作品タイトル不明
第106話 三者面談
遼たちに正体を明かしてから一夜明け、通常通り学校に来た俺たち。イベント事が終わり、学校は落ち着きを取り戻していた。
「さてお前ら、イベント事が終わり一段落しているところ申し訳ないが、三者面談の時期だ」
先生の発言に皆、 めんどくさそうな声を上げる。
「気持ちは分からんでもないが、親御さんにしっかりと案内の紙を渡してくれよな」
配られる紙を回していると、セレスがこっそり耳打ちしてきた。
「三者面談って……あれですよね、本人と家族、先生の三人で今後の事を話し合う面談ですよね」
「ああ、そうだが……」
「私の面談どうしましょう……」
セレスの両親は当たり前だが異世界にいる。
この世界に来るにあたっては、亡くなったことになっているのだ。
さしあたって、俺の両親の了解のもと、親権は俺の両親になっている。
なので、面談する際の家族枠は俺の両親となるわけだが……
「お義母様やお義父様に面倒をおかけすることに……」
「俺の両親はそんなこと気にしないと思うけどな」
「ですが……」
「家族だろ?甘えていいんだ」
そう言って頭を撫でると、セレスは渋々という様子をみせながらも納得してくれた。
「後でお義母様とお義父様にお話ししないとですね」
「そうだな」
◇
家に帰り、三者面談の事を伝える。すると、帰ってくる答えは「もちろん」だった。
セレスはその答えに安堵していると、アリシアが遠慮気味に紙を見せて来た。
「お父様、中等部の方でも三者面談があるんですけれど、来てくださいますか?」
「そうか、中等部もか。うん、もちろん出るよ」
「ありがとうございます!」
パァっと笑顔を浮かべるアリシアを撫でていると、おずおずとセレスが聞いてきた。
「私達が行っても良いんですか?その、年齢的に……」
「別に身分証で確認する訳ではないからスーツとかでいけば問題ないだろ」
「それでも流石にバレると思いますよ?」
「そうか……じゃあ、幻惑魔術で大人の姿の俺を映すっていうのは?」
「それなら問題ないかと」
「ありがとう、それじゃあそれでいこう」
「間違いを正すのも妻の役目ですから」
「いつもありがとうな」
しっかりと日程を確認して紙に書き込む。
「よし、それじゃあこれで先生に出してくれ」
「はい、お父様」
事務的なやり取りはここまでにして、俺たちは団欒の時を過ごす。
高校を卒業したらこんな風にこそこそしなくて済むのだろうか。
そんなことを頭の片隅で考えながら過ごすのだった。