軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第390話 身体が熱くなってきちゃうわぁん

新しく高速鉄道を作れるようになったので、今ある鉄道の一部をこれに変えることにした。

一から高速鉄道を作成すると、一定距離ごとに200ポイントが必要だけど、元ある鉄道を施設グレードアップで高速鉄道に変えれば、50ポイント分ずつ節約が可能だ。

一時的に鉄道を運行休止させ、影武者を総動員しながら一気に作業を進めていく。

基本的に、国境越えがあるような長距離路線はすべて高速鉄道に。

一方、国内のみのローカル線などは、鉄道のまま残すことにした。

「最近はかなり列車が混んでたし、新幹線車両もたくさん作ろう」

「なにこれ!? すごくカッコいいじゃない!」

新幹線車両を始めて見たセレンが、興奮したように叫ぶ。

「美しさすら感じられますね。これが新幹線ですか」

ミリアもまた感嘆している。

高速鉄道が完成し、まずは村の中心メンバーたちにお披露目しようと、みんなを村の地下にある駅に集めていた。

「見事な流線型だ。空気抵抗を最小限に抑えているのだろう」

「ああん、このカタチ、見ているだけでなんだか身体が熱くなってきちゃうわぁん♡」

フィリアさんが感心したように頷き、ゴリちゃんは腰をくねらせている。

……ゴリちゃんはナニを想像しているんだろう。

「はっはっは、ルーク殿。冗談はやめるでござるよ。こんな巨大な塊が動くはずなかろう」

「あれ? もしかしてアカネさん、新幹線の前に、列車にすら乗ったことない?」

「む?」

どうやらアカネさんは周回遅れの状態だったようだ。

そういえば、一人だけ山脈を越えてこの村に来たんだったっけ。

途中でドーラに拾われてきた形だけど。

「でも村で暮らしてるのに、鉄道のことも知らなかったの? 今はエドウ国と村が鉄道で繋がってるから、二時間くらいで来れちゃうんだよ」

「なっ!? 道理でエドウのサムライがやたら村にいるわけでござる!」

「どうやって来てると思ってたのさ……。ほら、弟のゴンくんも鉄道を使って村に来たんだよ」

「た、確かに、変だとは思っていたでござる……」

……アカネさん、馬鹿なのかな。

知ってたけど。

ともかく、全員で新幹線に乗ってみる。

「座席がすべて前を向いてるのね」

「うん。長時間の移動が前提になってるから、座席も大きくてゆったりと座れるんだ」

みんなが思い思いの席に座ったところで、新幹線がゆっくりと走り出す。

「え? ルーク様、これ、ちゃんと走っていますか?」

「うん、走ってるよ。新幹線は振動が少なくて静かだから、乗っていると分からなくなっちゃうよね」

しかも地下を走っているので、外はずっと真っ暗だ。

動いている実感がないのも無理はない。

「でもこの先でいったん外に出るよ。ほら」

ビュンッ!!

「「「速すぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!?」」」

地下から地上に飛び出し、外の景色が見えるようになった瞬間、みんなが一斉に叫んだ。

「村があっという間に遠ざかっていくわ!」

「鳥を軽々と追い抜いている!」

「拙者の斬撃より速くないでござるかっ!?」

ビュンッ!!

そしてあっという間にまた地下に潜ってしまった。

新幹線が走る高速鉄道の路線は、全部で五つとなった。

一つは村を出発して東に進み、山脈の地下を通ってエドウの王都を通過し、キョウの王都まで続く路線。

一つは村を出発して南下し、ルブル砂漠のエンバラ王国のあるオアシスを通過し、オオサクの王都まで続く路線。

一つは村を出発して西に進み、アテリ王国、スペル王国、ボアン王国、メトーレ王国と、地中海の北側を通っていく路線。

一つは村を出発してひたすら西進し、ローダ王国の王都に繋がる路線。

そして最後に、村を出発して南のバルステ王国の王都を経て海峡を越え、地中海南の国々に繋がる路線。

実はチュニア王国など、以前帝国に支配されていた国々とも鉄道を繋ぐことになったのである。

基本的に停車駅は最低限しか設けていない。

もちろん各地の拠点となる駅からは、通常の鉄道路線が幾つも出ている。

これによって、以前は十時間くらいかかっていたローダ王国との行き来が、半分以下となる四時間程度にまで短縮されたのだった。