軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

閑話 暇

夏季休業2週目、課題も落ち着いた俺たちは家でのんびりと過ごしていた。

「……」

セレスと二人で家のリビングのテレビを見ている。

「……暇だ」

この世界に帰って来てからは仕事がなくなり、代わりに学業が入ってきた。それも夏季休業に入り、義務的にやることがなくなったのだ。

「これまでが忙し過ぎたのです。ゆっくりすれば良いと思いますけど……」

「そうは言っても、暇になったら何をすれば良いんだ?」

「そうですね……お茶でも入れましょうか」

そう言ってセレスはキッチンに向かう。

もはや慣れたといった様子でお湯を準備し始める。

「手慣れてきたな」

「ええ、便利な道具が多いですから」

用意できたお湯をティーポッドに注ぎ、紅茶を準備し始めるセレス。

「今日の紅茶はなんでもリラックス効果が高いものだそうですよ」

「へぇ、それは楽しみだ」

出来上がった紅茶を一口。華やかな香りと落ち着いた味。紅茶の良し悪しは人並み程度しか理解できないけど、美味しいことはわかる。

「うん、美味しいよ。さすがセレスだね」

「ありがとうございます」

軽く談笑しつつ紅茶を飲み干し、所はソファへと戻る。

「なかなか難しいな、ゆっくりするのって」

「そうですか?」

「セレスがいなかったら何も思いつかないままぼーっとしてたと思う」

正直な感想を述べる。そしてまた何をしようか迷う。

「さてこの後どうしようか」

「そうですね……」

少し思案顔を見せたセレスはポンポンと膝を叩いた。

俺は促されるがままにセレスの膝に頭を置く。

「こうしてゆっくりなさるのがよろしいかと」

「このままだと寝ちゃうよ?」

「寝てしまわれても良いんですよ?」

そう言ってセレスは俺の頭を撫でる。それがどうにも心地よくて、睡魔を誘う。

そして俺はその睡魔に抗うことなく眠りに落ちるのだった。

規則正しい息遣い。どうやら眠られたようですね。

それを認識しても撫でる手は止まらない。

「本当、良い顔になられましたね」

勇者としての彼も格好良かったしこのような可愛げもあった。けれど、この世界に帰ってきてからの笑顔を見ると、あれも歪まれたものだったのかと思い口の中が苦くなる。

撫でる手がくすぐったいのか、彼は私の膝の上で身じろぐ。

そんな彼もまた愛おしく、密かにキスをする。

言葉にできない思いを込めて、彼が起きるその時まで撫で続けるのだった。