軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第023話 異世界を満喫(逆)

「砂糖みたいに少量を売るのが得策か……」

「そこなんだけどさ。これらって向こうでも作れないの?」

フィリアはケーキなどのデザート類を指差す。

「無理じゃね?」

「でも、材料は卵、砂糖、小麦が主でしょ? あとこれは……この甘いのは何?」

「クリームかな? 牛乳を加工したものじゃね?」

詳しくは知らない。

「それらってさ、向こうにもあるわけよ。だからそれで作ってますって言えばいいと思う。そうすれば売れる」

「俺、作れねーよ?」

「実際に作る必要はないよ。これをそのまま売ればいい。商人ギルドに申請する時も詳細を言うわけじゃないしね。こういう材料でお菓子を作って売りますだけでいいよ。それ以上はさすがに言えないし、向こうも聞いてこない。勝手にマネされるし、情報が一番お金になることは商人ギルドが一番よくわかってることだからね」

企業秘密まではしゃべらなくてもいいわけか。

「お菓子ねー……」

「別にお菓子じゃなくてもいいよ。向こうでも作れるものなら大丈夫ってこと」

作り方もネットで調べれば、いくらでも出てくるだろう。

「何があるかねー」

「私はわからないねー。まあ、当面は砂糖を売る感じでいいと思うよ。あと10袋くらいならスルーされるはず」

砂糖は500グラムの物を10袋も買っている。

なお、帰りは重くて、最悪だった。

「1袋が金貨30枚で売れるなら金貨300枚か」

2000円程度で購入した砂糖が300万円にもなる。

とんだ錬金術だ。

「30枚は軽く超えると思うよー」

「マジ?」

「マジ。商人達の食いつきがやばいもん」

金貨500枚くらいはいくかもしれん。

「すげーなー」

「あとは氷でも売ったら?」

「需要あるか?」

「保存にも使えるし、需要は高いよ。でも、冷やすには魔法使いがいるからねー。でもって、料金が高いもん。氷ならなおさら高いよ」

魔法使いって、金儲けできそうだなー。

俺の脳裏には今日の午前中に見た巨乳魔法使いの姿が浮かんでいる。

見た目のおかげもあるが、身なりもきれいで裕福そうに見えた。

「氷か……元手はほぼタダだし、魔法で作ったって言い張ればいいわけか」

「魔法使いもそんなに多いわけじゃないから競合もしないしねー。我ながらいいアイデアだと思う。問題はどうやって運ぶかだね。当然、氷は溶けるし」

クーラーボックスで運べば、当分は持つだろう。

こっちの世界で氷を作り、クーラーボックスに入れて持ち込む。

いや、クーラーボックスが目立つな……

「収納魔法が欲しいな」

「超上級魔法だよ? 無理無理」

「やっぱりか……」

あの本に書いてなかったし。

「専門の魔法使いでも一握りだろうね」

「そういうアイテムはないか?」

「魔法袋があるよ。半年前に王都のオークションで金貨50000枚で落札されたってさ」

5おくえーん!

「無理だわ……」

「だろうねー。魔法袋も収納魔法も需要がやばいからね。商人はもちろん、軍の補給にも使える。収納魔法を持っているだけで人生の勝者は確定」

それもそうだわなー。

「ちょっと考えてみるか……とりあえず、この砂糖を売り捌いたら次は氷を試してみるわ」

「私が値段の調査をかねて、買ってくれるところを聞いてみよっか?」

「大丈夫か? 今日買った分の砂糖も任せるつもりだが」

「砂糖を売るついでだし、いいよー。あ、でも、売り上げの1割はもらうからね」

逆に1割でいいんだろうか?

5割とは言わないが、3割くらい持っていってもいいのだが……

「今回はこんなもんかなー」

「だねー。じゃあ、ご飯も食べたし、飲もっか?」

「まだ飲むん?」

「どうせ、明日の朝まで暇じゃん。飲もうよ」

こいつ、マジで酒が好きなんだなー。

今後の作戦会議を終えた俺達は買ってきた食品を肴に昼間から酒を飲む。

「このブドウはやばいね。甘すぎ」

「品種改良をしているだろうしなー」

「もうね、あっちのご飯が食べられなくなりそうだよ」

どうでもいいけど、こいつ、どんだけ飲むんだ?

もう朝の分も合わせると2桁に届くぞ……

「まあ、持って帰っていいぞ。置いて帰っても腐らすだけだし」

「じゃあ、そうしようかなー。リヒトさんはいらないの?」

「俺は当分、あっちではあっちの飯を食べる。調査もだが、慣れておきたい」

「ふーん、絶対にこっちの方が美味しいのに」

そりゃお前はそう言うだろうよ。

「俺は子供の頃から食べてるわ。まあ、今度帰った時にも持ってきてやるよ」

「私も連れていってよー」

今度もついてきたいらしい。

「まあいいか。声はかけるわ」

「おねがーい。他のも食べたいし」

甘味がよほど気に入ったらしい。

あとは酒だな。

「しかし、晩御飯はどうしようかな?」

時計を見ると、夕方の5時を過ぎている。

「これでいいじゃん」

フィリアがテーブルの上にある菓子パンやお菓子を指差す。

「俺は連続でそれはきついんだよ……」

「他に何かあるの?」

「お前、何が好きだ?」

外人どころか異世界人だが、日本食は大丈夫か?

「好き……え? これ」

「菓子パンはいいから」

「うーん、そう言われても、パンとお肉とスープばっかだからなー」

あっちの世界は食べ物のバリエーションが少ねーな。

「パスタでも食うか?」

パスタをゆでて、レトルトソースをかけるだけなので、俺にも作れる。

「何それ?」

「小麦を麺にしたやつかな……」

多分、小麦だと思う。

「あー、聞いたことある。美味しいの?」

「味による」

正確に言うと、ソースの種類による。

「わかんないから食べてみたい」

「じゃあ、作るわ」

そう言うと、立ち上がった。