軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

火光

「えっと、月光なら5時間を30個です。日光なら1つか2つを長くて3時間。ですが、日光でもこれと同じくらいの明るさだと1つ30分持つか持たないかだと思います」

短っ。

そうか、この明るさなら30分。となると、徹底的に掃除するためには確かにあらかじめ窓ふき係とか壁係とか人を集めて決めておかないと一部屋の掃除さえ中途半端に終わっちゃいそうだ。

いや、待てよ?LEDにすると、長持ちするよね?

そもそも、月光とか日光ってなんだ?

「ねぇ、サラちゃん、月光魔法見せてもらえる?時間は短くていいわ」

「はい。【月光】」

薄明るい光。廊下の明かりと同じ。

「えーっと、これは何の光なのかな?」

LEDってことはない……っていうか、蛍光灯でも電球でもないんじゃない?この世界にはないんだから。ってことは……あれ?もしかして……」

「え?あの、月光なので、月の光ですけど……」

オーマイガー!そういうことかぁ!

光といえば、太陽の光とか月の光とかなのかぁ!

そういう話、そういう話か!

「ねぇ、じゃあ、例えば、暖炉の明かりとかできる?」

「え?暖炉は火ですから、火魔法ですから……」

「いや、火じゃなくて、火に照らされて部屋とか明るくなるでしょ?あの明るいところを再現できない?」

難しいこと言ってるかな。なんていえばいいんだろう。

もともと光って、光は光の粒子の集まりなんだよ。そして、波長……波の大きさで目に見える可視光線と目に見えないのがあって。

私もよくわからないけど、レントゲンも光。目に見えない光を使って撮影してるらしいし。……光の粒子……光子だっけ。電子レンジも実は電子じゃなくて光子を使ってるらしい。そう考えると、光魔法が電波なら、放送とかできたりするんじゃない?いや、無理か。送信も受信もどうやるのかさっぱりわからない。

「やってみます」

サラがそう言って集中し始めた。

「えーっと【火】……【火の光】、【燃える炎の光】……」

言葉を変えて頑張っているけれど、どうやら難しいようだ。

「サラ、もしかして火をイメージしているんじゃない?」

1番初めに口にしたのは【火】だ。

火の光を現す言葉といえば、火光。かこうがある。この文字をかぎろいと呼んでしまうととたんに朝日の光になる。他には、火影。火でできた影の意味もあるけれど火の光の意味もある。でも、それよりも……キャラクターの顔が思い浮かんでしまう単語なので……。

「【火光】」

暖炉の明かりというよりも、誕生日ケーキの蝋燭をイメージして呪文を唱えた。いや、もともと火光って暖炉の火の明かりって意味が強いみたいだけど、暖炉は身近にないからさぁ。

「あ!」

サラが声を上げた。

ぽわっとオレンジっぽい光の玉が出来上がった。あれだ。提灯照らす火の色って感じだ。

「光……火じゃない……」

サラがそっとオレンジの光の玉に手を伸ばす。

「熱くない……」

そりゃ、火じゃないからねぇ。

「暖炉の火は忘れます」

サラはこの部屋にもある暖炉に背を向けて目を閉じた。

火を水に部屋の中を眺めるイメージをしているのだろうか。

「【火光】」

サラちゃんが目を開き、呪文を唱える。