軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

防御特化と塔三階。

事態を把握したメイプルは慌てて飛び退いて、サリーの方へと戻ってくる。

「えっ?えっ?」

「そうだ!メイプル、スキル確認!」

わたわたとしているメイプルにサリーが呼びかけて、メイプルがスキルを確認すると全てのスキルが戻ってきていた。

「え、あ、あるよ!防御力も戻ってる!」

「え?う、うーん?駄目だ、一旦落ち着いて……」

サリーは自分に言い聞かせて、一つ深呼吸をすると小さく頷いて簡単なことだったと結論を述べる。

「固定ダメージを与える地形……かな。ダメージもそこまでだし。あー、火山マップの時点で考えるべきだった……」

「ダメージは20みたい。サリーは……避けないと駄目っぽい?」

「そうだね……かなり痛いかな。でもほら、見てメイプル」

サリーがそうして指差した先には、先程メイプルがダメージを受けた場所がある。

そこではひび割れた地面が、ほんの少し赤く輝いてから溶岩を噴出させていた。

分かりやすい予兆である。

「なるほどー……あれならちゃんと見てたら避けられるかも!」

「壁とかも警戒しておいた方がいいかもね。あとはどんなタイプのモンスターが出てくるかだね」

メイプルはそれを聞いていたが、何かを思い出したかのように、唐突に悲しそうな表情を浮かべた。

「ダメージ……受けちゃった……せっかくボスは何とかできたのに!」

「んー、じゃあ……地形はノーカウントで?ふふっ、ほら?明確に敵じゃないし」

サリーが少し笑いながらどこかずるいような提案をすると、メイプルは目を閉じてうーんうーんと葛藤を始めた。

「なら……ノーカウントで!モンスターからはノーダメージでここから頑張る!あ、地面もちゃんと見るよ!」

メイプルはそう言って黒の装備に変更し、やる気に満ちた表情を見せる。

「よし、じゃあ行こうか。とりあえず周りにはモンスターもいないみたいだし」

「見通しが良くていいよね!」

「警戒は任せて。見逃さないよ」

そうして二人は改めて三層へ一歩を踏み出した。

メイプルはいつも以上に地面を確認しているため、サリーはしっかりと周りを見渡すことにしたのである。

二人の前には三つの道があり、見た目はどれも変わらず岩の壁だった。

「メイプル、どうする?」

「……真ん中の道ならどこかで左と右も確認できそうだから、真ん中で!」

「ん、ならそれでいこう」

メイプルが盾を構える中、サリーは【カバー】の範囲内から周りを確認する。

そうして二人が足元からの溶岩を何度か避けつつ通路を進んでいくと、再び広い空間に出た。

「メイプル、ストップ。何かいる」

「うーん……あ、本当だ!壁から溶岩が流れてるから見にくい……一階でみた燃える鳥とはちょっと違う感じ」

メイプルが額に手を当てて目を細めて見る先には、煌めく溶岩をどろどろと滴らせながら飛ぶ一メートル程の鳥型モンスターがいた。

モンスターは壁から流れる溶岩から湧き出しているようで、直接根元を断つことは難しくなっている。

「鳥が落としてる溶岩も固定ダメージの可能性あるから当たらないようにして」

「分かった。その時はこうだね!」

メイプルが盾を頭の上に掲げて傘のようにする。

二人は話し合うと、一度戦闘をしてみることに決め、そしてタイミングを見て飛び出した。

「【氷柱】……んん!?」

空を飛ぶ鳥のさらに上を取ろうと、いつものように氷の柱を生み出したサリーはその足を止めた。

生み出した氷の柱は一瞬にして溶けていき、効果を失ったのである。

「氷は駄目か……なら水はどう!」

サリーは水魔法をモンスターに的確に命中させる。すると、モンスターの溶岩はみるみるうちに黒く固まり、飛べなくなった鳥はメイプルの目の前に落ちてきた。

「水に弱いんだね!って言っても……水は使えないけど【全武装展開】【攻撃開始】!」

地に落ちた鳥に突きつけられた銃口から次々に銃弾が放たれ、雑魚モンスターでしかない鳥は耐えることができずに消えていった。

「そのまま、上もっ!」

メイプルが上を向いて弾丸を撃ち出すが、それは空を飛ぶ鳥に当たってそのまま貫通して飛んでいった。

「あ、あれ?効いてない?」

「水系の攻撃が必要っぽい、落とすのは任せて!」

「うん、お願い!」

二人の前で一度地面に落ちてしまえばもう飛ぶことなどできはしない。

二階とはまた違ったタイプのモンスター、二人がその性質を理解するにはちょうどいいレベルの相手だったのである。