軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

393.修復道具

たくさんの星々を持って、オウル親方のところへ行った。親方は量に驚いていた。

「よくこれだけ集めてきたな」

「友人が強いんですよ。ヘビが大量で困りましたけどなんとか」

「ヘビにレイスだろう? 頑張ったなあ」

助かるといいながら、親方は欠片を受け取る。代わりにお金を渡してきた。

「お金ですか?」

「そうだ。使う分はお前の道具の素材だから含まれてないぞ?」

「あれ、他の道具に使う分を採ってくるから負けてくれるんじゃないんですか?」

「ちげえよ、そんなあこぎなことはしない。アンジェリーナも言ってたろ? この素材はなかなかどうして集めにくい。採りに行けないことが多いんだよ。それを採ってきてくれと言ったんだ。素材代は支払うべきだろう」

つまり、依頼料プラス採ってきた分の歩合制が、依頼料分が俺の道具をさらに負けてくれる分ってことか。わーい。助かる。

「全部で500万シェルくらいはするからな。準備しておけよ」

「ありがとうございます」

と、ちょっと聞いておきたいことがある。

「そういえば前に教えてもらった村なんですけど……」

「ああ、村には行けたんだろう? あそこがなあ、迷い道みたいになっているのか、その村に辿り着ければわりあいスムーズに星々の欠片のなる森に行けるんだが、村が見つからないと道中のモンスターも強いんだ」

「そんなことが……」

「村人が教えてくれたろ? すぐ村に寄ってけって言う連中だけどな。まあ娯楽が少ないんだろう」

わかっていない様子。

つまり、俺たちもあの村を経由しなければ強いモンスターに押し返されていたかもしれないということか。

まあ、無事に採れてよかったよかった。

道具の完成を待ちつつ、八海山の素材を揃えつつ過ごした。

アンジェリーナさんからのお手紙が届き、一緒にオウル親方のところへ向かう。今回はちゃんと、お洋服最初から変えてきたよ!

街歩きデート(俺目線)だからね。

そして準備された道具一式に目を輝かせる。

なんか職人っぽくてかっこいい。ひとつずつオウル親方が説明してくれるけど、頭に入ってこない。あっちから見たりこっちから見たり、一人でキャッキャしてしまった。

しかもさ、茶色の皮の、四角い鞄に入ってるんだよ! その上側がぱかって開いていろんなポケットに収納されてる。

「かかかか、かっこいい……。しかも鞄?」

「鞄は私からの弟子へのプレゼントよ。修復師は出向いて修復することも多いからね」

落ち着け。

ログアウトはまずい。

落ち着くんだ俺。

プレゼント!!

アンジェリーナさんからのプレゼントっっ!!

脳内がもう舞踏会だ。舞いを披露する側。ぐるんぐるん回ってる。

「あ、ありがとうございます。俺、一生大切にします……」

「大切にして、たくさん使って良い修復師になってね」

にっこり笑うアンジェリーナさん。

《称号【半人前の修復師】を手に入れました》

まだ一人前ではない! それでも修復師としてさらにステップアップした。

「頑張ります!」

「たまに道具は見せに来い。メンテナンスもやってるからな」

「お願いします」

さあ、そんなわけで八海山の退魔の書をアップグレードしてみよう。

クランハウスに集合して、いつの間にか一階のリビングに置かれたローテーブルに八海山の退魔の書を置く。

ローテーブル、ソファの雰囲気に合っているなと思ったら、八海山がマルスに頼んでいたそうだ。

あれ、ソファ……俺の……まあ、部屋拡張があるなら別にロフトベットの下に置かなくていいからもっと違った形のソファ頼むことはできるんだけど……俺の、ソファ。

ソファに座っては出来ないので、俺は今床の上にあぐらをかいている。ソファにはソーダと八海山が座っていた。

アンジェリーナさんが言っていた通り、修復師は移動することが多い。料理や調薬のように、キッチンや生産台を必要としないのだ。その代わりのこの修復師セットだと思う。

「なんかめっちゃかっけえ鞄だな」

「アンジェリーナさんからのプレゼントだよ! いいだろ」

「職人って感じでそこは羨ましい」

アンジェリーナさんの部分はどうでもいいと? そっちが大切なのに。

「500万シェル、鞄抜きでかかったから結構してるかな。刷毛とか瓶とかプレス用の道具とかいっぱいある」

説明を聞いていなかったが【鑑定】のおかげで名前などがわかるので助かった。あのときは本当に舞い上がってまったく話が耳に入ってこなかったから。

「さて、それじゃあ始めます」

俺は退魔の書を手に持った。ここに置いたのは八海山だ。

すると、取引画面が開いた。一時預かりボタンを押す。

「一時預かりになるんだな」

「退魔の書は壊れないだろう? これ、一度しかもらえなさそうだし。だからじゃね?」

「俺が失敗したら単にアップグレードできないって扱いになるのかもね」

そのときはイェーメールのオルロさんとか、ウロブルの貸本屋さんに行こう。

「それじゃあ始めます」

俺はステータスウインドウを開いて、修復師のところに現れた『退魔の書弐』のボタンを押す。そう、前回はグレーだったのが押せるようになっていた。これは多分今一時預かりしてるから。

八海山が各地で集めた素材も揃っているからかもしれない。それは事前に受け取っていたのだ。

すると、説明書が出てきました。

これが長い! 秤に素材Aを入れて重さを量り、素材Bと混ぜもう一度秤にかける。分量を量るゲームが延々と続くのだ。

しかもぴったり合うまで細い匙で欠片一つの単位で調整し続ける。

めちゃくちゃ時間がかかった。

八海山の用意した素材がまた多いのだ。全部で十五種類。

「確かに今のレベルになっていないと難しいな、ソロだと。俺は手伝ってもらったからそこまでじゃなかったが」

「要求レベルもあるのかもな」

「そのうち素材を売るヤツが出てきそうだ。それで修復出来るかはわからんが」

ソーダと八海山がそんな話をしている。俺は必死に量ってる。

全部の素材が準備でき、特殊な素材だという透明の皿の上に量りきった全部の素材を乗せて混ぜ合わせた。この透明の皿が星々の欠片を材料としているらしい。時々ガラスの中で何かが反射していた。

最後の工程、皿を本の上に載せる。

すると、魔法陣が出てきた。

魔法陣が。

「クロスワードパズル……」