軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

防御特化と合流2。

「うーん……予定通りだけど……早く誰か来て欲しいなあ……」

メイプルは闇に溶け込んで遠目には影にしか見えないシロップの背に乗って、兵器によって空へと打ち上がっては爆発するのを定期的に繰り返していた。途中からただ爆発するだけというのも飽きてきて、本当に花火に見えるように、爆発に反応し、弾けて輝くアイテムなども使ったりしているが、皆が無事か不安でもあり落ち着かない。

「よし、もう一回!【攻撃開始】!」

メイプルはシロップの背から吹き飛んでさらに高くまで飛ぶと爆発で着火された爆弾が爆発するのに合わせて目を閉じて耳を塞ぐ。

そうしていたため、メイプルは横から飛んできた悪魔型モンスターに気付けずに空中でがっしり掴み掛かられる。

「うぇっ!?あ、駄目だよそこにいたら……!」

向こうから飛びついてきた直後、メイプルの体の爆弾が全て爆発し、モンスターの体が木っ端微塵に爆散する。

「わわわっ、ずれっ……シロップー!」

斜めに吹っ飛ぶこととなったメイプルは、シロップを移動させようとするが元々無茶苦茶な手段で宙に浮かせているだけのシロップでは素早く移動することができない。

このまま地面まで垂直落下は免れない。このまま落下するか、もう一度爆発して上手くシロップに飛び乗るチャレンジをするかと考えていると、突然真下に入ってきた柔らかいものにふわりと受け止められた。

「ん、うぅ?あれ?」

「大丈夫ですか……?」

「全く、いつ見ても驚かされる。妙なことをしているなメイプル」

メイプルが着地したのは巨大化したイグニスの背だったのだ。そしてそこにはイグニスの主であるミィと何故かマイがいた。

「ミィ!と……マイ?なんで一緒に?」

「【楓の木】を無理に蹴落とす気もないのでな。道中偶然見かけたからな、連れてきた」

「そうなんだ!ありがとう!」

「メイプルも気をつけるんだな。どうやら、マップが端から順に闇に飲まれているらしい。端に行くほどモンスターも強力になる。私のパーティーもやられたみたいだ」

「うん、分かった!気をつけるよ。うーん、ミィにはまた何かお礼しないとね」

「……それなら、見返りとして一つ頼みたいことがある」

「なになに?何でも大丈夫だよ!」

メイプルがそう言うとミィはインベントリからお札を取り出し、二人に見せる。

「これを持っていてくれ。何、このイベントが終わる頃には消えてなくなる」

「そんなことでいいの?えっと【印の札】……?」

効果文のないそれを見て不思議そうに首をかしげる二人だったが、ミィはそれ以上何も言わずにマイを降ろしてイグニスの背に乗ってばさりと空に舞い上がる。

「また会うこともあるだろう。それがメダルの奪い合いでなければいいと思っている」

「うん、またねー!ありがとう!」

「あ、ありがとうございます!」

ミィは二人に手を振ると、そのまま飛んでいってしまう。思わぬ方法でマイと出会うことができたため、これで早くも残りは六人となった。

「これでマイは守れるし、順調だね!マイとユイはHPも低いから早く合流できてよかった!」

「そうですね。助かりました……【炎帝ノ国】の人達は何かで連絡が取れているみたいでした」

「へぇー、いいなあー。それだったら私がばーんって飛んで合流できるのに!」

とりあえず全員が揃わないことにはと、メイプルはまた目印役に戻る。

一方マイをメイプルに預けたミィは、イグニスに乗ったまま空を飛んでいた。

「ふー、上手く連れていけてよかった。二人も喜んでたしね。さて、急がないと!」

ミィはインベントリからクリスタルを取り出すと、それを砕く。これはマルクスから渡されたもので、マルクスがスキルで生み出した【印の札】と対応しており、それを持っている人物の位置が可視化されるというものだった。

「げっ、パーティーメンバーが三人しか残ってない……これだとダンジョン攻略キツいかなあ……くー、強制転移は一気に脱落させにきてるよね」

とにかく近くの仲間で、位置を示すマーカーの移動が激しい、戦闘中と思われるものから順に合流しようとミィはイグニスを飛ばすのだった。