軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

435.近海のヌシ

俺達にできる星クラゲへの対処はほぼ終わった。

……海面にたくさんの星クラゲがまだいるが、それは船乗り達に任せよう。

ステラもやっと回転を止めた。

「ふぅ……! ほとんど、いなくなりましたね」

「ぴよ!」(すとっーぷ!)

コカトリスも回転をやめる。

かなりのドヤ顔だ。ぴよ的にも満足したらしい。

「よしよし、いい子です!」

「ぴよよ〜!」(たぷも回って燃えた感!)

ステラがぽむぽむとコカトリスを撫でる。海中だが、毛並みはベタついていないらしい。

マジカルボディだ。

「エルちゃんもお疲れ様でした! 結構、逃してたんですね……」

海藻のカーテンには大量の星クラゲがひっかかっている。

「いや、後半はステラを避けてこっちに来てたからな。ある程度の危機回避能力はあるらしい」

「ウゴ、こっちでもそう! 網にかからなくなるやつがいた!」

「その辺りも検討しなくてはいけませんわね」

「そうだな。……とりあえず一旦、戻るか」

海面では船が集まって星クラゲを引き上げている。

海底から星クラゲはもう来ない。

さしあたり、このポイントでの星クラゲは一段落したと見てもいいだろう。

船に上がると、ルイーゼが待ち構えていた。

とりあえず海中で見た出来事を報告する。ジェシカからも話は行っていると思うが……念の為だ。

「……なるほどな。はぁ〜……凄い話になってきた」

クロウズもやや前のめりになっている。

「頭に傷のある、大リヴァイアサン……それに海底神殿! なんと……」

「……何か知っているのか?」

「間違いありません、その大リヴァイアサンはこの近海のヌシでしょう。何百年も前から目撃情報があります」

「ああ、この辺りで最強の海の魔物だろーな」

ルイーゼが重々しく頷く。

「ほうほう……」

タオルで体を拭き終えたステラが素知らぬ顔をしている。でも耳がぴくぴく動いているな。

「でもあのヌシは、人や船には近付かないはずなんだがな……。そうだよな?」

「その通りです、ルイーゼ様。リヴァイアサンの群れを率いてはいますが、こちらとはあまり関わり合いにならない……。先代からもそう、聞いていますが」

「ほうほう……」

……。

もしかして、それって……。

「それが人前に姿を見せて、神殿に案内した? よくわかんねーなー……」

……。

俺がしゅっと羽を上げる。

「実はそのヌシ、前にステラが頭をぱっこーんしたリヴァイアサンらしいんだが」

「は?」

「えっ?」

「いつの話だよ、それ」

ステラが観念したように答えた。

「……数百年前ですが……」

ルイーゼとクロウズが顔を見合わせる。

マジなの? という顔だ。

「まさか……そんなことが? しかし……」

その時、ジェシカが船乗りの指導から戻ってくる。

「あのリヴァイアサンの妙な動きは、私も気になりましたわ。何らかの因縁があると考えれば……あり得ますわ」

「……だとすると、こーいうことか?」

ルイーゼがステラをじっと見た。

「この近海のヌシに、トラウマを植え付けていた……と!」