軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

UV

本当は紫色なんてしてないらしいんだけど、青っぽい光が見えたほうがそれらしいので、トイレで手を乾かす機械の光をイメージする。

できるだけ部屋の隅から隅まで殺菌できるように青い光がまんべんなく部屋に届くように。ベッドの下や机の引き出し、チェストの裏側、あちこちにも。

「【紫外線】【紫外線】【紫外線】【紫外線】」

魔力の量の調整はよくわからなかったので、LEDと同じような感じで唱える。……ってことは、まぁ数時間から半日くらいはもつかな?

いやでも、殺菌灯って確か紫外線の中でも強力らしいから、イメージしたの殺菌灯だし、もう少し短時間?

……ん?

強力な紫外線……?

「マーサ!すぐに部屋から出ましょう!この光は危険ですっ!早くっ!光が消えるまで入室禁止ですっ!」

「え?あの、リリアリス様?」

慌てて近くの扉を開いて退避。

「あの青っぽい光は一体……?危険とは?」

ふっと笑って見せる。

「日焼けするのよ」

日焼け止めクリームもないのに、強い紫外線を浴びるなんて自殺行為よね。

「日焼け、ですか……?」

ほっとマーサが息を吐き出す。

え?なんでほっとするの?日焼けだよ、日焼け!

「あ、申し訳ありませんリリアリス様。そうですよね、貴族の女性は白い肌を保つのは大切なことですね。知ってはいるのですが、日焼けでしたら命に係わることもないとつい……」

うっ。

胸に突き刺さる。

ここでは、危険イコール魔獣イコール命にかかわることが日常だった。

日焼けぐらいで危険とか、そりゃ大げさだと思われるよね。本当私って、まだまだ全然危機感がない……。

「あ、マーサ、危険なのは本当。日焼けだけではすまないから。えっと殺菌灯……の紫外線は強くて光を直接見ると失明したりするとか……皮膚に炎症が起きたり強い痛みを感じたりとか……」

「え?リリアリス様、大丈夫ですか?」

「あー、うん、近距離で直接光源を長時間見たわけじゃないから……大丈夫だと思う」

「そうですか……」

ほっと息を吐き出すマーサ。

「……まぁ、あれが本当に殺菌灯の紫外線を発する光だったらだけど……。紫外線にも種類がある。太陽光の紫外線の90パーセントくらいは紫外線Aで、10%くらいが紫外線Bらしい。殺菌灯は紫外線Cで地球上にはあまり届かない波長の光だとか……」

「はい?えっと、申し訳ありません、その、よくわからないのですが……?」

しまった、声に出てたわ。

やばい、まずい、えっと、わけのわからないことを言うって思われてるよね。あーっと、えーっと。

「わ、私もよくわからないのよねぇ」

えへっと首をかしげて見せる。

「あの光が本当に殺菌作用があるのかも、えっと、バナナがあれば実験で確かめられるんだけど」

「バナナとは?」

あーん。またわけのわからないこと言い出した人になってる。そうだよね。南国フルーツのバナナがあるわけないよね。

「黄色くて、これくらいの大きさでこんな形の果物?本に、そう、本に書いてあったの」

この世界のどこかにはあるかもしれないけど、あっても原種に近いアケビみたいに種だらけのものかな?だったら食卓で見ることもないよねぇ。

「果物ですか?」

「と、とにかく、避難所を整える続きをしましょう。【LED】」

光をともすと、公爵夫人用の部屋よりも少し広い部屋だと分かる。大きな机が廊下側に。ベッドやソファは奥にあった。