軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第116話 紅葉狩りそのに

116話 紅葉狩りそのに

広げられたブルーシートに皆が円になって座る。

最初は屋敷にある机でと考えていたが、人数の兼ね合いから2つに分かれてしまうので皆が円になれるブルーシートを選んだ。

勿論、ずっと地べたもしんどいだろうから、イスとテーブルも用意してある。

「早速お料理をお持ちしますね」

「手伝うよ、セレス」

「助かります」

セレスと共に配膳する料理は前菜、ブルスケッタやタルティーヌだ。

「前菜からってなんだか本格的~!」

「セレスさん、異世界でもこんな感じだったの?」

「そうですね、料理はこの世界に合わせてありますが、大体こんな形でした」

「異世界の料理……今度食べてみたい!」

「私もお出ししたいのはやまやまなのですが、材料が手に入らなくて……」

「それもそっかぁ、残念」

特段アイスブレイクをせずともなんとなしに仲良くやっている様子。

特に、唯と葛西さんが良い感じに波長が合うようで積極的に話している。

大人組はそんな彼らの様子を見てまた楽しんでいるようだ。

「紅葉に似ているようだけど、これは異世界の木なのかい?」

「そうだよ。確か名前はステラだったけ?」

「それは通称ですよ?この木の名前はスターツリー。黄色く紅葉した星形の葉っぱが舞い散るさまが星の様だからと名付けられました。ステラというのは伝説上の魔法、流星を降らせる魔法のステラから来ています」

「セレスティーナさん、良く知ってるね」

「まあ、自分の屋敷の庭ですから。それに、お茶会の場で説明する場面などがありますから、この庭にある植物のことなら分かりますよ。アリシアもちゃんと言えますよ」

「はい、お母様程しっかりとした解説は出来ませんが、庭木と名前が一致する程度には覚えています」

二人がそう言うと、皆は一様に感嘆の息を漏らす。

「じゃあさ、この囲いがある蒼い薔薇はなんなの?すごく綺麗」

「これはブルーファイアローズです。この世で最も美しい薔薇と評されるこちらの植物は、その棘に猛毒をもち、全身が燃えるような痛みに襲われた上に死に至ることからブルーファイアローズと名付けられたそうです……あっていますよね?お母様」

「はい、その通りです。普段はガラスのケースで厳重に管理しているのですが、今日はせっかく皆さんが来て下さるので特別にケースを外して展示しています。ただ、その囲いよりも近づかないでくださいね?とても危険な植物なので」

アリシアの説明を聞いて身を乗り出して観察していた唯と葛西さんが一歩引く。その様子に俺とセレスは口角を上げつつ料理をふるまう。

肌を撫でる冷たい風は心地よく、上に一枚羽織る程度で快適に過ごせる気候。魔術で拡張しているこの空間の天候は現実とリンクしているので、空は完全秋模様だ。

セレスやアリシアの異世界植物の解説を聞きながら料理に舌鼓を打つ。

今日もまた平和だ。