軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第437話 ということはまだ十歳

ビューティーコンテストの予選は、オフィスビルにある会議室で行われた。

辞退者もいたので、最終的な参加者は百五十名ほどになった。

審査員は僕を含めた十名。

参加者が十名ずつ会議室に入ってきて、簡単な自己紹介と自己アピールを行い、それを採点していく。

審査員の顔ぶれはかなり多彩だった。

性別や年齢、出身、さらには種族に至るまで、かなりバラバラだ。

多様な美を許容したいというゴリちゃんの意向が反映された形だろう。

そんな中、なぜか僕が審査員長をやることになってしまった。

「審査員長と言っても、特別なことをする必要はないわぁん。他の審査員たちと同じように採点してもらえればいいだけよぉん」

「まぁそれなら……」

早速、予選審査が開始する。

百五十名の中から、点数の高かった上位十名だけが本選に進めるという。

出場者の方も、審査員に負けず劣らずの多彩な顔ぶれだった。

もちろん若い女性が一番多いけれど、男性もいれば老人もいる。

すらりとした細身の人もいれば、筋骨隆々のマッチョも参加していた。

基準も前例も何もないので、みんなアピールすることも本当にバラバラだ。

服装もドレスだったり水着だったり普段着だったり、統一感がまるでない。

「うーん、採点基準もないから難しいなぁ……」

みんな違ってみんな良い。

と言いつつ、点数をつけて最終的には一番を決めるという矛盾した行為に、頭を悩ませる審査員たち。

「そんなに難しく考えなくていいわぁん! 直観的に美しいと思った人に高得点を入れればいいわぁん!」

「直観的に……」

ゴリちゃんに言われて、あまり深く考えずに採点していくことに。

自分的には割と一般的な美的感覚だと思うので、普通に若くて容姿の整った女性に高い点数を入れていると、見知った顔が。

「エントリーナンバー十六番、ミリアと申します。ルーク様のメイド兼神官長をしております。よろしくお願いいたします」

「……ミリア?」

自薦か他薦かは分からないけれど、どうやら彼女も出場していたらしい。

いつになく奇麗に着飾ったミリアは、明らかに僕に向かって積極的なアピールをしてきたけれど、審査員として出場者を贔屓したと思われては困るのでスルーし、とりあえず無難に採点しておく。

「エントリーナンバー二十六番、セレンよ。狩猟チームのリーダーをしてるわ」

「って、セレンまで」

今度はセレンだ。

自己アピールとして剣舞を披露するセレン。

その後もよく知っている顔が続々と登場した。

まぁ、村で開催しているコンテストなのだからおかしくはないけど……。

「エントリーナンバー三十二番、チョレギュだ! このコンテストで優勝して自分を盛大にアピールし、今度こそ良い男を捕まえてみせるぜ!」

相変わらず婚活中のアマゾネス、チョレギュさんはやる気満々だ。

「エントリーナンバー四十五番、アカネでござる! 拙者は東方の伝統着、着物で勝負するでござるよ!」

アカネさんはかなりダイエットを頑張ったみたいだけど、まだ少しぽっちゃりした状態での出場だった。

ただ、身に着けている衣装はとても艶やかで、審査員たちが思わず感嘆の声を漏らす。

「エントリーナンバー六十八番、フィリアだ。弓の腕には自信がある」

結婚した今でも男性たちに大人気のフィリアさんもエントリーしていたらしい。

エルフは美形が多く、彼女以外にも何人か出場していた。

ちなみにドワーフの出場はゼロだ。

彼らは人見知りで、普段はダンジョン内に住んでいるほどだからね。

「エントリーナンバー八十一番、ガンザス! もう良い年だが、筋肉には自信がある! よろしく頼むぞ、はっはっは!」

半裸姿でポージングをし、筋肉をアピールしたのはマリベル女王に仕えるエンバラ兵のガンザスさんだ。

主催がゴリちゃんということもあってか、彼の他にも筋肉自慢が多く出場していた。

男性の出場者の七、八割くらいが筋肉アピール系だ。

この村、マッチョが多いからね……。

そんな中、とある出場者が会場に入ってくるや、審査員たちが息を呑んだ。

「エントリーナンバー百七番、ノニエです。よろしくお願いします」

まだあどけなさの残る女の子だ。

だけど凄く背が高くて、百七十センチを軽く超えているだろう。

こんな子、村にいたかなと思っていると、

「もうすぐ十一歳になります」

「「「ということはまだ十歳!?」」」

審査員全員がそろって驚愕した。

とてもではないけど、十歳には見えない。

身長はもちろん、目鼻立ちがくっきりしているせいか、すごく大人びた印象で、もうすぐ十五歳になる僕より年上かと思ったくらいだ。

「尊敬している人はノエルお兄ちゃんです。私もお兄ちゃんのように強い大人になりたいと思っています」

ノエルお兄ちゃん……?

まさか、ノエルくんの妹!?

そういえばノエルくんには妹がいるんだった。

この村に来た当時は確かまだ八歳とかで、僕よりも背が低かったというのに、この三年足らずで追い越すどころか、完全に僕を見下ろすまでに大きくなったらしい。

身長二メートルを超えてるノエルくんの妹さんだからね……伸びるのは当然だよね……。

……うん、羨まし過ぎる。