軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

442.ナールの実家

ヒールベリーの村。

にゃんにゃん。

にゃんにゃんにゃんー。

ニャフ族達がザンザス行きへの馬車へと荷物を運び込んでいた。冒険者達も作業を手伝っている。

「今日の仕事はこれで終わりですかい?」

「にゃ! これで終わりにゃ」

「順調ですねぃ」

「にゃ……書類仕事は大変にゃけど、溜めないですんでるにゃ。収穫も上々にゃ」

「いいことですぜ……」

うんうんとシュガーが頷く。

「今頃エルト様達は海で討伐にゃ。きっと大変にゃ……」

「本当、仕事熱心ですぜ。海にまで潜りに行くなんて……」

「でも大海原にライガー家の船が集まるのは、見てみたいにゃ。壮観のはずにゃ」

「俺も海はあんまりですからねー。ザンザスのダンジョンでちょっとタッチしたくらいで……」

積み込みは終わったようで、馬車が発進準備に入っていた。ナールが御者へ合図を送る。

今日の仕事はこれで終わりだ。

「にゃ! それってザンザスのダンジョンの第4層にゃ? その話、後でもっと聞きたいにゃー」

ナールの帽子をぽむぽむとシュガーが優しく撫でる。

「もちろん、オッケーですぜ!」

そうして後片付けが終わり、二人は村の居酒屋へとやってきた。

太陽は傾き始めているが、夜にはまだ早い。

しかしヒールベリーの村は夜遅くまで店が開いていることはない。

早寝早起きなのだ。

「……ぴよ」(……すやー)

窓から見る村の広場には、コカトリスが大の字で昼寝している。

すぐそばには看板で『ぴよ、お昼寝中』とあった。

「にゃにゃーん。パズルマッシュルームのたたきとチーズとトマトのオーブン焼きをくださいにゃー」

「俺もパズルマッシュルームのたたきと……あとはカボチャのグラタンで!」

「はいにゃーん」

飲み物はセットで紅茶が出てくる。

それらを二人は口にして、ぷはーと息を吐いた。

「仕事終わりの紅茶は格別にゃー」

「全くですねい……」

一息ついたところで、ナールが身を軽く乗り出す。

「それで海の話にゃ……。ザンザスにも『海』があるにゃ?」

「そうですよ。ダンジョンの第4層が海と氷のエリアですからね」

ニャフ族の店員がパズルマッシュルームのたたきを持ってくる。それをつまみながら、シュガーがしみじみと言う。

「第4層はBランク以上の冒険者じゃないと挑めませんからね。俺もあんまり行ったわけじゃないですが……」

「本もそこから先はあんまり書いてなかったのにゃ」

「書いてもしょうがない、ということでしょーね。挑むのさえ、許可制ですし」

シュガーが肩をすくめる。

「あそこは本当に寒くてね……。色んなところが氷に閉ざされているから、未踏エリアもちょいちょいあるっぽいんですよ」

「にゃ……でも綺麗とか書いてあったにゃ」

「ええ、北の果てに行かないと見られないくらい強烈な銀世界ですからね。……でもそんなのに興味があるんです?」

にゃー……とナールが周囲を見渡す。

「実家から手紙がきたのにゃ」

「実家……あのおやっさんですか」

ナールの父はポーション関係の器具に詳しかった。

特にメンテナンス方面は抜群の腕前だったはずだ。

そのためナールの父は何度かザンザスに呼ばれており、シュガーも面識がある。

「……ブラックムーン商会にちょっと関わることにゃ」