軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

755.マツノタケとソース

ナイフとフォークを駆使して、マツノタケのステーキに当てる。ふんわりと柔らかいながらも繊維がほどけるように切れた。松茸より柔らかい気がする。

ステラが犬姿のマルコシアスに切ったマツノタケを差し出す。

「はい、あーんです」

「あーんなんだぞ!」

もぐもぐもぐ。

ということで、俺はディアにマツノタケを差し出す。

「どうぞ、ディア」

「あーんぴよ!」

もっしゃもっしゃ。

そして自分の分を取り、口へと運ぶ。まず一口目はこのまま何もつけず……。

もぐもぐ。もぐもぐもぐ。

「美味しい……!」

味は松茸だが、より口当たりが良くなっている。まったりとした塩の味わいと鼻に抜ける芳香はまさにキノコ特有の旨味だ。ウッドもうんうんと頷いている。

「ウゴ! 味のしっかりしたキノコだね!」

「ぴよよ! うまぴよね!」

「わふ。口いっぱいに香りが充満してるんだぞー!」

ステラも目を閉じながら、ゆっくりとマツノタケを味わっていた。

「うーん、いいですね……。懐かしい味です。うーん……」

「満足そうだな」

「ええ、やはりこれは間違いない高級キノコですからね」

まさにその通りだ。塩だけでも十分に味がある。だが、お楽しみはソースだ。ステラが目を開き、耳を動かしながら並ぶソースを見つめる。

「マツノタケは酸味あるソースとの相性が良いのですが、わかってますね」

「行商人の言葉を元にしただけですが、こちらも凝りましたので」

黄色いソースはオレンジ系だろうな。半透明のソースは酢と胡椒の雰囲気がする。コカトリスもマツノタケをもっしゃもっしゃと……すでに食べ終わっていた。

「ぴよよ」(もうなくなっちゃったぜ)

「ぴよ」(我らの前にあるモノは等しく消える定め……。こちらのサラダを食べよう)

「ぴっよ」(そだね)

コカトリスはまぁ、食べるのが早いからな。マツノタケ以外のサラダや炒め物に羽を伸ばしていた。ナナもトマトソースをたっぷりかけ、舌鼓を打っている。

「うーん、いいね。濃縮されたトマトソースとキノコが実に複雑な味わいを作ってるよ」

かなりがソースの味のような気もするが、ナナはヴァンパイアだ。トマトには繊細だ。きっとあれだけのトマトソースがかかっても、マツノタケの味が良く分かるのだろう……ということにする。