軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

防御特化と除霊。

メイプルはアイテムを買い足したところでその日はログアウトした。

そしてまた数日して、メイプルは霧の立ち込める山へとやってきたのである。

「よーしやるぞー!」

メイプルは山へと降りると、赤い霊を探し始める。

「あ、いたいた」

メイプルは霊の方へと向かっていき、霊に気づいてもらうと今回もまた玉座を出してそこに座り、霊のスキルを封印する。

「今回はちゃんとしたお札だからね?ぺたっとー!」

メイプルが霊にお札を貼り付けると、お札に書かれていた赤い文字が光り始め、霊の表面を白い光が伝っていく。

光が霊の体を覆うにつれてHPはじわじわと減少していき、霊は嘆きの声を上げ始めた。

「おおー効いてる効いてる!じゃあこの塩もどうぞっ!」

メイプルが塩を振りかけるとHPはさらにガクッと削れる。

そしてHPがゼロになると、霊はダメージエフェクトを一度も出すことなく、白い光に包まれて天に昇って消えていった。

「よし除霊成功!素材は……あれ、少ない?うわわっ、経験値は貰えてないっぽい……」

お札と塩による除霊では経験値や素材のうまみは得にくいが、スピードと倒しやすさを得ることができる。

メイプルはどちらを取るか悩んだものの、一度体験したお札と塩の楽さには抗えなかった。

「いっぱい倒せばいいんだよね。一応アイテムはドロップするみたいだし」

メイプルは近づいてくる霊に塩をばらまいて次々にダメージを与えていく。

「この調子でいこう!」

メイプルは寄ってくる霊を片っ端から昇天させる。

一体当たりの消費が少ないこともあり、買い込んだアイテムには余裕があった。

そうして二時間ほど除霊に勤しんだところで、メイプルは山から帰っていく。

「サリーはアイテムを集めたりするのに何回もモンスターを倒しに行ってるんだよね……これは大変だなあ」

しかし今回はサリーのためだと、メイプルはもうひと頑張りすることにした。

そうして毎日除霊を続け、現実ならば山の霊を全て除霊しきってしまうのではないかというくらい除霊したところで、メイプルの前にぽとりと靴が落ちた。

「おおおおっ!きたっ!」

メイプルが靴を拾い上げる。

それにはところどころ赤黒い染みが付いており、何故か少しひんやりとしているように感じられる

ものの、今のサリーのブーツによく似たものだった。

「名前は……【死者の足】?の、呪われそうだけど……大丈夫かな?レアって書いてあるからいいものだよね、きっと」

メイプルはブーツをくまなく観察してみたが、血が垂れてきたり、本当に中に死者の足が残っていたりはしなかった。

「うん。これならサリーにあげられるかな。スキルも一応確認して……」

【黄泉への一歩】

スキル使用時、各ステータスを5減少させ空中に足場を作る。

20分後減少解除。

足場は十秒後消滅する。

「ううん?何か、違うんだけど。どうしよう……一回サリーに見せてみようかな」

メイプルはインベントリに靴をしまうと、また近づいてきた幽霊を最後に倒して今日は帰ろうと考えた。

「よし塩とお札を……あれ?」

メイプルが除霊しようと構えたところで近づいてきた霊は今までと違った反応を示したのである。

霊は赤ではなく青い光を発し始め、さらに、メイプルに背中を向けて離れていく。

メイプルが目を凝らすと少し遠くで止まっている青い光が見えた。

ゆらゆらと揺れる光はメイプルを呼んでいるようにも感じられる。

「行ってみようかな。玉座はしまって、よしっ」

メイプルは盾を構えると、警戒しつつゆっくり青い光のもとへと歩いていく。

メイプルが近くまで来ると、霊はまたメイプルを導くように先へと進む。

「山を登ってる……とりあえず行ってみよう」

メイプルは霊に導かれるままに山を登り、遂に山頂へと辿り着いた。

山頂付近はより濃い霧に覆われており、もはや一メートル先すらまともに見えない状態である。

「どこに行けばいいのかな?あ、これ……」

メイプルの足元にコツンと当たったのは地面に刺さった、木で作られたボロボロの十字架だった。

近くには既に朽ちてしまった花束の残骸が転がっている。

「け、蹴っちゃった!ごめんなさい」

メイプルは目を閉じて手を合わせる。

そんなメイプルの足首を突然地面から生えた白い手が掴んだ。

「うぇっ!?ちょ、っと!離れない!」

メイプルはそのまま足を引かれ、あるはずの地面が消えてしまったような浮遊感を覚える。

どこまでもどこまでも落ちていくような感覚にメイプルは思わずぎゅっと目を閉じたのだった。