軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

363.中々の距離感

お見合い会も終わり、後片付けに入った。

すっかり日も暮れている。

シュガーが、胸をなでおろしながら言う。

ちなみにナナ以外は全員、着ぐるみをもう脱いでいた。

「やれやれ……結果としては、上出来なんですかね。五組のカップルが出来たことだし」

「そうですね……。やはりぴよ効果はあったと言えるかと」

ステラのテンションは元に戻っている。

ナナがぼそりと呟く。

「やっぱり着ぐるみで性格変わるタイプか」

その呟きはステラには聞こえてはいなかった。

「にゃー、お疲れ様にゃー」

「「にゃー!」」

ニャフ族が片付けを手伝いに来てくれた。

「おー、ありがとうごぜぇやす!」

「にゃー、成果はどうにゃ?」

シュガーはナールを両脇から抱えると、ちょっとだけ高い高いする。

そして何事もなかったように、降ろす。

ナチュラルな動作だけど、中々の距離感の近さだった。

レイアが戻ってきた着ぐるみを箱に詰めながら、

「まずまず、何組かのカップルができましたよ」

「それは何よりにゃ!」

ステラもふむふむと頷きながら、

「定期的にこういうイベントもいいかも知れませんね。初回は様子見の人も、次は参加してくれるかも知れませんし」

「まさに、その通りです……! 継続も大事ですからね!」

「……そうすればまた着ぐるみの出番もありやすからね」

シュガーの言葉に、レイアがぐっと親指を立てる。

いい笑顔付きで。

「ちゃんとわかっていますね!」

夜の帰り道。

風のざわめきを聞きながら、シュガーとナールは並んで歩いていた。

ナールを自宅まで送るためである。歩きながら、二人は話をしていく。

「にゃ。着ぐるみはどうだったにゃ?」

「レイアはしっかりと作ってますからね。息苦しさもあんまりなく、やりやすかったですぜ」

「コカトリスグッズには手を抜かないにゃ」

距離はそんなにない。

とことこと歩いていくと、すぐにナールの家に到着する。

「にゃ。送ってくれてありがとうにゃ」

「気にしないでくだせぇ」

ちょっと照れくさそうにするシュガー。

それを見て、ナールがちょいちょいっと手招きをする。

その仕草でシュガーは、すっとナールと目線が同じになるようにかがむ。

もう何度もやってきた流れだからだ。

「今日はお疲れ様にゃ……!」

ナールがシュガーにぎゅーっと抱きつく。

もふもふなナールの体を受け止めながら、シュガーは微笑む。

「ナールもですぜ」

シュガーがふにふにと腕を回して撫でると、ナールは上機嫌に応えた。

「にゃーん……」

少しの間そうすると、シュガーが名残惜しそうにナールから離れる。

夜になったとはいえ、人の目がないわけではない。

さすがに長時間やるのはちょっと慣れないのだ。

「んじゃおやすみ、ナール」

「おやすみなさいにゃ!」

そうして別れる二人。

ナールはシュガーが見えなくなるまで、手を振っていた。

その様子を大樹の影から、またしてもコカトリス達が見つめていた。

「ぴよ……」(春だ……)

「ぴよぴよ……」(愛とか恋とかだ……)