軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

555.干してみる?

バーベキューが終わった頃には雨が止んでいた。

ふむ、帰る前にちょうど良かったな。

片付けを終えた俺達は湖から村へと戻ってくる。

持って帰ってきた貝類はブラウンへ任せた。

「にゃーん。生簀で様子を見ますにゃん」

「ああ、頼んだぞ」

マルデ生物は生息数がそれなりに多いこともわかってきた。ただちに取り尽くすことはないだろう。

なので近々、ザンザスへ送って食べてみてもらう予定だ。

魔法具で保存しながらなので、相当に高くはなるが……。

あっ、そうだ。

それならステラにも見せてみようかな。

「悪い、ちょっとだけ貝をもらってもいいか?」

「もちろんどうぞですにゃーん!」

俺はブラウンから袋に詰めた貝をいくつかもらった。

ウッドにはピンときたらしい。

「ウゴ、かあさんなら何か別の料理にするかも!」

「あるいは俺が料理してもいいかもな」

ホンビノス貝は砂抜きをしなくても大丈夫だった。もしステラに貝料理のアテがなくても、ワイン蒸しで十分おいしいしな。

「貝ですか……!」

家に持って帰るとステラは目を輝かせる。

「ぴよ! 貝料理、つくるぴよよ?」

「すこーしだけ違います。干すのです」

「干物にするんだぞ?」

この世界では前世に比べて干物の需要はまだまだ多い。ステーキのような肉の食べ方は贅沢であり、ハムやベーコンが一般的だ。

まぁ、生や冷凍での保存技術が魔法具頼みだからな。どうしても高価になってしまう。

なので輸出できるとしても、せいぜいザンザスまでと思っていたのだが……。

「なるほど、干し貝柱か」

中華では割とポピュラーだな。

保存食でもあるが、おつまみにもなる。

「エルフ料理でもよく使います……。ホンビノス貝はよく取れたのですか?」

「ああ、割と取れたぞ。雨の日だからかはわからんが」

「ウゴ、大漁だった!」

ステラがふむふむと頷く。

「では干し貝柱に挑戦してみましょうか……!」

ステラは早速、干し貝柱を作り始めた。

木箱に水とホンビノス貝を入れ、砂抜きを始める。

といっても湖は淡水ではあったが。

「さっきは結構大丈夫だったけどな」

「初めてなので、ちょっとだけ丁寧に……」

ディアがぴよぴよとステラにたずねる。

未知の料理に興味津々だった。

「こんやのおゆーはんは、かいぴよねっ!」

羽をぱたぱた。かわいい。

そこでステラはにっこりと微笑んだ。

あっ、この微笑みは……。

「残念ですが、干し貝柱は3日くらいかかりますね」

「がーんぴよ!」

「でも大丈夫です……! 焼くのは今夜、できますからね!」