軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

847.村人の一日②

「広く山車のアイデアを募集にゃけど、あちしはどうしようかにゃー」

「そうですねー……」

ナールとアナリアは村の住人では最古参である。

採用されなくとも、ちゃんとしたアイデアは出したいところだった。

「お茶を飲んだら、少し散策して考えてみましょうか」

「にゃ! 賛成にゃー!」

二人はお茶を飲み終えると村の中を歩き始めた。

村を象徴するといえば、まず大樹の塔。

のんびりと二人は塔に向かって歩き始めた。

土風呂エリアの隣を通ると、ナールがふむふむと頷く。

「今日はいい天気にゃ。たくさんの人が埋まってるにゃ」

「少し語弊がありますが……」

しかし、事実としてたくさんの人が土風呂を楽しんでいた。

冒険者もそうだが、新しく増えた地下ドリアードもいる。

「地下を開発するので、まだ余裕はありそうですが……中々の混雑ですね」

「最初の頃より、ずっと賑やかにゃ」

塔の周りには様々な農作物が植えられ、育っている。

木の間をドリアードたちが移動しては収穫や剪定を行っていた。

中心になっているのはテテトカの妹、ララトマだ。

「その調子です! いいですよ~」

葉や幹を手に取り、収穫物のチェックをしている。

水場の横ではコカトリスが収穫した農作物を洗っていた。

「ぴよよー」(ぱしゃぱしゃ、きれいにー)

「ぴよっぴよー」(洗いましょー)

「コカトリスも馴染んでいますね」

「よく働いているのにゃ」

コカトリスやドリアードには休日という概念が薄い。

その代わり好きに食べて、好きに寝ているわけだが。

「ぴよっ!」(お腹空いた!)

キャベツを洗っていたコカトリスが、おもむろにつまみ食いを始めた。

「ぴよよー!」(シャキシャキだー!)

あっという間にコカトリスはキャベツ一玉を食べ切った。

「よく働いているにゃ……。労働には対価が必要にゃ……」

「ま、まぁ……特権ですから」

ナールとアナリアは大樹の塔を見上げる。

他の魔法の建物と同じく、大樹の塔の葉は青々と茂っている。

村の隣にある森は紅葉になっており、その色合いの違いははっきりしていた。

「にゃ? あっちにナナとテテトカがいるにゃ」

「おや、珍しい組み合わせですね」

大樹の塔から少し離れたところにテテトカが埋まっている。

その横で着ぐるみ姿のナナが、箱状の魔法具をガチャガチャといじっていた。