軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

防御特化と水中神殿4。

「ふぅ……お疲れ様」

「お疲れサリー!もー、【身捧ぐ慈愛】の中で戦っても大丈夫だったのに」

「まあね。でも回避はいつもしてないと鈍るし、それに結構距離とってくるタイプだったから」

水中での活動時間に制限もあるため、早めに倒せるに越したことはない。

「皆速いから水の中だと追いつくの大変だよー」

「本当に危なそうな時は駆け込むからさ」

「うん!準備して待ってるね」

「助かる。で、何かあるかな?鱗はすごい光ってるけど……」

ボスの死に際の光を受けて、残された鱗は綺麗に白く輝いており、薄暗かった水中もかなり見通しが良くなっていた。

二人が辺りをキョロキョロと見渡し持ち帰れそうな物を探すと、少し違った形で積み重なった白い鱗を見つける。

「これは持って帰れそうじゃない?」

「本当だ!すごい!おっきいね」

「ボスがあのサイズだったからね」

「あの時もこの大きさならもっとすぐ盾も作れたのに」

「ああ、前に鱗集めしたね。メイプルはなかなか釣れてないみたいだったけど」

「潜れなかったし釣るしかなかったんだけど……でも、今回はこれのお陰でサリーについてこれたよ!」

メイプルはそうして身体を包むがっしりとした潜水服を指差して見せる。

「……ふふ、潜水服様様だね。私も水の中にメイプルが来れるようになるとは思わなかったから。必要ならメイプルが使ってよ。イズさんに見せたら白い方の装備を強化できるかも」

「いいの?」

「私は新しいのを手に入れたところだからさ」

サリーの装備はユニークシリーズばかりなため、強化とは縁遠いのだ。それならとメイプルは落ちている鱗をインベントリにしまっていく。そうして光る鱗をどかしていくと、その下で何か別の物が光っていることに気がついた。

「何かある?」

「みたいだね。全部どかして確かめてみよう」

二人が全ての鱗をインベントリにしまうと光っていた物の正体が明らかになる。

それは光の塊だった。特に実体があるわけでもなく触れると手はすり抜けていってしまうが、どうやらアイテムらしく、インベントリにしまうことはできるようだった。

「何だろうこれ?」

「レアアイテムかな?一つしかないみたいだし……」

「そうかも!じゃあサリー!」

「え、私?私はいいよ、メイプルがもらって?」

「むぅ……私ばっかりもらってたら悪いよー。鱗も貰っちゃったし」

これもメイプルのものとなると、サリーがこの戦闘で手に入れたのは少しばかりの経験値のみとなる。それでは釣り合っていないのではないかという訳だ。

「……本当に私は何も貰わなくてもいいんだけどね。んー、じゃあさどんなアイテムなのかまず確認してみようよ。万一装備品とかなら考えるかも」

「分かった!じゃあ確認してみるね」

メイプルは光の塊をインベントリへと仕舞い込むと、それが一体何なのかを確認する。

「えっと……『天よりの光』だって。こんなに水の中なのに変な感じ」

「……なるほどね?説明分には何かある?」

「えーっと……以前の空の光とかなんとか。見てみる?」

「うん」

サリーもそれを見てみると、フレーバーテキストに位置するものが少し書かれているものの、装備品であったり、直接クエストに繋がったりはしないようである。

「メイプル前聞いたけど、他にも変なアイテム持ってたよね?」

「えっと……あっ、ロストレガシーのこと?」

「それ。どっちもどこかで使い道があるかも。隠しボス倒して、しかもレアドロップっぽいから」

「ふんふん、なるほど」

「八層に何かあるかも。今度はそれを探してみるのもいいかもね」

「うんうん」

「ほら、じゃあ帰りの魔法陣も出てるし戻ろう?あんまりここにいると溺れちゃうし」

「あっ!そ、そっか!急ごう急ごう!」

サリーの先導でメイプルは魔法陣に乗って水中神殿から脱出する。

そうして水面へと浮上していく途中、メイプルは何か忘れているような感じがして少し首を傾げたのち。

「あーっ!!さっきのレアアイテム!サリー!」

「あ、バレた?ま、そのまま持っててよ」

「もー……」

上手くはぐらかされてそのままインベントリに入ってしまっている『天よりの光』を見てメイプルは少し頬を膨らませる。

「ごめんごめん。ならさ、それを使う場所一緒に探さない?って言ってもメイプルみたいに勘が良かったり運が良かったりしないから役に立たないかもだけど」

「そんなことないよ!それに、もちろんそれはいいけど……それだとやっぱり」

サリーに手伝ってもらうばかりになってしまう。そう言おうとした所でサリーは少し落ち着いた様子で自分のメリットについて話し出した。

「ほら、メイプルさ色々スキル見つけてくるでしょ?」

「うん!たまたまだけどね」

「だから一緒にその現場に行けばスキル探しの参考になるなと思って。それはかなり大きいよ?このゲームのスキル強いの多いしさ。あとは、私がスキルを手に入れてもメイプルはそれを使えないけど、今なら逆はできるしね」

今のサリーには【虚実反転】がある。だから自分よりメイプルがスキルを手に入れる方が、総合的な戦力増加になるという訳だ。水中神殿の中でも有効に使われていたため、メイプルにもサリーの言い分は理解できる。

「確かに……それはそうかも。むぅ、上手く言いくるめられた気がするー」

「あはは、そう?本当に気にしないでいいよ。私はこれでいいし……満足してるし。でも、あんまり気になるなら今度は貰おうかな?」

「うん!そうして!」

「はいはい、そうさせてもらいます」

今度は二つのアイテムの使い道探しだと、二人は一旦ギルドホームへ戻っていくのだった。