軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

454.ダンジョンの空

星クラゲを片付けた俺達は移動の準備をする。

「……ぎゅぎゅっと」

ステラがロープで、コカトリス達と自分をくくり付けていた。

これでコカトリスを担いでステラは空を飛ぶらしい。

「ぴよぴよ」(並んでー、並んでー)

「ぴよよ」(空を飛ぶのさー)

「……大丈夫か?」

「エルぴよちゃんのロープは丈夫ですし、心配はないかと……!」

いや、心配なのはコカトリスを担いで空を飛ぶことのほうなんだが……。

「やはりSランクの冒険者には、根本的なパワーが必要ですわ……!」

「いや、そんなわけはないけど」

ジェシカにナナが突っ込む。

「でもナナも凄いパワーですわよね? 着ぐるみをずっと着てますし……」

「これはヴァンパイアだし」

ぴこぴこと羽を動かすナナ。

「でもその全身着ぐるみ……それなりに重いと思いますわ」

「…………」

そこに気が付くとは……。

魔力でアシストしているが、この着ぐるみはそれなりに重装備である。

常に魔力を流し続ければ快適だが、魔力が尽きると普通の着ぐるみ。重い。

「まぁ、筋力はそれなりに必要だな。俺も腹筋背筋は鍛えてる」

ヴィクターが頷いている。

……おう。兄はナチュラルに着ぐるみを着ているからな。

「エルぴよもそうだろう? でなければ、この着ぐるみは少々厳しいだろうからな」

ふよふよ……。

準備が終わり、ヴィクターの魔法で俺達は空に浮き上がった。

「ウゴウゴ、岩山……! 本当に陸の上!」

「上から見るとまた違うな……」

高さからすると……30メートルくらいだろうか。

岩山の向こうに緑のジャングルが見えた。

俺達が入ってきたジャングルだろう。

他にも見渡すと砂漠や沼がある。

本当に色々な地形のミックスだな。

この世界の本で読んで知っているが、実際に見ると不思議というほかない。

「空には天井があるんだとか……」

「ウゴ、この空は作り物なんでしょ? 凄い!」

「ダンジョンは広いように見えますが、地平線や空は見せかけですからね。実際は見えるほどには広くありません」

みっちりしたコカトリスを担いで、ステラが言う。

「ぴよぴ……?」(この人、やっぱり何か凄くない……?)

「ぴよぴよ」(とってもぱわふる)

「ぴよちゃん達も空を楽しんでいるようですね」

「ぴよ……?」(やはり何か、人間さんとは違う……?)

「ぴよっぴ?」(人間さんの限界超え?)

「ぴよ……」(あり得る……)

……?

コカトリスのぴよぴよに、なぜか疑問符があるように感じるが……。

「とりあえず異常なし。まっすぐ前に進むぞ」

「わかった」

岩山には死角が多い。

とりあえず見渡す限り、星クラゲはいないようだが……。

しかしこのダンジョンのどこか、ボスやダンジョン化の原因がある。

ゆっくりと進んでいこう。