軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第58話 悪人の対処

聖樹や聖域の大まかな効果や入手方法。

更にはダンジョンを攻略すればそこと対応している魔物が消滅することなど、陣取り合戦でこちらが優位に進めるために必要と思われる情報を開示する。

「……正直、信じらんねえな」

だがやはりと言うべきかその反応は芳しくはなかった。

「仮に全て本当のことだとしてもだ。そもそもどうしてお前がそんなことまで知ってるんだ? どうすればそんな情報が手に入るってんだ?」

「簡単だよ。最初に特定の魔物を倒した奴に特典があるのは知ってるか?」

金髪ヤンキー達は知らなかったようだが、監視員の方が東京とは違う地方の自衛官の中にその特典をもらった人がいると保証してくれる。

そしてそういった特典で大量のポイントを手に入れた人物は他の覚醒者よりも活躍していることも。

もっともその活躍の仕方が魔物退治に活かされるばかりではないようなのは残念でしかなかったが。

「つまりてめえの圧倒的なまでの力も特典で得たポイントによるものってことか?」

「大まかに言えばそうだな。ただし他と違うのは俺がゴブリンとオーク、その両方を最初に倒して二つの特典を得ているってことだ」

そこで俺は二つの特典を得た結果、ポイント以外でもそういったこの状況を改善させる知識を得られるようになったということにしておいた。

色々と考えた末に先生と茜のことは誰にも明かさず隠し通すことにしたので。

勿論それは二人にも納得してもらってある。

「なるほどな。そんでその得られた知識とやらで安全地帯みたいな誰も知らないことなんかもを知ったってことか」

「更に言えば、特典で知識と力を得たからこそ俺はオークくらいなら倒せる力を手に入れて、魔物を倒すことで他より効率よくポイントを稼げたった感じだな」

定期的に一人で東京に行って魔物を狩り、他の覚醒者よりも高い戦闘力のおかげでより多くの魔石を手に入れていた。

それを売り払ったポイントでスキルなども揃えたと言えば怪しまれることはなかった。

「なあ、その特典とやらで得た知識でこのくそったれな状況を一気にどうにかする方法とかは分からないか?」

「今のところそんな都合の良い情報は得られてないよ。ただこの特典で得られる知識はポイント消費や時間経過で開示される内容が増えていくみたいでな。俺もまだまだ全部の情報を得られてる訳ではないから今後に発覚する可能性も零じゃない。そして現状でも分かる状況を改善させる方法はさっき説明した通りってことだな」

「ダンジョンという敵の拠点を攻略して破壊すること。んでもってそこで手に入った聖樹の種を特定の場所に設置して敵が侵入できない聖域を作り出すこと、だったか」

「ああ。そうすれば外に溢れ出ていた魔物も消え去るのは見ての通りさ。まあそれを誰がやったのかは俺も分かってないけどな」

ここで俺は自分がダンジョンを攻略したことを隠して、別の誰かがそれを成し遂げたことにしておいた。

下手に俺が全てをやったとして頼り切りになられても困ると思ったのと、俺以外にもそう云った隠れた実力者がいるかもしれない、と思わせたかったからだ。

(これで先生や茜のことが発覚しても、そういった奴だと思ってもらえる確率は上がるからな)

なにより俺が全ての中心だと思われて狙われるのを防ぐために。

異世界の例から考えると残念ながら魔族に唆される人間が出ないとも限らないのだから。

裏切り者が出た時のためにも信頼できる相手以外に核心に迫る情報は与えないのが最善というもの。

「それよりも気になったんだが、刑務所から逃げた奴とか協力的じゃない覚醒者とやらの対処はどうなってるんだ? これまでの話だと大分困ってる感じだったけど」

「対処も何も、一部を除いて放置されてるのが現状だとよ」

魔物の出現に対して警察や自衛隊も対応に追われていることもあり、火事場泥棒的なことをする犯罪者を取り締まるまで手が回らない。

しかもその犯罪者が覚醒者の場合は下手に手を出すと返り討ちに遭うケースもかなりあるのだとか。

御霊石を利用してスキルを得れば人間くらいなら簡単に殺せる力が手に入る。

それでも危険人物を即銃殺とかできれば被害もそれほどにはならないかもしれないが、日本の警察にそれを出来るとは思えなかった。

「それどころかそういう奴らが集団となって一部の地方で好き放題してるって話だぞ」

「おいおい、それを政府は放置してるのかよ?」

警官だという監視員に尋ねたら、警察などでも対処に動いてはいるとのこと。

ただやはりどうしても人手が足りないのと、そういう奴らも感知スキルを持っているので中々捕まえられないらしい。

(銃が有れば非覚醒者でも仕留められるかもしれないけど、逃げに徹されると非覚醒者じゃ覚醒者に追いつけないか)

仮に車で追いかけても、上昇したステータスを活かして家や建物の上を走って逃げられでもしたらどうしようもないもないのだろう。

「なるほどな。じゃあまずはそういうカスの排除に協力するか」

そういうカス共は危険な魔物が蔓延っていた東京などには今のところ近付かないようにしているらしい。

だけど聖域と化して安全地帯であることが分かれば、いずれはやってくるだろう。

カス共からすれば、そこに避難している力なき人達は美味しい獲物でしかないのは明らかだった。

これから家族を聖域に避難させたい俺としても、そういう奴らが多いのは困るのである。

「そんなこともできるのか……ってあれだけの力があるならできるわな」

「任せておけって。それでその代わりに欲しいものがあるんだが……」

そこで求めた報酬についても監視員に了承されたこともあり、俺は聖域の安全を確保するために動き出すのだった。