軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第266話ゴーレム生成

「……こりゃすごい」

『うまいものだ。君、ゴーレム作る才能あるんじゃないか?』

「えぇ~? そう?」

これでもね、実はけっこう器用なんですよ。工作とか得意です。

『しかし何でこの形に?』

「え? アダムスキー型に何か問題が?」

『いや……なんのためにUFOの形をしているのかなって?』

攻略君が言う通り、ズラリと並ぶのは五機の円盤の様なフォルムのゴーレムたちだった。

しかしただのアダムスキー型ではないところを見せてやろう。

僕は円盤型のゴーレムたちにいよいよ指示を出してみた。

「よーしお前達。この部屋の掃除をしてみてくれ」

「「「ミミミ!」」」

UFOは一応つけておいたつぶらな瞳を光らせてフワリと浮かび上がると、超低空飛行でゆっくりとゴミを吸い上げながら部屋を廻り始めた。

『……ゴミを吸ってるね』

「成功だ。アブダクション式とでも名付けようか。驚きの吸引力。とりあえず移動能力を重視して、浮遊するようにしてみた」

『意外に……いいんじゃないか? 高低差が多い建物だからね』

そしてニュルリと伸びるアームにはたきをもって、棚の上を掃除している機体は、きっちり正しい使用法で使えているようだ。

『なぜわざわざ手作業に?』

「結局、手に勝る汎用性はないかなって」

『……大抵の道具は人間基準だから、理に適っているのかも?』

「でしょう?」

フワンフワン飛んで埃を集めるUFO型ゴーレムの掃除は順調なのだが……しかし僕はちょっと満足できなかった。

「うーむ……埃を吸うだけじゃなぁ」

『……天使達にも手伝わせては?』

「それもいいけど。せっかくだからゴーレム工作に慣れるためにも、ちょっと考えてみたい」

『まぁそうだね。いい機会か』

今までだってかなり非常識なことはできたのだ、この城の未知の機能を試すならいい機会なのは間違いないはずである。

ではどうしようと考えた時、アイディアは尻の辺りからビビット湧いてきた。

「! 攻略君! スライムって作れる?」

『うん? ああ、隣の液体の満たされたフラスコがそうだ』

「よし行こう! 使い方教えてよ!」

『了解だ』

僕はスライムが生成できるというフラスコにやってくると、パネルを操作して手始めにUFOと同じ数だけスライムを製作した。

だがそのままスライムを作り出したわけではなく、その性質には手を加えられていた。

なんかぬめぬめしていてなめくじの様にはい回られたら綺麗になるわけもない。

ごく少量の水を纏いつつ、汚れを吸着。

UFO型が入り込めない狭いところのゴミを積極的に集める習性。

―――そしてもう一つ。

UFO型ゴーレムにも少し手を加えよう。

楽しく改造していると、生成されてコロリンと出て来たスライムたちは暫くモゾモゾ動いていたが、一匹一匹飛んできたUFOにすっぽりと吸収されていった。

「よし……名付けて水拭きスライム完成だ」

『水拭きスライム……』

スライムと合体したゴーレムはそのままフワフワ飛んで行く。

うん、スライムを搭載しても飛行能力に問題はなさそうである。

僕は今作り出した最強ゴーレムを、その動きを追いかけながら解説した。

「まず、ゴーレムが吸引魔法でゴミを集める。そのゴミをスライムで分解」

『ふむ』

「埃が少なくなると、今度はスライムを投下。スライムはゴミを求めて床を這いまわりつつ、綺麗な水で汚れを浮かせて吸収し、ゴミが無くなると住処(UFO)に戻る」

『おお……トイレのリベンジ成功と言う事かな?』

「……いやなことを思い出させないで?」

まぁアイディア自体は、あの流れから来ているというのは間違いない。

あの手痛い失敗をこうして成功につなげられたのならすべて無駄ではなかったということである。

『本が濡れないか?』

そこは大事なところだと主張する攻略君だけど、まぁ不安なところではあった。

「できる限り本には触れないように命令はしているけど……そこはスライムだしうっかりすることもあるだろう。でもそこはゴーレムの方に制御してもらう。本を傷つけそうなら捕獲して次の場所だ」

『なるほど』

これぞスライム×UFO型掃除機ですよ。

ゴミ捨ていらずで水分補給だけで動き続ける、素敵な浮遊型ゴーレム掃除機である。

実際部屋が綺麗になったのを確認して、僕はいつの間にか手に汗握っていた手を開き、完成を宣言した。

「ふぅ! よし! いいんじゃない?」

飛んで行くゴーレム円盤を見送り、やり遂げた満足感に浸っていると攻略君は感心したように呟いた。

『よくこんな珍妙なゴーレムを思いつくね』

「攻略君ならわかってたんじゃないの?」

『未来については予測程度だ、こういうのは苦手な部類だよ。今なら改良案のアドバイスくらいなら出せるがね?』

「不具合出たらお願いしようかな? ちなみにうまくいきそう?」

そんな僕の問いに攻略君は、それなりに清掃はうまくいくと答えた。

よし。僕の閃きも案外行けるじゃないか。

それにしてもこの城、攻略君が一押しする意味が身をもって分かって来た。

装備に関してもいろいろ出来るようだし、得意な人を案内すればまた発見できる要素もありそうで、今後の探索が捗りそうだ。

「客を招くなら、少しは整理整頓しなきゃかな?」

『そうだね。トラップの片づけくらいはしておいていいかな?』

「それは……確かに急務だなぁ」

大部分は停止中とはいえダンジョンだけに、踏めば飛び出す危険な罠も多そうだ。

僕は探索もそこそこにして、まず大急ぎでトラップの撤去に取り掛かかることにした。