軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

お食事フレンチトースト

まずはいつも通りしっかり手洗い。

新しく手に入れた調理器具をこれまた新しく手に入れたスポンジで洗う。

店で購入したわけではないから、洗う必要はないかもしれないけど、一応。なんかそのほうがしっくりくるからね。

そして、水気をさっと拭き、さっそく調理開始!

まずはボールに卵を割り入れ、計量カップで牛乳を測る。卵の重さよりも少し多めぐらい。

この卵と牛乳の比率はレシピによっていろいろあって、だいたい同量から二倍ぐらいまでが多いかな。

しっかりたまご感があるものなら卵を多めに。やわらかくてミルク感があるものなら牛乳を多めに。今回はちょうどその間ぐらいだ。

そして、白身を切るようにしっかりと混ぜ合わせれば、あっという間に卵液が完成!

そう。私がこれから作るのはフレンチトースト!

固くなったパンの救世主!

ただ、フレンチトーストは卵液をパンに染み込ませようとすると時間がかかる。一晩つけておくというレシピも多い。

だけど、私は思い立ったら、即フレンチトースト派なので、翌日まで待てない。

というか、前日は仕事で疲れて寝てることのほうが多かった。翌朝のために仕込んで寝ればいいんだけど、できないんだよね……。

でも、休日の朝はなんかやる気が出る。だから、すぐに卵液が染み込むレシピは本当に重宝している。

卵液は最初に温めておくと、パンに染み込みやすくなるのだ。

「最初に考えた人ってすごいよね」

本当に。卵液を温めるとパンにすぐ染み込むと最初に考えた人は誰なのか。

そもそも、卵と牛乳をパンに浸して焼こうと考えたのは誰なのか。

料理にはそんな不思議なアイディアがごろごろ転がっている。

私はそれを享受し、おいしいものを食べてる立場の人間なので、とても尊敬している。この世には料理の神様がいっぱいいる。すごい。

そんなことを考えながら、卵液を電熱器の上に置いてあるフライパンに流しいれた。そして、電熱器を弱火へと合わせる。

そして、卵液をぐるぐるとかき混ぜた。

あまり火が強すぎると温かくなりすぎて、固まってプリンになってしまうので要注意だ。

「電子レンジ欲しいな……」

そう。いつもならもっと手軽に電子レンジで温めてしまうのだ。

やっぱり、電子レンジは便利だし、欲しい。

がんばってポイントためよう。

ぐるぐると混ぜながら、今はなき電子レンジに思いを馳せる。

それにしても電熱器の初速の遅さは異常。早く温まって。

そうして、ぐるぐるかき混ぜるうちに、ようやく電熱器からフライパンに熱が伝わり、卵液もゆっくりと温まっていく。

手をかざして、温かさがわかるようになったところで、電熱器を切った。

そして、台所に持ち込んだフランスパンを入れていく。

フランスパンは切ってくれてあったので、そのまま並べるだけだ。2cmぐらの厚さのななめ切りが四枚。

それを温まった卵液に並べた。

「おお。吸ってる吸ってる」

あっという間に! とは言えないけれど、浸した所からゆっくりとパンに卵液が染み込んで行く。

本当ならステンレスのバットなどにパンを並べて、そこに卵液をかければいいんだけど、フライパンで直接やってしまう。

片面にあらかた染み込んだらひっくり返して、反対側も。

卵液が少なくなってくるので、フライパンを傾けて、できるだけつかるようにパンの位置を入れ替えたり、少しパンの表面を押して、卵液が入りやすいようにしたり。

「うん。もういいかな」

そして、だいたい液が染み込んだところで、ボールにパンを取っていく。菜箸でも取れそうだけど、せっかくフライ返しを手に入れたので、菜箸とフライ返しを使って、ボールへと移した。

フライパンにはまだ卵液が残っているので、それをパンの上にかける。

そして、空になったフライパンを流しで洗い、もう一度電熱器でフライパンを温めていく。

「最後のベーコン」

そして、温まったところで、最後の一パックのベーコンをフライパンへと並べた。

しっかりと温めたフライパンの上でベーコンからジュジュッとおいしそうな音が鳴る。

そうして、ベーコンエッグの時より、さらにしっかりと焼いてカリカリにしていく。

もういいんじゃないか。いやもうちょっと。

いやもういける。いやもうちょっと!

ベーコンがパチンパチンと音を立て、それに焦らされながらも、カリカリになるまでしっかり待つ。

そうしやって自分と戦いながらできたベーコンを取り出そうとフライパンを持ち上げた。

すると、調理台が光って――。

「いや、もう惚れそうだよ……」

ベーコンのためのお皿が出て来た。

ナイスアシスト、私の台所。

「よし、しっかり染み込んだ」

ベーコンをお皿に取り、そのままのフライパンで卵液に浸したパンを焼いていく。

卵液がしっかりと染み込んだパンはかなり大きくなっていて、崩れないようにフライパンに移す。

弱火で片面ずつ。蓋をしてしっかりと。

結構時間がかかるので、その間に片付けをしたり、台所の設備をもう一度確認したりして時間を潰す。

「これって一度戻ると無くなっちゃうのかな?」

ちょっとこわいよね。

調理中に戻った場合、それも全部片付いてしまったら……。

それなりに時間がかかる料理を作る場合は、ずっと台所にいるより、行ったり来たりできたほうがいいんだけど……。

「今度、試さないと」

うん。今やるとなけなしのパンがなくなってしまうからね。

消えてもいいというものを消えてもいいタイミングで用意して、一度試してみなくては。

「そろそろかな」

そうしていろいろとしているうちに、いい具合になってきた気がする。

フライパンの蓋を取れば、そこにはふっくらと膨らんだフレンチトースト。

蓋を取ると、温度が下がるから、ふくらみがゆっくりと縮んでいく。これが中までしっかりと火が通ったサイン!

そのサインを見逃さず、電熱器からフライパンを離す。

こんがりと焼けた両面がとってもいい色だ。

「おお……お皿も二枚用意してくれてる……」

もう、ここまで来たら、惚れるしかない。

とくになにかしているわけではないが、調理台にはちゃんと二枚のお皿が現れた。

私とイケメンシロクマの分。

なんだろ、やっぱり私のスキルだから、私の心がわかるのか。

「最後に盛り付けをして……」

そうして、感心しながらフレンチトーストをお皿に並べる。

そして、その上に焼いておいたカリカリベーコンを乗せた。

仕上げに持ち込んでいたカッテージチーズをたっぷりと乗せて、黒こしょうをゴリゴリ削れば完成!

――お食事フレンチトースト!

「『できあがり!』」