軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第475話 全部で十人いるわ

「あら、村長さん、こんにちは。あたくしのこと、覚えているかしら? 和平会談のときに会ったのだけれど……」

「もちろん覚えてますよ。えっと、確か、ジャンネーラさんでしたよね。遊びにいらっしゃってたんですね」

見上げるほど背の高い女性の魔族に挨拶され、僕は彼女の名前を頑張って思い出す。

名前はともかく、見た目からしてインパクトのある魔族なので、一度見ただけでも忘れるはずがなかった。

なにせ身長が三メートルを超えているのだ。

なんと、あのモリルモアさんをも凌駕している。

彼女はジャイアル族の族長だった。

ジャイアル族自体、平均身長が二メートルを超えているそうなのだけれど、彼女はその中でも飛び抜けて長身だ。

しかも彼女は横にも大きい。

骨太なダイモン族と違い、ジャイアル族は細身の人が多いはずなのに……。

そんな彼女は、五人のジャイアル族を連れていた。

みんな幼い顔立ちをしているので、ジャイアル族の子供かもしれない。

「そうなの。遊園地っていう、楽しい遊び場ができたって聞いたから、子供たちを連れてきてみたのよ」

どうやら彼女の子供のようだ。

「五人もいらっしゃるんですね」

「全部で十人いるわ」

「十人!? それは……頑張りましたね」

連れてきたのは下の子たちらしい。

「え? 下の子たち……?」

「紹介するわね。この子はジャンジャ。今年で十一歳よ」

「十一歳……」

男の子で、身長は多分、すでに二メートルくらいある。

さすがはジャイアル族だ。

「この子はジャンジュラ。九歳よ」

「きゅ、九歳……」

女の子だけど、190近い身長だ。

「そしてジャンジョー。六歳ね」

「ろ、六歳……」

男の子だ。170センチくらいあるだろうか。

「ジャジャンレ。五歳」

「五歳……」

彼も男の子。160センチほどで、僕よりも背が高い。

「ジャルジャル。三歳」

「三歳……」

一番下の子も男の子。ようやく僕よりも背が低かった。

もちろん三歳児に勝てたところで、何も嬉しくはない。

そういえば、初めてジャンネーラさんに会ったとき、

「あら、かわいい子ね。今いくつ?」

「じゅ、十五歳です」

「え? 十五歳!? 五歳の間違いじゃなくて?」

「五さっ……」

というやり取りをしたんだった。

自分の五歳の子供の身長を考えると、僕を五歳児と間違うのも仕方がないよね……うん……。

「ぼく、ジャジャンレだよ。なかよく、してね」

そして当の五歳児も、どうやら僕のことを同じくらいの年齢と勘違いしたらしい。

ジャンネーラさんが苦笑して諭す。

「違うわよ、ジャジャンレ。その人はあなたより、ずっとお兄さんなんだから」

「そうなの、ママ?」

「ええ。さっきも話したわよね? あたくしたちジャイアル族は、とても背の高い種族なのよ」

五人の中での最年長、十一歳のジャンジャが嬉しそうに言った。

「じゃあ、ぼくと同じ年くらいかな!」

「兄ちゃん、さすがにそれはないでしょ。あたしと同じくらいじゃないかなー?」

九歳のジャンジュラが小バカにしたように笑う。

僕は恐る恐る告げた。

「えっと……十五歳なんだ。こう見えて」

「「「十五歳!?」」」

そろって目を丸くされる。

「お兄ちゃんだった……」

「人間って、小さいんだね……」

「でもさっき会った人間のおじさんは、もっと大きかったよね?」

どうせ僕は人間の中でも小さいよ……。

どこかに背の低い魔族とかいないかな!?

一度でいいから、街を歩いていたら自分より小さい人ばかりだった、なんて状況を体験してみたいよ!

ちなみにジャンネーラさんの子供ということもあって、全員ジャイアル族の同年代と比べても背が高い方らしい。

「そこまで大きな差はないけれどね。あたくしは大人になってからも伸び続けたタイプだから、この子たちもそうなるかもしれないわ」

大人になっても背が伸びるタイプ!

僕がめちゃくちゃ憧れるやつだ!

「一人三センチずつでいいから分けてくれないかな……」

そんなジャイアル族は、当然ながら普通の人を想定して作った施設を利用するのは難しい。

なので彼ら専用に、ホテルやマンションの一室をカスタマイズしていく必要があるだろう。

「遊園地も、アトラクションによっては乗ることができないものがあるかもしれないです。子供たちだけなら大丈夫だと思いますけど……」

「あたくしはいいわよ。この身体だしね」

……縦にも横にも規格外なジャンネーラさんだと、もはや彼女専用のものを作らないとダメな気がする。