典は、残った卵で作るオムレツとオムレットのレシピがもらえて、それを食べるとバフがつくというのものだった。

もちろん案山子がレシピをゲットしてせっせとクランハウスで作っている。

俺も作ってもらった!!

でも荷物には丼、丼、丼!! あと、チャイティー。

先ほどアリンさんから連絡が届いて、無事ピンク耳とピンク尻尾を手に入れたそうだ。

『セツナ様は何を手に入れられたのですか?』

『アンジェリーナさんに似合うであろう、パステルパープルのウサ耳とウサおててです!』

『了解です。まだコチラポイントが残っておりますので、パステルパープルのウサしっぽと、パステルブルー三点セットをお届けしますわ』

いらん気遣いがついてきた。

まあでも、誰になんと言われようともまず、アンジェリーナさんだ! ウサセットを携え、俺は貸本屋へ突撃する!!!

「こんにちは、アンジェリーナさん……」

どうアプローチしようか悩んで悩んだ末にこれですよ。

「あら、可愛いウサ耳ね。聞いたわ、それをつけて一緒にお茶を楽しむと一年幸せに暮らせるんだとか」

「情報が早いですね!! あの、もしよかったらまだウサ耳あるんで、あと、これっ! 食べ物もあるんです。チャイティーとか」

またもや案山子に借りたピクニックバッグをどんとお見せする。

「あら……じゃあ奥で」

しっぽは……無理やった。俺の理性が、しっぽを着けてとは言えなかった。くぅ……。でも可愛いパステルパープル耳は着けてくれました。

甘い物も別に嫌いではない。和やかにお茶を終えて、俺がこんな手もあるんですよと見せたら、同じように手だけはしてくれたのでもう、感無量。ミッションコンプリート!!

ここまでの関係値を築いてきただけあった。

今までの俺を全力でよしよししたいっ!!

ふっつーに、ウサセットは返された。プレゼントにはならなかった模様。

長居は商売の邪魔なので、それじゃあと別れを告げて、俺は次の目的地へ。そう……イェーメール聖騎士団へ。

門番さんに賄賂のカツサンドを渡して中に入れてもらう。

演習場でいつも通りヴァージルが部下たちの稽古をつけていた。しごいてるというよりはみんな楽しそうではある。

「あれ、セツナ君じゃん」

「こんにちは、アランさん」

「どうした、セツナ」

「訓練中ならまた後にするけど」

「用件によっては」

と、聞いてみてからな雰囲気で言ってはいるが、すでに剣を鞘に収めているし、他の騎士たちも片付けを始めている。

まあありがたいんだけど。

「最近聞いたんだけど、今の時期、ウサギの耳つけて、お茶会をしてお互いの健康を祝うとかなんとか」

「なんだそれは……」

「あ、聞いたことがあります」

「俺も知ってる!」

聖騎士団すら巻き込んでる。すごいな。それに運営も対応するのか。いや、結構こちらの言うことに耳を傾けるから、こういったやり方もありなのか。それはそれで面白い。

「てことでウサ耳持ってきたんだけど。あとご飯も。一応卵料理もそれなりに」

おおおーと騎士たちが大盛り上がりだが、残念。今回は参加規定があります。

「もちろんウサ耳ないとダメ」

「わっ!? えっ!」

「ウサ……」

「耳??」

戸惑いを隠せない面々。うん、男ばかり暑苦しいな。

仕方ないので見本を見せてやる。

さっき、アンジェリーナさんがつけていた薄紫のウサ耳、手、しっぽまで、サービスだもってけドロボウ!!

俺が薄紫を選んだのは、アンジェリーナさんの色だからです! これを他のヤツにやる気はない。

「ふはっ! セツナ君、可愛いな」

「笑ってるけど、アランさんもつけないと案山子のご飯あげませんからね」

「えええええっ!」

周囲の騎士たちを振り返る。

「そこら辺ほっつき歩いてる来訪者に、余ってるウサ耳はないか聞いてきたらいいですよ。みんな案外持ってますよ」

俺が持ってるのはピンクと青だからな。

「ほい、ヴァージルには準備してある」

「……ウサ耳」

「アランさん、欲しい? 青なら余ってるよ」

「く、くださいっ!!」

「三十分後に食べ始めちゃいますからね~」

すると騎士たちがこぞって外へ向かって駆けだした。ちょっと面白いことになったな。

アランは迷うことなくすぐさまウサ耳をした。ご飯を前にプライドを捨てたようだ。似合っていらっしゃいますよ。

「ヴァージル」

「うん……セツナがしているのを見ているのは可愛いんだが」

お前の方が絶対可愛いからな。しかも、お高いピンクだぞ!

「ヴァージル。お揃いにしようか」

「……」

悩んでいたが、食堂のテーブルに卵料理と肉ドン料理をずらりと並べたころには陥落しました。

いろんな方向からヴァージルを見ておきます。

「金髪だからピンク似合うね」

「兄上には見られたくないな……」

「セツナ君も薄紫いいね。パステルパープル可愛い」

「俺もなんでこんな事態になっているのかわからないんですけど、験は担ぐ方なんですよ」

半ば脅されてここにおります。

まあ、みんなで仮装パーティーだと思えば……!!

ウサ耳を借りられなかった面子も、借りられた人は大概しっぽを持っていたりするので分けあって席についていました。

男のケツからしっぽだけ出てるのなんか変だけどね!! 獣人はほら、標準装備だから気にならないというか!!

まあ、みんなで美味しく案山子の料理を堪能しましたとさ。めでたしめでたし。

後日、なんと初のポップアップストア&カフェがシブヤで開催され、連日大賑わいだったそうだ。プレイヤーが作ったイースターエッグの中でも特に芸術点が高かったものが再現されており、事前にプレイヤーに確認連絡が来たらしい。デザインの使用許可だそう。柚子のところにも来たらしく、お礼は一万シェル&優先的なポップアップストアチケットだったという。

「自分の作ったイースターエッグの前で娘ちゃんと写真を撮ったのじゃ。あと、ウサ耳ヴァージルの等身大パネルと」

すまん、ヴァージル。