軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

防御特化と八層5。

それから数日。イズの見立て通り、サリーの分のパーツは集まって、一段階深くまで潜っても制限なく活動できるようになった。計画していたようにサリーの潜水服を強化すると、早速ギルドホームの一角へと向かう。

「じゃあちょっと見てきます。一応、町の中なのでモンスターは出ないと思いますけど」

それでも今までになかった仕様なため、警戒しておくに越したことはない。

サリーは一つ深呼吸をすると、水中へ続く階段を下りていく。そこはパーツ集めの時に探索したのと同じような見た目の部屋になっており、複数の部屋につながっているようだった。

サリーが片手にダガーを持ちつつ、安全を確認しながら進むと、そのうちの一部屋に石でできた棚と、そこに並べられた板があった。

「本……だと水中に置けないから石版ってことかな?」

石板にもより古いものから、比較的新しいものまであり、そこには水面が上昇し始めたことや、どこから水が噴き出したかなど、この層の成り立ちが書き連ねられていた。

「この噴き出した場所がダンジョンになってたりしそうだね。こっちは……記号?」

記号の羅列になっているだけの石板などもいくつかあり、サリーには現状その意図が汲み取れない。ただ、こうして部屋を見ていくうちいくつか見つかったかつての情報から何かがありそうな場所にあたりをつけることはできた。

「とりあえずこんな感じかな?もっと深くは……今はいけないか」

いくつか階段を下りたところで再び侵入制限で止められてしまい、サリーは引き返すことにする。ギルドの下は段階に合わせてヒントが得られる場所のようだった。八層は今までと違い闇雲に探索するのは難しいため、ヒントが用意されていたと言うわけである。

町の中なだけあってモンスターはおらず、サリーはそのまま無事地上へと戻ってくることができた。

「どうだったサリー?」

「本の替わりに、石板があっていくつかダンジョンの場所のヒントっぽいのがあったかな。記号が並んでるだけで読めないのもあったけど、もしかしたら地図か何かだったのかも」

「なるほど。そのヒントを生かしてピンポイントで潜れということか」

「深い場所にあるダンジョンはまっすぐ行かないともたないだろうしなあ」

「ということで、メイプル達にも共有はしとくね」

サリーは撮っておいた写真を七人に送ると、今後の自分の方針を伝える。

「私の読みが当たっていれば一段階深くなったところにダンジョンか、レアアイテムにつながるイベントがあると思うので、パーツを集めつつちょっと様子を見てきます」

「分かった!気をつけてねサリー」

「うん、危なそうならすぐ撤退するよ。水中戦は難しいしね」

少し待てばギルドメンバーと共に探索できるようにもなる。もし危険そうなら、八人全員で向かうのがベストだ。そうすれば並のボスなら手も足も出ないだろう。

「集められるパーツの量が増えてることを期待しておくわ」

「そうなったら次の強化はイズだな。その方が結果的に早くなるだろ」

サリーが護衛につけるため、二番手なら問題ない。そして、探索の本番は潜水服を強化しきってからになるだろう。かつての地上まで到達するにはまだまだ時間がかかるのだ。

「パーツ集めもするけど、町の方も散策しておくよ。水中にばかり目が向きがちだしね。もし何か見つかったら皆を呼ぶよ。僕一人じゃ戦闘は心もとないしね」

「そうか?魔導書使えば結構……」

「ふふ、それはまだ貯めておきたいからさ。ま、何も見つからないかもしれないし期待しないで待っててよ」

カナデはそう言うが、何か単に散策するというだけでなく思うところがあるようだった。思慮深いカナデが無駄になってしまうと予想できる行動をするとは考えにくいというのもある。

そうして、ここからはそれぞれ基本的なパーツ集めはしつつ、レアアイテムやレアスキルの発見のため、順次より深い場所の探索を開始するのだった。