作品タイトル不明
40話
漸く、王都にあるタウンハウスへと着きました。
途中激しい雨に遭い、予定より遅くなってしまいました。
このお屋敷は普段、年老いたご夫婦に管理をお願いしていると伺いました。
私達は早々に支度を始めました。
まず湯浴みをしてからナタリーに髪を結いあげてもらい、そのあとお化粧をし、コルセットはカリンも加わって締め上げてくれましたが、とても苦しいです。
私はすっかり見違える程に磨き上げられました。
ドレスは嫁ぐ際、姉にプレゼントされた一着を選び、アクセサリーやその他の小物類は全て、お義母様から送られた品々にしてもらいました。
一通りの支度を終えた頃、丁度旦那様が迎えに来て下さいました。
見違える程磨かれた私を見て、旦那様は驚きながらも『本当に綺麗だ』と仰ってくださいました。
私も完璧に仕上がった旦那様を見つめ、
「旦那様も、とても素敵です」
そうお伝えしたら、少し照れていらっしゃいました。
こうして、旦那様にエスコートをして頂き、私達はついに王宮に着いたのです。
馬車を降りると、華やかな装いの人達が大勢、会場へと向かい、歩いています。
その人混みの中、私は伯爵家へと嫁いだすぐ上の姉を見つけ、嬉しくてすぐに声を掛けました。
「お姉様! お元気でしたか? 伯爵様お久しぶりです」
すると姉はとても驚いた様子です。
「あら、アンジュなの? 見違えてしまったわ。そのドレスとっても良く似合っているわよ」
「ありがとうございます。お姉様もとても素敵です」
そして一緒にいる伯爵様が旦那様にご挨拶を交わしてくださいました。
「これは、マイセン辺境伯様、お初にお目にかかります、バーデン伯爵領のジョセフと申します」
そう言ってから二人共、丁寧に挨拶を交わし合っていました。
それから私の両親も加わって、一通りの挨拶が終わった頃、陛下のお言葉がありました。
そして、そのお言葉の後は皆で和やかに歓談していました。
暫くして旦那様は陛下にご挨拶を申し上げに行き、その時、私の事も紹介して下さいました。
私は緊張で固まってしまいましたが、旦那様がフォローしてくださり難なく終えることが出来ました。
その後、二人で談笑をしていたら後ろから親しげな声がかかりました。
「エリック、元気そうね、此方がアンジュさん?」
すると旦那様が驚きながらも丁寧に一礼なさいました。
「母上、先日は色々と配慮して下さり、ありがとうございました」
そして旦那様は私にお義母様を紹介して下さいました。
私がお礼を言おうとしたら、先に言われてしまいました。
「アンジュさん先日は温かいお手紙ありがとう。とても嬉しかったわ。これからもエリックのこと宜しくね」
そう仰ってから、最後ににっこりと微笑んでくれました。
「どうやら、全て解決したようね、二人の顔を見てれば分かるわ」
そう言って、あっという間に去って行かれたのです。
私達は、思わず顔を見合わせ、苦笑してしまいました。
その時私は心の中で
『お義母様、本当にありがとうございました』
と感謝の気持ちを込めて、呟いていました。