作品タイトル不明
閑話 誕生日会の後で
誕生日会を終えて少しした頃、片付けも終えた俺たちは屋敷の自室に戻っていた。
「もうぐっすりでした。よほど楽しかったみたいです」
「ありがとう、それは良かったよ」
そう言って俺の足の上に座るセレスを撫でる。
心地良さそうに目を細めてくれる。
「あそこまで喜んでくれるとやった甲斐があるもんだ」
「準備も楽しかったですしね……そうだ」
そんなことを話していると、セレスはふと思い出したようにこんなことを口にした。
「私の時はここまで盛大じゃなくて良いですからね」
「え、そうなのかい?」
「はい」
そう言って俺の首元にしなだれる。
「私はカズヤさんたちと一緒に過ごせるだけで十分です」
そうして自然とキスをする。
「ちょっと残念」
「そうですか?」
「うん、考えるのも結構楽しかったから」
「それは……確かにそうですね」
ソファの背に身を委ね、セレスと共に沈む。この感触がたまらなく心地いい。
「よし、セレスの誕生日は温泉に行こう」
「ちょっと大掛かりになってません?」
「そうかな?」
「はい、……でもちょっと楽しみです」
そうして会話が途切れる。
別に気まずいなんてことはない。
ただ空間を共有しているだけ。
それだけだというのに、充足感に満たされる。
「カズヤさん、眠るならベッドに行きましょう?」
「……うん、でもまだ眠らないよ?」
「まだ眠らないのですか?」
「ちょっと俺もパーティーの熱に浮かされてるみたい」
「ふふっ、それは私もそうですね」
所をベッドに移しながら俺たちはそんな会話を続ける。
「そうなのか?」
「ええ、だって――こんなに貴方に甘えたくなってしまうんですもの」