軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

サイズ感

パリッ、パリッ、パリッと、ウインナーに歯を立てるいい音が響く。

あれ?もしかして、食べるのに躊躇してたのって、腸を使ってたほうなの?

腸詰め……ウインナーって普通にあったけど、ここでは内臓捨ててたんだっけ。それを洗ってもらった時にホルモンとは違う薄い皮みたいなやつ……本当は発酵させて余分な層を除去してから使うらしいけど……魔物だからなのか薄いやつがあって直接使えちゃってラッキーだね。体内で発酵してるのかな?魔物って……?それとも死んだときに食べやすいように素材になってる?なら臭みもなくなるはずだよね?まぁ、いっか。気にしない。

「これは、今まで食べたことのない……おいしさ」

「ワーウルフがこれほどおいしく食べられるなんて!」

「作るのに手間はかかりますが、一度にたくさん作るのであればそれほどでもない」

なんか、すごく幸せそうな顔をしている。

「よし、騎士団への差し入れ、気合を入れて作るぞ!これならワーウルフの肉でも文句は言わせない!」

料理長が大きな声を出した。

料理人たちがそれぞれの持ち場に戻り、そっそくワーウルフソーセージの大量生産に取り掛かる。

……えーっと。

もう一つ食べていいかな?誰も見てないし、いいよね。

ちょいとソーセージにフォークをさして一つ口に運ぶ。

パリッ。おう、肉汁が飛び出す。

うーん、お酒が飲みたくなる味。

……筋張った硬い肉が逆にソーセージのアクセントになっててこりこりした感じとかがまたたまらないかも。

なんていうか、歯ごたえとかあるのも逆にいい。

これを食べたら王都の人間も魔物肉うまいって思うんじゃない?

って、だめだめ。広めない広めない。そもそも生肉よりは腐りにくいとはいえ、干し肉よりは腐りやすい。王都まで運べないよね。

……ん?干し肉?

ソーセージを干すと……ドライソーセージ、カルパス、サラミ……。

より、旨味が増すやつ!

「余ったら、干し肉みたいにこれを干しますっ!保存食になりますっ!」

と、料理長に主張する。料理長がうんと頷いて、作れるだけソーセージを作れと指示を出した。

「ワーウルフの処理の手が足りません」

「ギルドに依頼を出せ、今、街でもスタンピードに備えて保存用に干し肉を作っているはずだ。余裕がある者にはこれを……あ」

料理長が私の顔を見た。

「レシピなら自由に使って。広めて。冬の間やスタンピードで避難生活する間の食糧にするのよね?少しでもおいしいものが食べられたほうがいいでしょう?」

私はまだこの領地での冬を過ごしていない。

建物の中にこもって暖炉の火で簡単に調理して保存食を消費していくのだろうか。

「ありがとうございます、リリアリス様」

料理長が深くお辞儀をした。

「「ありがとうございますっ」」

続いて、料理人たちも同じように頭を下げた。

「い、いえ、こちらこそ、いつもおいしい料理をありがとう!」

私、大した事してないよ?ソーセージ、いやウインナー、えっと……太さで呼び方変わるんだっけかな。羊の腸をつかうか豚の腸を使うかで変わるんだっけかな?ワーウルフの腸をつかったこれは、どっち?腸詰めと呼べば間違いはないけど。……ウインナーソーセージって呼ぶか?

と、ぐるぐると考えている間に、料理人たちがてきぱきと仕事を再開し始めた。

フランクフルトと言う単語が浮かんだけれど、気が付かなかったことにしよう。うん。ややこしやーややこしやー。