軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第419話 意外としっかりした解説だ

二次予選の段階からすでに予選会場がいっぱいになるくらい盛り上がっていたけれど、本戦はそれ以上だった。

会場となる村の闘技場は満員。

八万人もの収容人数を誇るというのに、抽選販売を行ったチケットはなんと十倍の当選率となった。

「セルティア王国の人口が二百万人くらいなのに……」

王家が大々的に宣伝していたというのもあるだろう。

ただ今回、チケットに落選し、闘技場に入ることができなかった人たちであっても、武闘会を見ることができるようにした。

施設カスタマイズを使って、巨大スクリーンを闘技場の外壁にも設置したのである。

闘技場の周辺は、闘技場の何倍もの広さがある広場にしておいた。

ここは大会期間中、無料で開放してあるため、誰でも好きなときに観戦が可能だ。

「さあそれではいよいよ、待ちに待った大会本戦のスタートだああああっ! 実況はこの私、『お喋り野郎』のギフトを持つアンドレアが務めさせていただきますっ! まさかこのギフトが役に立つときが来るなんて、思ってもみませんでした……っ! なお解説は、今大会、あえなく一次予選で敗退となってしまったディル氏です!」

「……よろしく……」

「ボソボソと非常に聞き取り辛い声です! なぜこの方が解説者に抜擢されたのでしょうか!? 新婚なので、ご祝儀的な意味合いでしょうか!?」

「それはむしろ……俺が……知りたい……だが新婚は……無関係だ……」

「なお、闘技場の外にも大勢の観客が集まっており、運営の集計によると、その数なんと二十万人を超えるということです! それだけの一大イベント! その実況を任された私、人生のピーク間違いなし!」

闘技場内には、王国の有力諸侯たちはもちろんのこと、他国の要人たちの姿も少なくなかった。

そんな中、主催者であるセレスティア王国国王が開会を宣言する。

「堅苦しい挨拶は抜きにしよう! なにせ余も、一刻も早く試合が見たい! そう思えるだけの素晴らしい戦士たちが、さらにその頂点を決めるべく、この場に集まっておるのだ! もはや余の言葉など無粋! さあ、今すぐ試合を始めるのだっ!」

「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!!」」」

会場中の観客たちが、王様の熱の籠った叫びに呼応し、拳を突き上げて雄叫びを轟かせる。

その熱狂が冷めやらぬうちに、リングの上に早速、二人の戦士たちが登場した。

大注目の第一試合は、いきなり村の住人同士の対戦カードとなった。

「一人目は怪力無双のドワーフ戦士っ、バンバ氏っ!! その巨大な剣を振り回し、強敵たちを文字通り薙ぎ払って本戦まで勝ち進んできました……っ! 対するは、Aランクパーティを率いるベテラン冒険者、アレク氏……っ! ベテランらしい危なげない戦いで勝ち上がってきた彼もまた、大剣使いっ! なんと超重量武器同士の戦いだあああああああっ!!」

バンバさんは『剛剣士』のギフト持ちで、アレクさんは『大剣士』のギフト持ち。

似たようなタイプ同士の戦いになった。

巨大な剣と剣がぶつかり合う戦いは、本戦の開幕に相応しい迫力で、会場の熱狂がさらにヒートアップ。

「解説のディル氏、この戦い、どう予想されますでしょうか?」

「……両者、同じようなタイプに見えるかもしれない……だが、バンバはよりパワーに特化しているのに対し……アレクは、パワーでこそ劣るものの……技に優れている……勝負の行方は……いかに、自分の有利を活かせるかに、かかっているだろう……」

「い、意外としっかりした解説だああああああっ!?」

ディルさんの解説の通り、腕力では『剛剣士』のバンバさんが上回っていて、最初はアレクさんが苦戦を強いられる形になった。

ただ、そこからベテラン冒険者らしく、技と駆け引きで持ち直したアレクさんが、最終的には勝利をもぎ取った。

「第一試合、勝ったのはアレク氏だあああああああああっ! それにしても両者、素晴らしい戦いを見せてくれました!」