作品タイトル不明
第204話おや? イベント参加者の方ですか?
僕と桃山君はハンバーガーのセットとジュース、そしてお菓子を大量に買いこんで予約していたホテルに向かうと、ロビーで思っても見なかった人と鉢合わせすることになった。
「やぁ諸君。ダンジョンは楽しんで来たかな?」
大きな旅行鞄を持ち、かっこいい白いスーツにサングラスを付けて登場した女性は、僕らの良く知る我らが顧問の先生である。
「あれ!? 龍宮院先生!……まさかイベントに参加しに?」
だが思わず確認すると龍宮院先生は語気を強めて否定していた。
「違います……! イベントに参加はしないけど、顧問の仕事をしに来ただけです。泊りならいた方がいいでしょう?」
「確かに」
「そうでござるな」
「だろう? いやぁ、最初からついて行ければ合流の手間が少なかったんだけどねぇ」
「……先生、僕らと別ルートでイベントに参加したり……」
「してない」
「……」
この反応はおそらくとは思うが、これ以上の追及はやめておこう。
まぁ確かに大人がいた方がスムーズに進む場面は多そうだし、先生が来てくれたことは素直に心強かった。
龍宮院先生はわかればいいと頷いて、今度は楽しそうに僕らの姿を観察し始めた。
「まぁ私にも予定というものがあるからね。しかし……君らはずいぶん面白い格好をしているじゃないか。なにそれ? 紅白のジャージにお面?」
そして龍宮院先生に半笑いで指摘されると、いやぁと照れつつ僕らは二人して頭を掻いた。
「着替えるところがなくて」
「ダンジョンは近いからそのまま帰って来たんでござるよ」
「その恰好でダンジョンに潜ったのか……相変わらずおかしなことをしていそうだけど……その満足そうな顔が正直怖い」
どこか似非桃太郎さんと金太郎さんに怯えた視線を向ける龍宮院先生だけど、そんなことはない……とは絶対言えない現在だから困ったものである。
しかし先生に対しては比較的内情はオープンで行くつもりなのでマルッと確認してもらうとしよう。
「じゃあ戦利品の確認しましょうか?」
ただそう言うと龍宮院先生はギョッと驚愕した顔になって、視線を逸らすとちょっと照れ気味だった。
「えぇ? いやぁ……さすがにイベント帰りの男性の戦利品を確認するのはあんまりじゃないかなぁ」
「……そっちじゃなくてダンジョンの方ですよ。ダンジョン」
「ああそっちか。そうだね。初の外のダンジョンだろうし、気になることもあっただろう。よし、じゃあ。私の部屋に全員集合でいいかな?」
「了解です」
「了解でござるよ。ああ、色々買い込んで来たんでござるが、持って行っていいでござる?」
「いいじゃないか。私にも少し頂戴よ。飲み物代くらいなら私が出すけど?」
「……僕らお酒は飲めませんよ?」
「酒じゃないから!……酒豪イメージを定着させるのはやめてくれよ……全く」
なんか酒豪が言っておられるけれども、すでに飲み物もそして土産話もストックは十分だ。
話し終わった後思わず飲みたくならないといいけど……それは実際に話してみないとわからない話だった。