軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

138.神族からの支持。

創造神と繋がっていたパネルを消して、息を吐き出す。

「焦った」

何が起こったんだ?

創造神が、アルギリスが作った異空間と繋がる場所を探すと聞いていたので、結果が気になった俺は、ついパネルの通信ボタンを押してしまった。

そしてパネルに映し出された創造神を見て驚いてしまった。

なぜなら、彼の神力がものすごい揺れ方をしていたからだ。

最初は、体調が悪いのかと思った。

だから本人に聞いてみたが、彼は傍にいたガルアル神に「顔色が悪いのか?」と聞いた。

それで創造神が、不安定になっている神力に気付いていない事が分かった。

自分の力については、やはり本人が一番理解出来るものだ。

だから創造神の状態を不思議に思いながら、不安定になっている神力について指摘した。

でも創造神は、不思議そうな表情をする。

少し焦って不安定な神力が、神国に悪影響を与えてしまうと話した。

そこでようやく創造神は、自分の力が不安定になっている事に気付いてくれた。

少し焦った様子を見せる創造神に、何か手助けができればと声を掛けたが、なぜか神力がもっと不安定になってしまう。

あれは、悪い事をしてしまったと思う。

でも、どうして心配事があるのか聞いただけで神力が大きく揺れたんだろう?

「今考えても、やっぱり原因は分からないな」

下手な事は言わない方が良さそうなので、とりあえずゆっくり休憩を取るように創造神に勧めた。

疲れが、自分の力に影響を及ぼす事は経験で知っていたから。

ガルアル神も何度も頷いていたから、彼も同じ思いだったのだろう。

「ここまでは、問題なかったよな。あの後……俺の力が見えてからが問題なんだよ」

パネルに映った創造神に苦笑が浮かんだ時、彼とは違う力がパネルに映った。

それが俺の力だったので、問題ないと判断したが違った。

創造神の神力と俺の力が触れた瞬間、創造神の神力がふっと消滅したのだ。

一瞬何が起こったのか分からなかった。

でも、徐々に理解した。

俺の力が、創造神の神力を飲み込んだという事を。

「あれは、たぶんやばい」

呪界は、俺の垂れ流した力で満たされている。

特に問題ないと思ったが、まさか呪界から力が溢れ出すとは思わなかった。

本来は、世界が異なるため反発するか消滅するはずなんだけど。

「どうして世界を越えたのに何も起こらなかったんだ?」

通常ならありえない。

何も起こらなかったという事は、神国にとって俺の力が異物だと判断されなかったという事になる。

「あっ、もしかして……アルギリスを探すために、俺の力を神国に流したせいか?」

でも、捜索で使った力は全て回収した。

だから残っているはずはない。

「それに、アルギリスを探す時に使った力は神力だ。創造神の神力を飲み込んだのは、混ざり合った俺の力だ。これは、確実におかしい」

俺の神力に反応しないなら説明は出来る。

でも混ざり合った俺の力には、絶対に反応するはずだ。

「いたっ」

まただ。

「なんなんだろう」

痛みを感じた指先に視線を向ける。

特に傷があるわけでもない。

ただ、痛みが走るだけ。

「とりあえず、呪界から俺の力が溢れないように結界を張るか」

問題の解決にはならないけど、時間稼ぎにはなる。

その間に、反応しなかった原因を調べないと。

「俺の力が増している事に関係しているんだろうか?」

アルギリスの事も解決していないのに、俺の力の問題まで。

「はぁ~」

創造神と約束した3日目。

そろそろ彼の神力も安定して、俺の力に飲み込まれる事も無いだろう。

ただ会う時は、呪界に結界を張って俺の力が溢れないようにするつもりだけど。

この3日間。

俺の力について色々と調べた。

そして、強くなっている原因が分かった。

そしておそらく、反応しなかった原因も。

「駄目だった?」

俺の前にリーダーとロープがいる。

そして、俺を窺うように見ている。

まさか、神国でも布教活動というか、俺の事を広めているとは思わなかった。

魔界でも同じように広めたお陰で俺の支持者が増え、力が増した。

そして今度は神国。

ただ広めるきっかけを作ったのはリーダーとロープだけど、神族達に浸透させたのはお茶会に参加していた神族達みたいだ。

「これ以上は、広めないように」

俺の言葉に何度も頷く、リーダーとロープ。

まぁ、既に色々と手遅れだけど。

というか、お茶会に来る神族達にも言わないと駄目だろうな。

「まさか神族達に、そんなに支持されていたとは」

お陰で、俺の力は神国で受け入れられてしまった。

呪力や魔神力なのにだ。

これっていいのかな?

「まぁ、原因が分かれば対処出来るだろう……たぶん」

ただ、指先の痛みの原因は分からなかった。

力が強くなっていると気付いた頃から感じ出した痛み。

だから力と関係があるとは思うのだけど。

さてと、そろそろ約束の時間だな。

執務室にあるパネルを目の前に持って来ると通信のボタンを押す。

創造神の様子を見て、また問題がありそうだったらすぐに通信を切らないとな。

神族達の支持による影響がどこまでなのか、正直分かっていない事も多いから。

「おは――」

「見つけた!」

「…………」

ビックリした。

まさか、繋がった瞬間に叫び声が聞こえて来るとは思わなかった。

パネルに映った創造神を見る。

3日前より、表情が明るいな。

それに、神力の流れもスムーズだ。

安定した創造神の神力にホッと息を吐き出す。

良かった。

「……呪界王?」

「あっ、悪い。調子はいいみたいだな」

「ははっ。やはり、根を詰め過ぎるのは駄目みたいだ」

フィオ神に、創造神の神力が不安定になった原因については聞いている。

通常の仕事が終わってから神国の事を勉強していたせいで、疲れが溜まっていたそうだ。

「そうだな。なんでもほどほどに進めるのが良いよ」

「うん」

「それで、アルギリスの作った異空間に繋がる場所を見つけたのか?」

さっきの「見つけた」は、そういう事だよな?

「あぁ、寝室にあった」

また、寝室?

魔法陣があったのも寝室だったよな。

「そんな場所で眠って、大丈夫だったのか?」

「それは問題ない。寝室に問題があると分かってからは、使っていないから」

「それもそうか」

問題がある場所で寝るわけが無かったな。

「それで見つけた場所だけど、天井の真ん中にあった」

天井か。

力の事が不安だけど、少し自分で確かめたいな。

呪界に張った結界の様子を確認する。

5重に張ってあるので、俺の力は抑えこめるだろう。

きっと、大丈夫だ。

「俺が今から天井を確認しても問題ないか?」

「もちろん」

創造神の言葉にお礼を言うと、前に見た創造神の寝室を思い出しながら俺の神力だけを流す。

天井だと言ったよな。

真っ白に整えられた部屋に入ると、天井に力をゆっくりと走らせる。

「……んっ?」

真ん中だと言っていたけど……あっ、あった。

たぶん、このわずかな揺れだ。

「本当に微かな揺れだな」

「うん。最初は俺の力が揺れたのかと思ったけど、何度も確かめて『ここだ』と判断した」

創造神に場所を教えてもらっていなかったら、俺は気付かなかったかもしれない。

それぐらい、本当に小さな揺れだ。

「創造神がいなかったら、これには気付けなかった。凄いな」

「えっ? あぁ、いや、うん」

んっ?

もしかして照れているのか?

「へへっ」

あっ、傍で様子を見ていたガルアル神が、微笑ましそうに創造神を見ている。

まるで兄だな。

「ありがとう、創造神。これでアルギリスを見つけ出す事が出来そうだ」

ここからどうするのかが、問題だけどな。