軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第139話 渚沙のいる朝

渚沙が来てから少し朝が遅くなった。

俺は今まで通り訓練をするため、日の出と共に起床するが、渚沙とセレスは朝の八時頃に起きてくる。

「おはよう、セレス」

「おはようございます。カズヤさん」

「渚沙もおはよう」

「あう~!」

朝起きたらまずは渚沙と軽くおしゃべりをして、おむつを替えて、着替えさせる。

「上手に寝返りできますね~凄いです!」

リビングのカーペットでゴロンと一ひねり。

最近渚沙は寝返りを覚えた。

今まで何度か挑戦してきたが、できずに泣いていたが、最近ようやく寝返りが出来るようになったのだ。

「えう~」

続いては保湿。赤子は大人と比べて非常にデリケート。それは肌の面においても変わりない。

保湿ケアで肌のバリア機能をサポートし、様々な肌トラブルから守ることが重要だ。

そして、保湿はアリシアの仕事。

「渚沙~保湿しますよ~ほっぺむにむにですね~」

この間に俺たちはミルクの準備をする。

いつも飲んでくれる量が、大体170ml程度だから少し多めの200ml用意する。

「ミルクの時間ですよ~」

ミルクをやるのはセレス。以前、俺やアリシアで試したことがあったが、セレスが一番食いつきが良いのだ。

「上手におくびできるかしら?」

「けぷっ」

「上手におくびできましたね~」

口元を拭い、ミルクは終了。最近飲む量が増えて来た。良い兆しだ。

その後はひたすら遊ぶ。

「こんにちは、渚沙くん!ごはんは美味しかったかな?」

「あうぅ~」

アリシアがクリスマスプレゼントで貰ったテディベアで渚沙と遊ぶ。

これは俺からのクリスマスプレゼントだったのだが、姉の匂いがするのか、渚沙も気に入り、今では渚沙のお気に入りのオモチャの一つだ。

突然できた弟に驚きつつもこうして面倒を見てくれる。嬉しい限りだ。

「それじゃあ、おうちに行きましょうか」

「あう~あ!」

渚沙はなんとなしにもう言葉を理解しているのかもしれない。

そう思わせるのは、こうして「おうち」や「渚沙」という言葉に反応を見せる。

よく聞く言葉だから、条件反射だからという人はいるかもしれない。

だが、いつも絶妙なタイミングで返事をするので、本当に言葉を聞いているように感じる。

親馬鹿と言われるかもしれないが、まあ、いいだろう?

「渚沙くん!おはよう~!」

「あう!うあ!」

家のリビングに行くと、唯が待ち構えていた。

それだけではない、母さんもだ。

「渚沙くん今日は一段と元気ねぇ~」

「はい、朝からぐりんぐりん動いて着替えさせるのが大変でした」

「渚沙くんは動きたいのよね~?」

「あう!」

唯に抱かれて元気に相槌をうつ渚沙。

目一杯手を広げて宙を掴もうとする。

「おててここまで伸ばせるかな~?」

「あー、あう!」

「上手上手~!」

床に寝転んだ渚沙と唯が手遊びをする。

「渚沙くん~新しいオモチャですよ~」

「あ、また」

「いいじゃない~初孫……はアリシアちゃんだけど、初めての赤ちゃんは渚沙くんだもの~」

母さんたちは挙って渚沙にオモチャを買い与える。

それこそ、隔日ぐらいの勢いで。

母さんと父さんだけじゃなくて唯まで買ってくるのだ。

早速渚沙専用のおもちゃ箱が出来ている。家のも屋敷にも。

「まったく、気持ちは分かるけど、あまり買い与えすぎるのもどうかと思うぞ?すぐに成長するんだし」

「そんなこと言ったら何も買い与えられないじゃない~」

「そうだよお兄!今を大切にしないと!」

「ぐ、そうだな」

「お二人の言うことは確かにごもっともなのですが、もう少し頻度を抑えても良いのではないですか?」

「セレスさんがそういうなら……」

「うあ~!」

そんなことを言い合っているところに渚沙の泣き声が割り込んでくる。

「どうしましたか~渚沙?」

「さっきミルク飲んだからお腹ではないよな?おむつか?」

「匂いはしませんよ?」

「どうしたんでしょうか?大丈夫ですよ~」

「もしかして、私達が言い争ってるからかしら?」

「大丈夫ですよ~渚沙、私達みんな仲良しですからね~」

暫くみんなであやしていると、泣き止んでくれる。滅多に泣かない子なので、いざ泣かれるとこちらが驚いてしまう。

「あう……すぅ」

泣き疲れたのか、静かに眠る渚沙。

「渚沙くん、ほんとかわいいわ~孫だからかしら?」

「私達から見ても可愛い子供ですよ?」

「ほら、ベクトルが違うのよ~」

そんなことをいいながら午前が過ぎていく。